昨日のXに、PING GOLF(@PingTour)から次のような投稿がありました。
Signed and gaming a Scottsdale TEC. We’re excited to announce that Wyndham Clark has signed an agreement to exclusively play a Scottsdale TEC putter. Since switching to an Ally Blue Onset, Wyndham set a Strokes Gained: Putting record for a PGA Tour event (+12.573) and notched his fourth PGA Tour title. #PlayYourBest

どうやら、ウインダム・クラークがSCOTTSDALE TECパターの使用契約をPINGと交わしたようです。
営業さんに確認してもらったところ、契約については事実との返事がありました。
ただし、PINGで過去にこのような契約があったのかについては、現在も確認中です。
WEB上で調べてみると、今回の契約はかなり面白い出来事であることが分かります。
ウインダム・クラークといえば、2023年の全米オープンチャンピオン。
体格もあり、飛距離もあり、非常に力強いゴルフをする選手です。
ただ、今回注目したいのは、ドライバーでもアイアンでもありません。
パターです。
しかも、PINGとの契約はフルライン契約ではなく、報道ではパター限定の契約とされています。
GOLF.comは、今回の契約を「PING初のパター限定契約」と報じています。
記事タイトルは、
Wyndham Clark signs Ping’s first putter-only endorsement contract
です。
これは、かなり面白い出来事です。
2026年に入り、クラークはクラブ契約上、かなり自由な立場になっていました。
Golf Monthlyによれば、2026年初めから用具フリーエージェントに近い状態となり、ドライバーやフェアウェイウッドでは複数メーカーのクラブを試していました。
直近のバッグを見ると、かなり混合バッグです。
ドライバーはTaylorMade。
フェアウェイウッドにはTaylorMadeとPING。
アイアンはTitleist T100。
ウェッジはTitleist Vokey。
ボールはTitleist Pro V1x。
そしてパターがPING Scottsdale TEC Ally Blue Onset。
つまり、PINGのクラブを一式使う契約ではなく、SCOTTSDALE TECパターを使用する契約と見るべきです。
これは、単にブランド契約の話ではありません。
パターというクラブが、どれだけ個人の感覚と結果に直結するかを示していると思います。
構えたときにどう見えるか。
フェースがどう動くか。
入れたい距離で、同じ向きに戻せるか。
最後はそこです。
今回のウインダム・クラークのケースは、通常とは順番が逆です。
先にPINGのパターを使い、結果を出した。
その後で、PINGがパター契約を結んだ。
この流れに価値があります。
クラークは、PING Scottsdale TEC Ally Blue Onsetを使用して、CJ Cup Byron Nelsonで勝利しました。
Golf Monthlyは、この大会でクラークがパッティングで12.573打を稼いだと報じています。
パッティングで12打以上稼ぐというのは、かなり大きな数字です。
もちろん、1試合だけですべてが決まるわけではありません。
しかし、トッププロが実戦で結果を出したパターに対して、PINGが正式に契約したという流れは、非常に分かりやすいストーリーです。
PINGにとっても特別な契約
PINGは、もともとパターから始まったメーカーです。
カーステン・ソルハイムがパターを作ったところから、PINGの歴史は始まりました。
ANSERパターは、現在のパター設計に大きな影響を与えたモデルです。
そのPINGが、これまでPGAツアー選手とパターだけの契約をしてこなかったとすれば、それは少し意外でもあります。
PINGは、クラブ全体としての性能、フィッティング、プレーヤーとの長期的な関係を重視するメーカーです。
そのため、単品契約よりも、バッグ全体での関係性を大切にしてきたのかもしれません。
しかし今回、PINGはクラークとSCOTTSDALE TECパターの使用契約を結びました。
これは単なるスポンサー契約というより、
PINGがパター市場で、もう一度強いメッセージを出してきた
と見ることもできます。
業界全体では前例がある
では、このようなパター限定契約は、ゴルフ業界全体で初めてなのでしょうか。
これは、初めてではありません。
