パター選びは、スコアメイクである
PING SCOTTSDALE TEC ALLY BLUE ONSET は、日米で驚異的なパッティング成績を生んでいます。
その理由を読み解く鍵として、PINGのマーティ・ジャートソンが紹介しているのが、Episode 77: Putter Torque featuring Dr. Erik Henrikson です。
このシリーズでは、このエピソードをもとに、パターの重心、トルク、視覚、触覚、フェース向きの再現性を整理してきました。
第1話では、パターは「目」だけで打っているわけではない、という話をしました。
構えた瞬間は、視覚が大きな役割を果たします。
しかし、ストロークが始まったあとは、手の中の感覚が重要になります。
第2話では、パットのスタート方向は、ほぼフェースで決まる、という話をしました。
パッティングで本当に管理すべきなのは、ストロークの見た目ではなく、インパクト時のフェースの向きです。
第3話では、ゼロトルクだけが正解ではない、という話をしました。
トルクは、フェースを乱すだけのものではありません。
手の中にフェースの向きや重心の位置を知らせる、感覚のシグナルになることがあります。
第4話では、抵抗があるから、精密に動かせる、という話をしました。
軽すぎる道具、抵抗のなさすぎる道具は、かえって精密に扱いにくいことがあります。
適度な重さや抵抗があるから、ヘッドの位置やフェースの向きを感じられます。
第5話では、PINGパターの原点は、重心を引くことにあった、という話をしました。
Karsten Solheimは、重心を押すのではなく、重心を引くことで、パターを安定させ、プレーヤーにフェースの向きを感じさせようとしました。
第6話では、パター選びはストロークタイプだけでなく、ミスの方向から考える必要がある、という話をしました。
右へ押し出すのか。
左へ引っかけるのか。
インパクトでフェースが開いているのか。
閉じすぎているのか。
ボールがどこへ出るかを見れば、フェース向きの傾向が見えてきます。
第7話では、SCOTTSDALE TEC ALLY BLUE ONSETは、マレットのやさしさとブレードの感覚をつなぐパターである、という話をしました。
大型マレットの安心感。
オンセットによる見やすさ。
フェースを感じるための情報。
そして、ミスの方向に対する新しいフィッティングの選択肢。
ここまで見てくると、ひとつの結論にたどり着きます。
パター選びは、好みの問題ではありません。
もちろん、好みは大切です。
構えたときの顔が好きかどうか。
ヘッド形状に安心感があるかどうか。
打感が合うかどうか。
音が気持ちよいかどうか。
これらは、パター選びにおいて非常に大切です。
しかし、それだけでは足りません。
パター選びは、スコアメイクです。
パターは、ゴルフクラブの中でも非常に特殊なクラブです。
ドライバーは飛距離を生みます。
フェアウェイウッドやユーティリティは、距離を稼ぎ、グリーンへ近づけます。
アイアンは、狙った距離と方向へボールを運びます。
ウェッジは、ピンに寄せるためのクラブです。
そしてパターは、最後の1打を決めるクラブです。
この1打は、スコアカード上ではドライバーの1打と同じです。
30センチのパットも1打。
250ヤードのドライバーも1打。
だからこそ、パターはスコアに直結します。
しかし多くの場合、パター選びは意外と軽く見られています。
「何となく構えやすい」
「昔から使っている」
「プロが使っている」
「大型マレットならやさしそう」
「ブレードの方が感覚が出る」
「白くて見やすい」
「打感が好き」
もちろん、これらはすべて選ぶ理由になります。
しかし、スコアを本気で考えるなら、もう一歩深く見る必要があります。
そのパターで、狙ったところへボールが出ているか。
ここです。
パッティングで最初に見るべきなのは、ボールの出だしです。
狙ったスタートラインに乗っているか。
右へ押し出していないか。
左へ引っかけていないか。
短い距離で同じ方向へ外れていないか。
何球打っても、同じ傾向が出ていないか。
ここを見ないまま、パターを選んではいけません。
なぜなら、パットのスタート方向は、インパクト時のフェース角に大きく左右されるからです。
