開発はこのように行われる。

PINGがぶれた。飛び重心で今も売れ続けているG440ドライバーですが、発売から遡ること2年前に、ジェーソンが開発表明していたことが分かります。

ここから、店長視点の丁寧で分かりやすい(しつこく、くどいとも言います)解説を数回に分けて加えていきます。

「ドライバーは距離か、正確性か」この論争は人類最大のテーマといっても過言ではありません。実際にはどうなのか?データをしっかり解析して流行にとらわれず、科学に基づき製品を開発するPINGはどのように考えているのでしょうか?

今回はクラブをどのようにデザインするのかを話しているようですよ。

シェーン:
じゃあ、設計の初期段階――ドライバーをデザインし始める時点では、
距離と正確性の何を見ているの?
PING Man(ロボット)でテストして、「平均で何ヤード伸びた」「分散が何ヤード縮んだ」とか、どんな数字が出たら「これはボスに持っていける!」ってなる?

マーティー:
まずは設計室の中で、コンピューター上のシミュレーションから始まる。

  • この部分の肉厚を薄くしたらどうか
  • クラウンから何グラム削れないか
  • フェースで何グラム、ソールで何グラム軽くできるか

で、浮いた重量を

  • どれだけ低く
  • どれだけ後ろに

配置できるかを考える。

そうすることで MOI(慣性モーメント)が上がる。

僕たちは、CG(重心位置)は同じで、MOIだけ違うプロトタイプ
をいくつも作って、PING Man でフェース全体を打たせている。

そうすると、
「MOI が高い方が明らかに曲がりが減る」というのがはっきり分かる。
昔は
「MOI が高いドライバーはスピンが多くて飛ばない」
と言われていたけれど、
僕たちはそれを壊したかった。
今の LST (G430)を見てもらえば分かるけど、高MOI だけど、スピンは低いという状態を作れている。

PING公式関連の集計では、G430ドライバーは世界のプロツアーで合計約146勝を挙げていると報告されていますPING公式関連の集計では、G430ドライバーは世界のプロツアーで合計約146勝を挙げていると報告されています。
圧倒的なパフォーマンスを誇ったドライバーでした。
それはG440に受け継がれ、飛び重心により、G430を使いたくなくなるほどの飛距離を発揮します。

つまり、
低・深重心+高MOI+低スピン
を全部同時に達成するのが、今のドライバー設計の最重要テーマなんだ。

設計が終わったら、次はプレーヤーテスト。
実際のゴルファーに打ってもらって、

  • ボールスピード
  • キャリー
  • トータル
  • 左右分散

を全部見る。
その上で、PING Man の9点打ちテストでフェース全体のヒートマップを作り、
理論と実測が合っているかを確認する。
最終的に一番ワクワクするのは、やっぱり 実際のゴルファーのデータ が改善している瞬間だね。
仮想ケース:Aさん vs Bさん

シェーン:
じゃあ、こんな2人がいるとする。

  • Aさん:フェアウェイ 14/14、飛距離 260y
  • Bさん:フェアウェイ 7/14、飛距離 300y

今のゴルフでは、どっちが有利?

マーティー:
ペナルティが平均的なコースなら、間違いなく Bさん だね。
さっきの理屈どおり、40ヤードの距離差はものすごく大きい。
もちろん、その 7回のミスがOB や池ばっかりだったら話は別だけど、
普通にラフとか、木の間くらいのミスなら、距離のアドバンテージの方が圧倒的に大きい。
さっき言った「距離:正確性 = 2:1」の話を
もう少し実用的に言うと、
2ヤード飛ばす代わりに、1ヤード余計に曲がるならOK
ということ。
だからフィッティングで、新しい G430 で

+20y 左右の分散が +10y 以内

で収まっているなら、
ストロークス・ゲイン的にはプラス になる。

実際には G430 の方が分散も良くなるケースが多いから、+20y かつ 分散も縮小 → さらに大きなプラスになる。

新しいシリーズが出るたびに、飛距離が伸びるんですが、散らばりが少なくなりますが、G425までは、G400MAXの散らばりが圧倒的に少なく、飛ばなくてもG400MAXが有利。特に狭いコースでは威力を発揮しました。G430では散らばりはかなり少なくなりましたが、G430 10Kで多くの人がその恩恵を受けました。

飛距離を伸ばし続けるには?