代表的な例として、Steve StrickerとOdysseyの契約があります。
Strickerは2019年にOdysseyと、パター使用に関する非常に珍しい契約を結んでいます。
しかも、新製品を使う契約ではなく、長年使用していたOdyssey White Hot 2を使い続ける形の契約でした。
Golf Digestも、この契約を非常に珍しい契約として紹介しています。
このころのストリッカーは強かったですね。
パターのライ角以上にシャフトを立て、ヒールが浮いた状態でヒットされたボールは、まるでホールへのラインに乗るように転がり、そのままカップの中へ消えていきました。
今回のポイントはOnset形状
クラークが使用しているのは、PING Scottsdale TEC Ally Blue Onsetです。
ここで注目したいのは、Onsetという点です。
一般的なオフセットパターでは、シャフト軸よりフェースが後ろに見えます。
一方、Onsetではその関係が変わり、シャフト軸、フェース、重心のつながり方が違って見えます。
構えたときのフェースの見え方。
打ち出し方向のイメージ。
そして、ヘッドの動き方。
ここに影響する部分です。
店長は、いつもザ・ブルーハーツのあの曲が浮かぶんですよ。
「理想の機関車に引っ張られて、レールにのって進んでいく」
という感じですね。
今回のSCOTTSDALE TECシリーズでは、フェースバランス系のAlly Blue Onsetだけではなく、少しストローク中にヘッドターンが入るゴルファーのために、
SCOTTSDALE TEC KETSCH ONSET PUTTER

も用意されています。
つまり、自分のストロークタイプに合わせて選択できるということです。
店長の考えでは、カウンターバランスタイプを選ぶ場合、通常のパターでiPINGの測定がストレート、もしくはストレートに近いセミアークであれば、フェースバランスタイプが合いやすいと思います。
一方、それよりフェースの開閉が大きいタイプであれば、セミアークタイプの方が合いやすいと思います。
なぜかというと、カウンターバランスがフェースの開閉をかなり補正するためです。
通常のパターで少し開閉がある人が、カウンターバランスのフェースバランスを使うと、逆にヘッドの動きが抑えられる傾向があります。
反対に、ストレートに近いストロークの人にとっては、フェースバランスのカウンターバランスが非常に安定する可能性があります。
これは以前のブログでも紹介しました。
PINGのジェイソンは、4〜12フィートの入れたい距離でフェース向きの再現性に苦労しているなら、アームロック、リストロック、ミッドレングス、カウンターバランスは良い出発点になるとコメントしています。
つまり、カウンターバランスは単に重いパターではありません。
手先でフェースを合わせにいく動きを抑え、ストローク中の余計なフェース開閉を減らし、入れたい距離での再現性を高めるための選択肢です。
ウインダム・クラークが38インチのカウンターバランス仕様で結果を出したことも、この考え方と非常に近いものがあります。
契約したから使ったのではない
今回の話で一番大事なのは、クラークがPINGの契約選手になったことではありません。
先に使った。
結果が出た。
その後で契約になった。
この順番です。
契約したから使っているのではなく、使って結果が出たから契約になった。
ここに、今回のSCOTTSDALE TEC契約の大きな意味があると思います。
PINGはパターから始まったメーカーです。
そのPINGが、トッププロの実戦結果をきっかけに、SCOTTSDALE TECパターの契約を結んだ。
これは、PINGがパターメーカーとしての存在感を、もう一度強く示したニュースだと思います。
そういえば、ストリッカーもそうでした
今回の記事を書きながら、少し思い出したことがあります。
2019年、Steve StrickerがOdysseyとパター契約を結んだ時のことです。
当時のストリッカーのバッグは、Titleist 913D3ドライバー、Titleist 915Fフェアウェイウッド、Titleist 816H1ハイブリッド、Titleist 755 Forgedアイアン、Vokeyウェッジ、そしてTitleist Pro V1xボール。
でした。今回のウインダム・クラークとPINGの話を見ていると、あの時のストリッカーを少し思い出します。
パターというクラブは、メーカーや契約の論理だけでは語れません。
最後は、その選手が一番信頼できる一本を使う。
だからこそ、今回のSCOTTSDALE TEC契約は興味深いのです。
もう一つ問題があります。ウインダム・クラークはPINGPROなのかPINGな人なのかパターに対してはPINGPROで、それ以外はPINGな人という事に問うう文しておきましょう。
