第2話 PLDなのか、Scottsdale TECなのか

Reitanの使用パターから見えるPINGのツアーカスタム思想

前回は、Kristoffer Reitanの優勝について見てきました。

ノルウェー出身のReitan。
ノルウェーといえば、ビクター・ホブラン。
そして、PING創業者カーステン・ソルハイムの故郷でもあります。

そのノルウェーから来た選手が、PINGのパターを手にしてPGA TOURで勝利した。

しかも、勝利の大きな鍵になったのがパッティングでした。

PING Tourの投稿では、Reitanはその大会で Strokes Gained: Putting 2位
つまり、グリーン上で大きくフィールドに差をつけていたことになります。

では、そのパッティングを支えたパターは、いったいどのようなものだったのでしょうか。

今回見ていきたいのは、Reitanが使用した Custom PLD Ally Blue H です。

ただし、このパターは少し不思議です。

公式にはPLD。
しかし、見た目にはScottsdale TEC Ally Blue Hの要素も強く感じます。

今回は、そのあたりを整理してみたいと思います。


公式には、Custom PLD Ally Blue H

まず、事実として押さえておきたいのは、Reitanのパターが Custom PLD Ally Blue H と紹介されていることです。

Alistair Cameron@ACameronWRX

A great time for Kristoffer Reitan to add a

PLD Milled Ally Blue H to the bag! With more toe hang than his previous putter, the custom head was created so that he could see an uninterrupted sight line. He also added the G440 K 9 degree w/Mitsubishi Tensei White 1K 60TX

PLDと聞くと、多くのPINGファンは、削り出し、精密加工、ツアー仕様、プレーヤーの感覚に合わせた作り込みを思い浮かべると思います。

PINGのPLDは、単に市販パターのひとつというより、ツアープレーヤーの要望や感覚を反映しやすいラインです。

ヘッド形状。
ネック形状。
フェースの見え方。
サイトライン。
長さ。
グリップ。
重量配分。

こうした要素を、選手のストロークや感覚に合わせて作り込んでいく。

そこにPLDの面白さがあります。

ですから、ReitanのパターがCustom PLDと呼ばれていることには意味があります。

それは、単に市販品をそのまま入れたというより、

Reitanのために作り込まれた一本

と見るべきでしょう。


しかし、見た目にはScottsdale TECの要素が強い

ここからは、私の推測を含みます。

写真を見る限り、Reitanのパターは、通常のPLDパターというより、Scottsdale TEC Ally Blue Hの要素をかなり強く持っているように見えます。

具体的には、次の点です。

白いヘッド。
Ally Blue Hのスクエアな形状。
クランクネック。
長いアライメント。
インサートらしきフェース構造。
そして、カウンターバランス仕様。

この組み合わせを見ると、単純に「PLDの削り出しマレット」と見るより、

Scottsdale TEC Ally Blue Hの思想を、PLD Customとしてツアー仕様に仕上げた一本

と考えた方が自然に感じます。

もちろん、実物を分解して確認したわけではありません。
ですから断定はできません。

しかし、見た目から読み取れる方向性としては、かなりScottsdale TECに近い。

ここが、今回のパターの一番面白いところです。


PLDとScottsdale TECは、そもそも何が違うのか

ここで一度、PLDとScottsdale TECの違いを整理しておきたいと思います。

項目 PLD Scottsdale TEC
主な思想 ツアーカスタム、精密な作り込み 視線誘導、安定性、寛容性、打感
フェース 金属フェース、削り出し系の印象が強い PEBAXインサート
見た目 ツアー、クラシック、精密加工の印象 白いヘッド、EYE-Qアライメント
対象 選手の感覚や細かな要望に合わせる 多くのゴルファーに安定した構えやすさを提供
特徴 カスタム性、精密性、打感の作り込み 視線の安定、手元の安定、ミスへの強さ

もちろん、これは大まかな整理です。

PLDにもマレットはありますし、Scottsdale TECにもモデルごとの個性があります。
ただ、ブランドの思想として見ると、このように分けると理解しやすいと思います。

