ハイブリッドのやさしさを間違えてはいけません

そもそも、ハイブリッドが左へ行きやすい理由の一つは、

「ロングアイアンをそのまま簡単にしたクラブ」ではなく、ロングアイアンの距離を、もっと簡単に出すクラブとして設計されたこと

にあるのではないでしょうか。

ロングアイアンの弱点は、単に球が上がりにくいことだけではありません。

短めのクラブ長と小さなヘッドで、必要なキャリーを出すための十分なヘッドスピードを確保しなければなりません。

そこでハイブリッドでは、

  • 重心を深くする
  • ヘッドを大きくする
  • 球を上げやすくする
  • シャフトを少し長くしてヘッドスピードを稼ぐ

という方向へ進みました。

今回の比較では、

クラブ ロフト 長さ
3I 19° 39.0″
HB #3 20° 40.25″

ほぼ同じロフトなのに、ハイブリッドの方が1.25インチ長い

この1.25インチにはかなり意味があります。

クラブの回転半径が大きくなるため、同じ角速度で振ればヘッドの線速度を高めることができます。

つまりハイブリッドは、

ロングアイアンよりも楽にボールスピードを出す

ための設計でもあるわけです。

さらに、ハイブリッドやレスキュー系のクラブは、その成り立ちを見ても、アイアンというより小型のフェアウェイウッドに近い性格を持っています。

そのためクラブ長も、

Iron ← HB → FW

という中間的な設定になります。

19〜20°付近を比較すると、

3I 39.0″

HB #3 40.25″

FW #5 42.5″

となります。

メーカー側から見れば、これは非常に合理的です。

FWほど長くないので当てやすい。

アイアンより長いのでヘッドスピードを出しやすい。

重心が深いので球も上がりやすい。

これで、「難しいロングアイアンの代わりになるクラブ」が成立します。

しかし、ここに別の問題が生まれます。

ハイブリッドが誕生した目的は、

ロングアイアンと同じスイングを再現すること

ではなく、

ロングアイアンの距離を、より簡単に出すこと

だったのではないか。

この二つは似ていますが、同じではありません。

特に上級者やハードヒッターの場合、もともと3番、4番アイアンでも必要なヘッドスピードを出せます。

そこへ、

1インチ以上長いシャフト
+ 深い重心
+ つかまりを補助するヘッド
+ 軽量なハイブリッド用シャフト

を組み合わせれば、「簡単にするための補助」が過剰になる可能性があります。

そして、ここからもう一つの問題につながります。

ハイブリッドは見た目も構え方もアイアンに近い。

そのためゴルファーは、無意識にアイアンに近い感覚で構えます。

しかし、実際にはシャフトが1〜1.5インチ長い。

そこでアイアンと同じような構えを作ろうとすると、その長さの余剰を、どこかで処理しなければならなくなります。

その結果、

アイアンと同じ構えを作ろうとする

実際にはクラブが長い

ダウンスイング後半で長さを処理する必要が出る

クラブを早めにリリースする

という補償動作が起きる可能性があります。

アーリーリリースが起きれば、フェースは早く閉じやすくなります。

つまり、ハイブリッドの左へのミスは、

「ヘッドがつかまりやすいから」

だけではなく、

ロングアイアンより簡単に距離を出すために長くしたこと自体が、ハードヒッターには左へのミスを誘発する要因になっているのではないか

ということです。

ハイブリッドは確かにやさしいクラブです。

しかし、その「やさしさ」はすべてのゴルファーに同じように働くとは限りません。

 

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