シェーン:
USGA や R&A のルールは変わらないのに、どうやって毎回飛距離を伸ばしているの?
G430 の方が G425 より明らかに飛ぶっていう実感はあるんだけど、
どうやってそこに到達するのかを教えてほしい。

マーティー:
僕がよく使う言葉は 「複利(コンパウンド・インタレスト)」 なんだ。
1つの大きな技術で一気に20ヤード伸ばすんじゃなくて、

  • シャフト
  • ヘッド形状
  • フェース素材
  • 空力(タービュレーターなど)
  • MOI
  • 一貫したスピン量

みたいな、小さな改善を全部積み上げていく。

その“総和”が、「このドライバーの方が明らかに前に飛ぶ」
という体感になって現れる。

大事なのは、「一発の最長飛距離」ではなく「10〜20球打った平均値」 を見ること。
低打点で当たったときにスピンがどうなるか、上下左右の打点ブレでキャリーがどれだけ変わるか、そういう「ミスヒット時の強さ」が積み重なって、トータルの飛距離アップにつながっている。
だから、G430 が G425 より飛ぶと感じるのは、「たまたま1球がすごく良かった」からじゃなくて、全部のミスヒットを含めた平均値が伸びているから なんだ。

ということは、一発の距離はあまり変わっていないということになります。反発係数のほぼ上限で、ずっと推移しているので言われてみれば当たりまです。しかし。現シリーズのG440は明らかにコースで飛んでいるんです。ジェーソンの言葉を信じるとしたならば、それは、これまで自分が気づかないミスをしていて、G400では、ミスの程度が改善し、結果が出ているということになります。これがPINGの哲学ですね。

スイートスポット vs 打点バラつき

シェーン:
“ホットスポット”としてのハイトウ(高いトウ側)って、ここ数年かなり話題になったよね。

昔のドライバーだと、あの高いトウに当たるとめちゃくちゃ飛んだけど、
今はどうなの?
フェース中央だけでなく、「外したときにどれだけ飛ばせるか」 を
どのくらい重視している?

マーティー:
ものすごく重視している。まず、プレーヤーの打点分布を大量に取っているんだけど、アマチュアはプロよりも はるかに打点が散らばっている。だから MAX ドライバーでは特に、MOI と寛容性をものすごく優先している。
(その人に適正なスピン量になる前提で)
ただし、「ツアープロにも超高MOIが効く」というのが、最近の新しい発見なんだ。
なぜかというと、彼らはヘッドスピードが速いので、同じミスでも“代償”が大きい。
だから、高MOI ドライバーはプロにも大きなメリットがある。
結論としては、「打点バラつきへの強さ(=高MOI)」は
あらゆるレベルのゴルファーにとって最重要 ってことだね。
一方で、「ハイトウが一番飛ぶ」という神話についても触れておきたい。昔は、
センターで当てるとスピンが多すぎて、結果としてハイトウの方が飛んでいた。
ハイトウに当たるとボールスピードは落ちるけど、スピンがガクッと減る。
スピン減少効果がボールスピードのロスを上回るから、「ハイトウ=一番飛ぶ」と言われていた。
でも今のドライバーは重心が低くなっていて、センターヒットで最適スピンが出るように設計されている。
だから、もし今でもハイトウの方が一番飛ぶと感じるなら、「そもそもセンターヒットのスピンが多すぎる」 可能性が高い。
そこはフィッティングで調整すべきポイントだね。

そう言えば、いつの間にか、もっととばそうと、ハイトウで打つことをしていませんでした。店長は、もともとスピン量は少ない方なのですが、そうしていた筈ですが、最近はそれを忘れていました。アイアンも含めて常にセンターヒットです。
今回ではクラブデザインが実際にどのような考えに基づき行っているのが分かりました。一発を狙って振るのでなく、ミスの度合いを少なくるスイング、ラウンドがよさそうですね。

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