ストロークがきれいに見えても、フェースが右を向けばボールは右へ出ます。
逆に、ストロークに多少のアークがあっても、インパクトでフェースが狙った方向を向いていれば、ボールは狙った方向へ出やすくなります。
だから、パッティングの改善で最初に考えるべきなのは、
「どうやってまっすぐ引くか」
ではありません。
本当に考えるべきなのは、
どうやってインパクトでフェースを狙った方向に戻すか
です。
この順番を間違えると、パター選びも、練習も、少しズレてしまいます。
では、フェースを狙った方向に戻すために、何が必要なのでしょうか。
まず視覚です。
構えたときに、フェースがスクエアに見えるか。
ボールに対して、正しく向けているように感じるか。
ラインが合わせやすいか。
ヘッドの輪郭が安心感を与えるか。
トップレールやフェース面が見やすいか。
これは非常に重要です。
SCOTTSDALE TEC ALLY BLUE ONSETのような白いヘッド、黒いアライメント、オンセット構造、EYE Qアライメントは、この視覚の部分に大きく関係します。

しかし、視覚だけではありません。
次に触覚です。
手の中で、ヘッドがどこにあるか分かるか。
フェースがどこを向いているか感じられるか。
トゥが落ちようとしているか。
フェースが開こうとしているか。
重心がどちらへ働いているか。
どれくらいの力で支えているか。
こうした情報が、ストローク中のフェース管理を助けます。

構えた瞬間は目が大きな役割を果たします。
しかし、ストロークが始まったあとは、手の中の感覚が重要になります。
ここが、パターを「フェースを感じる道具」と考える理由です。
さらに重要なのが、抵抗です。
パターは軽ければよいわけではありません。
トルクが少なければよいわけでもありません。
何も感じないことが、常に良いわけでもありません。
適度な重さがあるから、ヘッドの位置が分かる。
適度な抵抗があるから、フェースの向きが分かる。
適度なトルクがあるから、重心の方向が分かる。
その情報があるから、インパクトでフェースを戻す手がかりになります。
もちろん、重すぎるパターは合わない人もいます。
抵抗が強すぎると、ストロークが止まる人もいます。
情報が多すぎると、操作しすぎる人もいます。
だからこそ、フィッティングが必要になります。
見るべきなのは、単純な重さではありません。
自分にとって、精密に動かせる抵抗かどうか。
ここが大切です。
そして、ミスの方向です。
右へ押し出す人。
左へ引っかける人。
構えた時点で右を向きやすい人。
ストローク中にフェースが戻り切らない人。
インパクトでフェースが閉じすぎる人。
それぞれに、合いやすいパターは変わります。
ストロークタイプだけで判断してはいけません。
ストレート。
軽いアーク。
強いアーク。
これらは重要です。
しかし、それだけでは足りません。
本当に見るべきなのは、
そのパターを使ったとき、ボールがどこへ出るか。
です。
ボールの出だしは、フェース向きの結果です。
ミスの方向を見ることで、パターとプレーヤーの相性が見えてきます。
ここで、SCOTTSDALE TEC ALLY BLUE ONSETの意味がはっきりしてきます。
このパターは、単に白くて目立つパターではありません。
大型マレットとしての安心感があります。
高い許容性があります。
オンセットによってフェース全体が見えやすい。
ホーゼルが視覚的に邪魔になりにくい。
EYE Qアライメントによって、視線の置き場を作りやすい。
しかし、それだけではありません。
マレットでありながら、ブレードに近いフェース感覚を残している。
重心とシャフト軸の関係によって、手の中にフェースを感じるための情報を残している。
フェースバランス系マレットでは左に行きやすい人に対して、新しい選択肢になる可能性がある。
つまり、ALLY BLUE ONSETは、
見える。
感じる。
合わせる。
再現する。
この流れを、現代的なパター設計としてまとめたモデルだと考えることができます。
パター選びで本当に避けたいのは、言葉だけで選んでしまうことです。
ゼロトルクだから良い。
高MOIだから良い。
マレットだからやさしい。
ブレードだから感覚が良い。
白いから見やすい。
