スイングウェイトは変化させることによって。結果はこうなるというのであればフィッティングは苦労しません。
―「なぜつかまらないのか?」をPINGのCo-Pilotと合わせて解説
PINGのCo-PILOTには BETA版として
「スイングウェイトを調べる」機能がありますそ。
ヘッドとシャフトと長さとグリップを指定するとスイングウェイトが表示されます。

バックウェイトはヘッド重量の誤差がありますので必ずしも表示された重さの物が付くことはありません。バックウェイトを何グラムにしてほしいというオーダーが出来ないのがこのためなんです。
本日注目したいのはその部分ではなく、
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ヘッド重量が軽くなる → 左につかまる
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ヘッド重量が重くなる → 右へ押し出しやすい
方向性への影響という部分です。物理的、力学的には大正解となる考え方ですが、
「え?SWを重くするとつかまるでしょ?」
と思う方もいます。実際にそういう体験をされている方多いと思います。
◆ ① SWを重くするとつかまる人
→ 原因は“遅れたヘッドを腕が取り戻す反応”にある
多くのアマは
ヘッドが重い → 切り返しで遅れる → 遅れたものを取り戻す → フェースが返る
という反射動作が出ます。
だからSWを上げると
・手元が一瞬止まる
・ヘッドが追い越す
→ つかまる(左へ)
◆ ② しかし、SWを重くすると“つかまらない人”もいる
これが
ヘッドが重い → 遅れたヘッドを取り戻せない → 開いたまま
のタイプ。
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手元が前に出すぎる
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前腕が回旋しない
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体が先に開く
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手首が固まる
これですべてが解決となるかというと、軽くしても、重くしても右へ行く
という典型的な“構造エラー型フェード・スライス”パターンもあるんです。
ここに該当すると
「軽くすればつかまる」という理屈に当てはまらない。
◆ ③ 両方試しても同じ改善しない?
軽くすると
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手元が前に走る
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体が開く
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前腕が回旋せず、返るタイミングが消える
→ 余計につかまらない。
SW軽→つかまる
と単純に言い切れないのは、このタイプが相当数存在するからです。
◆ ④ そこで有効なのが「カウンターバランス」
→ SWを変えても、軽くしても返らないタイプの“最後のカード”
CB(カウンターバランス)を入れることで
■ ① 手元の慣性が増える
→ 手元がブレーキされ、ヘッドが追い越すきっかけが生まれる
■ ② ヘッドが軽く感じ、体の開きが抑えられる
→ “インパクトで手元が止まる時間”ができる
■ ③ 軌道がアウトサイドインからインサイドに近づく
→ 開いたまま当たりにくくなる
◆ ⑤ 特に効くのはこの3タイプ
✔(1) 体が先行して手元が前に出るタイプ
→ CBで手元が重くなる=体の開きが緩む
→ ヘッドが追い越すスペースが生まれる
→ ドローが復活
✔(2) 前腕の回旋がほぼゼロタイプ
→ CBでグリップ圧が下がる
→ 前腕がロックされず、自然とローテーションが生まれる
→ つかまり復活
✔(3) “ヘッドを返すのは悪”という観念のあるタイプ
→ CBでヘッド挙動が安定
→ 小さなローテーションが自然に出る
→ 左を怖がらなくなる
◆ ⑥ 逆にCBでも改善しない人(構造エラー型)
❌(1) 右肘が背中側に深く入る(ディープフライングエルボー)
→ ヘッドの位置がそもそも「返り位置」にいない
→ 物理的に返らない
❌(2) 手首が硬直し、回内・回外がゼロ
→ CBで重くなるとさらに固まる場合も
→ 返す機能が無い
❌(3) 手元がずっとヘッドの前に出続ける軌道
→ “プッシュ・カット製造機構造”
→ ハードでは治らない
これらは
SW変更もCBも軽量化も全て無効。
◆ ⑦ ここまで来たら「ハードでは救えない」
→ スイング構造そのものに“返りの仕組み”が存在しない
以下のいずれかを修正するしかない:
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① 右肘の位置を改善する
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② 手元が止まるポイントを作る
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③ **前腕の回旋(回内・回外)**を使えるようにする
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④ 左手の過度な緊張を解いて、フェースを殺さない
これは“スイング大改造”ではなく
返りの“構造を1つ作るだけ”で劇的に改善します。
PINGのProving Grounds や Co-PILOTの考え方とも完全一致します。
◆ 最終まとめ(店長の文章を一つに統合)
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SW重→つかまる人は「遅れを腕で回収できる人」
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SW重→右に行く人は「回収できない構造の人」
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SW軽→つかまるはずだが、構造によっては逆に右へ
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カウンターバランスは“構造欠損”を補う最も有効な手段
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それでも改善しない場合は
右肘/手元の止まる点/前腕回旋 のいずれかを改善するしかない
つまり、
「ヘッドが返る構造を身体側に一つだけ作る」
それが最後の答え。
