ゴルフの常識は本当なのか? ― 7. 「チップショットで旗竿を抜くのは、カップインを狙っているから」は本当か?

Mythbusters(ゴルフの俗説を検証)面白そうな問題です。

出演者

  • シェーン・ベーコン(Shane Bacon):司会

  • マーティ・ジェーソン(Marty Jertson):PINGの研究開発担当者また、二人が面白そうなテーマを動画にしていますので、のぞき見してみましょう。ゴルフの俗説はいろいろなありますが、どのような俗説を取り上げ、どのように解説するのか楽しみですね。

7. 「チップショットで旗竿を抜くのは、カップインを狙っているから」は本当か?

シェーン:それでは、今回最後の俗説です。

「チップショットで旗竿を抜くのは、カップインさせようとしているからだ」

というものです。

私自身が旗竿を抜く場合でも、誰かに抜いてもらう場合でも、

「このショットは入れにいくぞ」

という意味だと思われることがあります。
マーティ、正直なところ、グリーン上で旗竿を残せるようにルールが変わってから、旗竿を抜くべきか残すべきか、いろいろ議論がありましたよね。
それでも、チップショットで旗竿を抜く人を見ると、周囲は「彼は入れにいっている」と思うわけです。

マーティ:そうですね。

先日、私もそのことを考えていました。
少し前までは、グリーン上で旗竿を残したままパッティングすることが認められていなかったのですから、不思議なものです。
この話を聞くと、トーリーパインズの18番ホールで、フィル・ミケルソンとキャディーのボーンズが、確か85ヤードほどの距離から旗竿を抜こうとした場面を思い出します。
私の考えでは、これは心理的な要素が大きいと思います。
例えば、30フィート(約9m)以内の比較的短いチップショットを打つ場合です。

「旗竿を抜いてくれ」

と言うのは、プレーヤー自身がボールの速度を非常に正確にコントロールできると考えていることの表れかもしれません。
カップインするための適切な速度、つまりカップがボールを受け入れられる速度をコントロールする自信があるのです。

「このチップをカップに流し込んでやろう」

という心理状態になるわけです。
その意味では、この俗説にも一理あります。
ただし、旗竿を残すか抜くかについては、もっと合理的な判断方法があると思います。
これまでにさまざまな研究が行われ、選手ごとに異なる戦略が採用されてきました。
ルール変更から十分な時間が経過したので、多くの選手は自分なりの方針を確立しているでしょう。

私自身の考え方を説明します。

まず、自分の技術レベルにおいて、1パットになる確率と3パットになる確率が等しくなる距離 を考えます。
例えば、私は自分のパッティング能力をPGAツアーの平均程度だと考えています。
少し悪いときもあれば、よいときもあります。
そのレベルでは、1パットになる確率と3パットになる確率がほぼ等しくなる距離は、29〜30フィート(約9m)です。
計算を簡単にするために30フィートとしましょう。

シェーン:いわゆる3パットの境界距離ですね。

マーティ:そうです。

その距離では、ホールアウトまでの平均パット数がおよそ2.0になります。
したがって、私は30フィート以上のパットでは、原則として旗竿を残します。

もちろん、極端な傾斜や下りのラインなど、特殊な状況は別です。

なぜなら、その距離からでは、ボールをカップインに適した速度まで正確にコントロールできるとは限らないからです。

もし強く打ちすぎた場合、旗竿がボールのエネルギーを吸収し、速度を落としてくれる可能性があります。

これが私の考え方です。

一般的なアマチュアなら、その境界となる距離はもっと短くなります。

例えばハンディキャップ10程度のゴルファーなら、およそ20フィート(約6m)でしょう。
その場合、20フィート以上の距離では旗竿を残すという考え方ができます。

そして、この基準をチップショットにも応用するのです。

ミドルハンディキャップやハイハンディキャップのゴルファーなら、チップショットで旗竿を抜く必要はほとんどないかもしれません。

シェーン:そう考えると、旗竿を抜くという行為は、ある種の自信の誇示でもありますね。

「抜いてくれ。このショットは入れるから」

という、ちょっとした自尊心の表れです(笑)。

私も以前はよくやっていました。楽しいですからね。

マーティ:シェーン、あなたは今でもやっていますか?

シェーン:若い頃に比べると、ずっと少なくなりました。

昔はプロがやっているのを見て、自分も格好よく決めたいと思っていました。
しかし今は、使えるものは何でも使いたいという考えです。
少し強く打ってしまっても、旗竿に当たってボールが減速するなら、その方が助かります。

マーティ:グリーン上で旗竿を残せるようになってから、選手たちの考え方も変わりましたね。

以前は、旗竿を抜くという行為に特別な意味がありました。
同伴競技者に、

「抜いてくれ」

と言って、本当にチップインを決めたときは最高の気分でした。

シェーン:本当にそうですね。

私が住んでいるアメリカ北東部には、起伏の大きい高速グリーンのコースが多くあります。
もちろん、アリゾナでも速いグリーンはありますが、こちらのシーズン中のグリーンは非常に速くなることがあります。
私はクラシックな設計の、アンジュレーションの大きなグリーンを持つコースでよくプレーします。
そこで一つ学んだことがあります。
ストロークプレーではなく、友人とのマッチプレーでの話です。

例えば、下りで順目の短いパットが残ったとします。

相手はすでにホールアウトしていて、自分がそのパットを決めればホールに勝てる状況です。
そんなときは、旗竿を残したまま、4フィート(約1.2m)のパットを強めに打つことがあります。
カップの奥にぶつけて入れるつもりで打つのです。
もし外れてグリーンの外まで転がってしまっても、マッチプレーではそのホールの勝敗に影響しない場合があります。
だから、思い切って打てるわけです。
現在、私が旗竿を残すことを積極的に考えるのは、主にこういう状況ですね。

2〜3年前は、旗竿を残す選手と抜く選手の比率が、4対6くらいだったように思います。しかし最近は、体感では85%くらいが抜いているように感じます。

マーティ:PGAツアーでも、そうした変化が見られますね。

ルール変更当初は、独自に研究をして「私は必ず旗竿を残す」と決めていた選手もいました。
しかし、実戦経験を重ねる中で、選手たちの選択も変わってきました。
一度、ボールが旗竿に当たってカップインしなかった経験をすると、それが強烈に記憶に残ることもあります。

シェーン:パッティング版のシャンクのようなものですね(笑)。

一度経験すると、

「もう二度とあんなことはしたくない」

と思うわけです。

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