塚田プロは、i540の性能をロング〜ミドルアイアンに集中して使う、非常に合理的なセッティングでした。
今回紹介する前田陽子プロのセッティングは、また別の意味で、
「そんな考え方があったのか」
と気付かせてくれます。
PING公式によると、前田プロのセッティングは、
G440 MAX フェアウェイウッド #4・#7
G440 ハイブリッド #4〜#7
i540 #8・#9・PW・UW
となっています。
これを見るまで店長も気付きませんでしたが、かなり筋の通った構成です。
なぜか。
素材を見てみます。
| モデル | フェース素材 | ボディ |
|---|
| G440 FW(MAX/SFT) | 鍛造マレージング鋼 C300 | 17-4ステンレス+カーボンクラウン |
| G440 HB | 鍛造 マレージング鋼 C300 | 17-4ステンレス+カーボンクラウン |
| i540 IRON | 鍛造マレージング鋼 C300 | 17-4ステンレス |
G440 FWとHBにはさらにカーボンクラウンがありますが、アイアンには当然クラウンそのものがありません。
それを除けば、
フェースはC300マレージング鋼。
ボディは17-4ステンレス。
という基本構成が、FWからHB、そしてi540まで共通しています。
これは非常に興味深いところです。
正確性を重視するゴルファーにとって、クラブが変わるたびにインパクトの感触やボールの弾き方が大きく変わらないことには、大きなメリットがあります。
もちろん、FW、HB、アイアンではヘッド形状も内部構造も違いますから、打感まで完全に同じになるわけではありません。
しかし、少なくともボールと直接接触するフェース素材を同じC300マレージング鋼でつないでいる。
ここには一つの統一感があります。
さらにi540では、中空アイアン特有の打音・打感の問題を抑えるために、inR-Airテクノロジーを採用しています。PINGは、フェース裏側のエアポケットによって不要な振動を減衰させる技術だと説明しています。

そう考えると前田プロのセッティングは、
FW → HB → i540
とクラブの形は変わっていきますが、
C300マレージング鋼フェースを軸に、同じ方向性の高初速クラブを連続させている
と見ることができます。
言い換えれば、
i540は、フェアウェイウッドとハイブリッドからアイアンへつなぐための「アイアン形状の高初速クラブ」と考えることもできる。
前田プロは、それを8番からUWまで使っています。
これは塚田プロとはまったく違うi540の使い方です。
塚田プロは、i540をロングアイアンとして使う。
前田プロは、G440 FW・G440 HBから続く流れの中で、i540をアイアン部分として使う。
同じi540でも、使い方はまったく違います。
そして、どちらにも筋が通っています。
ここがPINGのクラブセッティングの面白いところではないでしょうか。
下衆な話ですが、このようなセッティングであるならば、こちらも最大で4本までですので、お高いi540アイアンでも手の届く存在と言えるのでは?と思います。

