ハンター・メイハン 第5話 自分のメカニズムにあったショットを選ぶ

前回は、

ゴルフは、ショットを打つ前の判断から始まっている

という話をしました。

残り距離だけを見てクラブを選ぶのではなく、

ライ。

風。

傾斜。

グリーンの形。

外してはいけない場所。

そして、

今の自分が、そのショットをどのくらい再現できるのか。

そこまで含めて考える必要があります。

これは、コースマネジメントという言葉だけでは少し足りないように思います。

店長は、

自分の持っているメカニズムに、ショットを合わせる

ということも重要だと思っています。

ゴルファーには、それぞれ得意なクラブの動かし方があります。

上から強くクラブを入れる人。

浅い入射でソールを滑らせる人。

フェースを開閉させながらボールを操る人。

フェース面をできるだけ変化させず、身体の回転で打つ人。

どれが正しい、という話ではありません。

重要なのは、

その人が、どのようなクラブの動かし方を最も再現しやすいのか。

ということです。

例えば、普段からスティープにクラブを入れ、強いコンタクトを作る選手がいたとします。

その選手にとって、

低く出して転がすアプローチや、

ボールを先にコンタクトしてからターフを取るショットは、

通常のフルスイングとの共通点が多いかもしれません。

逆に、

フェースを大きく開き、

入射角を浅くし、

ソールを滑らせながら、

ふわっと高く上げるショットは、

普段とはかなり違うクラブの使い方になる可能性があります。

もちろん、プロゴルファーですから、どちらのショットも打つことはできます。

しかし、

打てることと、極限状態でも再現できることは同じではありません。

ここが重要だと思います。

練習場で10球打てば、8球成功する。

それなら「打てるショット」です。

しかし試合では、

一球しかありません。

しかも、その一球に大きな意味があることもあります。

そうなると、

「一番格好良いショット」

「一番寄りそうなショット」

ではなく、

「今の自分が最も再現できるショット」

を選ぶ必要があります。

これは、メイハンが現在話している、

「自分が本当に得意なものを見つけ、それを守れ」

という考え方にもつながります。

自分の得意な動きを知る。

その動きで何ができるのかを知る。

そして、

そのメカニズムから大きく外れない範囲でショットを組み立てる。

店長は、これもゴルフの技術の一つだと思っています。

技術というと、

高い球。

低い球。

フェード。

ドロー。

スピンの効いたアプローチ。

ロブショット。

こうした「打ち分ける能力」を思い浮かべます。

しかし、本当に重要なのは、

どのショットを使わないかを決める能力

なのかもしれません。

打てるから打つのではない。

その場面で、

自分が最も再現できるものを選ぶ。

メイハンが言う、

「80を77にする」

という話も、ここにつながってくるように思います。

80で回る人が、さらに高度なショットを覚えれば77になるとは限りません。

むしろ、

すでに持っているショットの中から、

成功率の高いものを正しく選ぶ。

それだけで3打縮まることは十分にあります。

ゴルフでは、できることを増やすことばかりに目が向きます。

しかし、

できることを増やすことと、使うものを増やすことは同じではありません。

むしろ上手い選手ほど、

状況によって、

「これは使わない」

という判断ができるのではないでしょうか。

そして、ここまで考えると、

どうしても2010年のライダーカップ、あの17番のアプローチに話が戻ってきます。

メイハンのフルスイングは、かなりスティープにクラブを入れるタイプでした。

強くボールをコンタクトし、

クラブを上から入れていく。

それが彼の大きな特徴の一つです。

そのメイハンが、

ゴルフ人生でも最大級のプレッシャーがかかった場面で、

どのようなアプローチを選んだのか。

店長には、

そこに非常に興味があります。

あの一打を、

「緊張してダフった」

という一言で終わらせていいのでしょうか。

それとも、

自分の持っているメカニズムと、選択したショットのメカニズムの間に、わずかなズレがあったのではないか。

もちろん、これは店長の推測です。

メイハン本人が、そう語っているわけではありません。

しかし、現在のメイハンが、

「機能しているものには触るな」

「自分の得意なものを理解しろ」

「80を77にするには判断が重要だ」

と語っているのを聞くと、

あの一打が少し違って見えてきます。

次回は、

2010年ライダーカップ。

世界中が見ていた中で起きた、

ハンター・メイハンの17番のアプローチ

について考えてみたいと思います。

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