PLDは、選手に合わせて作り込む。
Scottsdale TECは、視覚、打感、安定性をパッケージとして整える。

この2つは、方向性が違うようでいて、実は重なる部分もあります。

なぜなら、どちらも最終的には、

プレーヤーが狙ったところへ、狙った強さで打てるようにする

ための設計だからです。


注意すべきは、PLD=PEBAXインサートではないということ

ここは特に注意が必要です。

Scottsdale TECには、PEBAXインサートが採用されています。
PEBAXは、打感や打音、ボールスピードの印象を整えるための重要な要素です。

一方で、PLDは基本的には削り出し、金属フェース、精密加工という文脈で語られることが多いラインです。

ですから、

PLDだからPEBAXインサートが入っている

という理解は正しくありません。

ここはきちんと分ける必要があります。

ただし、今回のReitanのパターは、見た目の印象としてはScottsdale TEC系のインサート構造に近く見えます。

だからこそ、私はこのパターを、

PLDという名前を持ちながら、Scottsdale TECの要素を強く持ったツアーカスタム

として見ています。

言い換えると、

PLDのカスタム性と、Scottsdale TECの安定性・視線誘導・打感設計が交差した一本

ということです。


クランクネックが示すもの

Reitanのパターで見逃せないのが、クランクネックです。

Ally Blue Hは、マレット型でありながら、ブレード的なフェース認識を残しやすい形に見えます。

大型マレットは、慣性モーメントが高く、ミスヒットに強い。
しかし、選手によっては、フェースの向きがぼやけることがあります。

「ヘッドは安定しているけれど、どこを向いているのかが分かりにくい」

こう感じる人もいます。

そこでクランクネックの意味が出てきます。

クランクネックは、構えたときにフェースの見え方を作りやすい。
オフセットも出しやすい。
そして、マレットでありながら、ブレードに近い安心感を持たせることができます。