プロが使っているから良い。
どれも一部は正しいです。
しかし、それだけでは足りません。
ゼロトルクが合う人もいます。
適度なトルクが必要な人もいます。
高MOIマレットが合う人もいます。
ブレードの感覚が必要な人もいます。
オンセットが合う人もいます。
オフセットが合う人もいます。
大切なのは、言葉ではなく、結果です。
そのパターで、フェースが再現できるか。
そのパターで、ミスの方向が減るか。
そのパターで、狙ったところへボールが出るか。
これを見なければいけません。
店頭でパターを選ぶときは、ぜひ次の順番で見てください。
まず、構えたときに狙いやすいか。
フェースがスクエアに見えるか。
ボールに対して、違和感なく置けるか。
アライメントが目標に合うか。
次に、手の中でヘッドを感じられるか。
ヘッドがどこにあるか。
フェースがどこを向いているか。
ストローク中に、重心の動きが分かるか。
精密に動かせる抵抗があるか。
そして、ボールの出だしを見る。
右へ出ていないか。
左へ出ていないか。
狙ったラインに乗っているか。
何球打っても同じ方向へ外れていないか。
最後に、距離感を見る。
強く入るのか。
弱く入るのか。
転がりすぎるのか。
ショートしやすいのか。
自分のタッチと合っているか。
この順番で見ると、パター選びはかなり変わります。
特に重要なのは、短い距離での確認です。
1メートル。
1.5メートル。
2メートル。
この距離で、右へ出るのか、左へ出るのか、真っすぐ出るのか。
ここを見ます。
長いパットだけでは、パターの方向性は見えにくいことがあります。
距離感や読みの影響が大きくなるからです。
しかし短いパットでは、フェース向きの傾向がはっきり出ます。
短い距離で右に出る。
短い距離で左に出る。
カップの縁を同じ方向で外す。
これは、かなり重要な情報です。
パター選びでは、ここを見逃してはいけません。
パターは、スイングを大きく変える道具ではありません。
しかし、ストロークを助ける道具にはなります。
構えやすくする。
フェースを感じやすくする。
インパクトで戻しやすくする。
ミスの方向を抑える。
打点ズレに強くする。
距離感を合わせやすくする。
こうした小さな助けが、スコアでは大きな差になります。
パターは飛距離を伸ばすクラブではありません。
しかし、スコアを縮めるクラブです。
だからこそ、パター選びは好みだけで終わらせてはいけません。
パター選びは、スコアメイクです。
今回のシリーズで、最も伝えたかったことはひとつです。
パターは、フェースを感じる道具である。
目で構える。
手で感じる。
音で確認する。
重心を感じる。
トルクを感じる。
抵抗を使う。
ミスの方向を見る。
そして、インパクトでフェースを狙った方向に戻す。
これが、パッティングの本質です。
SCOTTSDALE TEC ALLY BLUE ONSETが日米で大きな結果を出している理由も、この視点から見ると分かりやすくなります。
単なる新形状ではありません。
単なる白いマレットでもありません。
単なるオンセットでもありません。
フェースを感じ、フェースを合わせ、フェースを再現するための設計。
そこに、このパターの価値があります。
最後に、店頭でパターを試すときのひとつの提案です。
目を閉じて、軽く構えてみてください。
ヘッドがどこにあるか分かるか。
フェースがどこを向いているか感じられるか。
重心がどちらへ動こうとしているか分かるか。
自分がどれくらいの力で支えているか分かるか。
次に、目を開けて、短いパットを打ってみてください。
ボールはどこへ出るか。
右か。
左か。
狙った方向か。
そこに、そのパターと自分の相性が出ます。
パターは、ただ転がす道具ではありません。
スコアを作る道具です。
そして、スコアを作るためには、フェースを感じられるパターを選ぶ必要があります。
これが、PING Proving Grounds Podcast Episode 77から読み取れる、非常に大切なメッセージです。
パターはフェースを感じる道具である。
この視点を持つだけで、パター選びは大きく変わります。
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