つまり、Reitanのパターは、

マレットの安定性を持ちながら、フェースの向きを選手が感じやすい

という方向で作られていた可能性があります。

これは、優勝争いのパッティングでは非常に大きいと思います。

最後に操作して合わせるのではなく、構えた時点でフェースを信じられる。
この感覚が、勝負どころでは重要になります。


白いヘッドと視線の安定

もう一つ大きいのが、白いヘッドです。

Scottsdale TECでは、この白いヘッドとアライメントが非常に特徴的です。

白いヘッドは、単に目立つための色ではありません。
ボールとのコントラスト。
フェース向きの認識。
アライメントの見やすさ。
視線の置き場所。

そうした要素に関係します。

パッティングでは、目が動くと手も動きます。

打つ直前にカップを見すぎる。
ボールを見直す。
フェースを見直す。
ラインを見直す。

こうして視線が落ち着かないと、ストロークも落ち着きません。

Scottsdale TECのEYE-Q的な考え方は、ここに意味があります。

どこを見るのか。
どこに目を置くのか。
打つ直前に、視線をどのように静めるのか。

Reitanのパターも、見た目としてはこの方向にかなり近い。

つまり、白いヘッドとアライメントは、

方向を合わせるためだけではなく、打つ前の目と脳を落ち着かせるための設計

として見ることができます。


カウンターバランスが担った役割

そして、今回のパターでもう一つ重要なのが、カウンターバランスです。

37インチ。
長いグリップ。
手元側に重量感を持たせた仕様。

これにより、ストローク中の手元が安定しやすくなります。

私は、カウンターバランスの本質は、

手を使いやすくすることではなく、手を使いすぎないようにすること

だと思っています。

ショートパットでは、最後に手で合わせたくなります。

少し押す。
少し引く。
少し緩める。
少し強く入れる。

この“少し”が、ラインと強さを壊します。

カウンターバランスは、手元側に安定感を作ることで、その余計な反応を抑えやすくします。

つまり、Reitanのパターは、

白いヘッドで視線を安定させる。
クランクネックでフェースを認識しやすくする。
マレット形状でヘッドを安定させる。
カウンターバランスで手元を安定させる。

この4つが同じ方向を向いていた可能性があります。

その方向とは、

最後に余計な操作をしない

ということです。


市販品そのままではなく、思想をツアー仕様にした一本

ここで大事なのは、Reitanのパターを単純に、

「市販のScottsdale TEC Ally Blue Hと同じです」

とは言わないことです。

それは危険です。

公式にはCustom PLD Ally Blue Hです。
ですから、市販品そのままと断定するべきではありません。

しかし同時に、

「PLDだからScottsdale TECとは無関係です」

とも言い切れないように見えます。

写真を見る限り、Scottsdale TECの思想がかなり強く入っているように感じるからです。

ですから、私はこう考えています。

Reitanのパターは、

市販のScottsdale TEC Ally Blue Hの考え方を、ツアープレーヤーであるReitanの感覚に合わせて、PLD Customとして作り込んだ一本

ではないか。

これなら、PLDという表記も説明できます。
Scottsdale TECに近い見た目も説明できます。
そして、優勝争いで機能した理由も見えてきます。


重要なのは「どちらのラインか」ではなく「何を解決しているか」

ギア好きとしては、どうしても気になります。

PLDなのか。
Scottsdale TECなのか。
PEBAXインサートなのか。
削り出しなのか。
市販品に近いのか。
完全なツアープロトなのか。

もちろん、それは面白い話です。

しかし、もっと大事なのは、

このパターが、Reitanのパッティングに対して何を解決していたのか

です。

私は、主に次の5つだと思います。

視線を落ち着かせる。
フェースの向きを見やすくする。
手首の余計な動きを抑える。
ストロークのテンポを安定させる。
プレッシャー下で、決めた強さを壊さない。

これらは、すべてパッティングの本質に関わります。

パターは、ただ転がりが良ければいいわけではありません。
ただ打感が良ければいいわけでもありません。
ただ慣性モーメントが高ければいいわけでもありません。

大事なのは、

その選手が、打つ前に決めたことを、最後まで守れるかどうか

です。

Reitanのパターは、そこを助けていたように見えます。


PINGらしいツアーカスタム思想

PINGというメーカーは、昔から「形のための形」を作るメーカーではありません。

なぜその形なのか。
なぜその重量なのか。
なぜそのネックなのか。
なぜその色なのか。
なぜそのラインなのか。

そこには必ず機能があります。

今回のReitanのCustom PLD Ally Blue Hも、まさにPINGらしい一本だと思います。

PLDというツアーカスタムの文脈。
Scottsdale TECの視線誘導と安定性の文脈。
カウンターバランスによる手元の安定。
クランクネックによるフェース認識。
白いヘッドによる構えやすさ。

これらを、ひとりの選手の勝つための道具としてまとめている。

そこに、PINGの強さがあります。

単に「プロが使ったからすごい」のではありません。

選手が勝負どころで余計なことをしないために、道具側がどこまで助けられるか。

そこまで考えて作られているように見えるところが、PINGらしいのです。


まとめ

Reitanの使用パターは、公式には Custom PLD Ally Blue H です。

しかし、見た目からはScottsdale TEC Ally Blue Hの要素も強く感じます。

白いヘッド。
クランクネック。
Ally Blue H形状。
長いアライメント。
インサートらしきフェース構造。
カウンターバランス仕様。

ここから考えると、このパターは、

PLDのカスタム性と、Scottsdale TECの思想を組み合わせたツアー仕様

と見ると非常に分かりやすいと思います。

もちろん、これは写真から見た推測を含みます。
しかし、少なくとも言えるのは、このパターがReitanのパッティングに対して、非常に明確な役割を持っていたということです。

それは、

最後に操作しないこと。
決めた強さを壊さないこと。
視線と手元を安定させること。

パッティングで勝つために必要なのは、最後に上手く合わせることではありません。

打つ前に決めたことを、最後まで壊さないことです。

ReitanのCustom PLD Ally Blue Hは、そのための一本だったのではないでしょうか。

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