飛ばないはずのBLUEPRINT Tが、一番飛んだ。

先日、フィッティングしたお客様に、その後の調子をお聞きしました。

フィッティングの際にも確認していた現象なのですが、現在も9番アイアンで150ヤード飛ぶということでした。

選択されたアイアンは、PINGのBLUEPRINT T。

いわゆる「飛び系アイアン」ではありませんから、9番アイアンで150ヤードというのは、かなりの飛距離と言えるでしょう。

このお客様はクラブチャンピオンになるほどの腕前です。

ですから、今回のお話が多くのゴルファーにそのまま当てはまるとは思っていません。

ただ、

「こういうこともあるんだ」
「常識が、すべての人に常識として通用するわけではないんだ」

という一つの事例として、参考にしていただければと思います。

四十にして惑わず。でもゴルフクラブには惑う

「四十にして惑わず」と言います。

ところが40歳を超えて、逆に惑い始めるものがあります。

ゴルフクラブです。

40代といえば、少しずつ体力の衰えを感じ始める年代でもあります。

そこで考えるのが、

「年齢も年齢だし、そろそろ少しやさしいクラブを使おうか」

ということです。

これは40代に限った話ではありません。

還暦を迎える頃にも、同じようなクラブ選びの転換点がやってくるようです。

こちらについては、また別の機会に書きたいと思います。

「少しやさしいクラブ」に替えたけれど

今回のお客様も、一般的に「少しやさしい」と言われるハーフキャビティモデルをお使いでした。

年齢とともに少しずつ飛距離が落ち始め、方向性もぼやけてきたそうです。

スコア重視のお客様なので、i240、BLUEPRINT Sを含め、いくつかのアイアンを打っていただきました。

ところが結果は、少し意外なものになりました。

BLUEPRINT Tの方が、他のモデルより5ヤード以上飛んだのです。

しかも、飛んだだけではありません。

曲がらない。

一般的には「飛ばない」「難しい」と思われがちなBLUEPRINT Tが、なぜこのゴルファーにとっては、最も飛んで、最も曲がらないアイアンになったのでしょうか。

今回の少し不思議なフィッティング結果から、

「やさしいクラブとは何なのか」

を考えてみたいと思います。

「操作性」とは左右に曲げることだけなのか

ここでよく言われるのが、

「マッスルバックは操作性が高い」

という言葉です。

「操作性」というと、ボールを左右に曲げて弾道をコントロールすることを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

しかし、ボールのコントロールは左右だけではありません。

上下にもコントロールできます。

高い球を打つ。

低い球を打つ。

特に今回のお客様は、もともとボールを抑えて打つ技術を持ったゴルファーです。

どうやら今回の結果には、この上下方向のコントロール性能が大きく関係しているようです。

一般的には「飛ばない」と思われがちなBLUEPRINT Tが、なぜ他のアイアンより飛んだのか。

なぜ弾道が高くなったのか。

そして、なぜ曲がらなかったのか。

次回は、この「なぜ?」を少し掘り下げてみたいと思います。

シャフト選びについて

毎年、メーカーは新しいシャフトを発表し、市場へ送り出しています。

一つのメーカーだけでも複数のシャフトシリーズがあり、それぞれに重量帯やフレックス違いがラインナップされています。さらに、メーカー純正シャフトも数多く用意されています。

最新のシャフトが誰にでも、どのヘッドにも合うのだったら、以前のシャフトは即座井に廃盤となるんですが、廃盤にならないのは、そうではないということを逆に証明しています。

その膨大な選択肢の中から、自分に本当に合う一本を探し出すことは、まさに至難の業です。

では、シャフトを選択する最初の基準となる項目は何でしょうか。 “シャフト選びについて” の続きを読む

なぜPINGの静的フィッティングは成り立つのか

これまで私は、

「右肘は鳩尾付近へ収束する」

という現象を、人間の骨格という視点から考えてきました。

もし、人間の骨格が自然に選ぶインパクトの構造が存在するのであれば、フィッティングの考え方も変わります。

一般的には、

「スイングを見てクラブを選ぶ」

という順番が当たり前だと思われています。

しかし、PINGが長年取り組んできた静的フィッティングは、その逆の発想です。

まず、人間の体を測ります。

身長。

手首から床までの長さ。

そして、その人の骨格に合ったライ角やクラブ長を選択します。

なぜ、それだけで方向性が改善することがあるのでしょうか。

それは、人間には骨格が最も自然に働く構造があり、その構造へ無理なく収束できるクラブほど、インパクトが安定するからではないでしょうか。

つまり、静的フィッティングは「スイングを予測する」のではありません。

人間が本来持っている骨格の働きを邪魔しないクラブを探しているのです。

もちろん、そのようなことがPINGの資料に書かれているわけではありません。

しかし、このシリーズで考えてきたように、人間の骨格が自然な構造へ収束してインパクトが作られるのであれば、静的フィッティングはその骨格を基準にクラブを選んでいると考えることもできます。

私は、この推論は十分に成り立つのではないかと思っています。

その結果として、

  • グリップの位置
  • 左手首
  • 右手首
  • ラグ
  • 右肘

といった構造要件が自然に整い、クラブフェースもスクエアに戻りやすくなります。

もちろん、すべてのゴルファーが同じスイングをするわけではありません。

体格も柔軟性も筋力も違います。

だからこそ、一人ひとりに合ったクラブが必要になります。

フィッティングとは、理想のフォームを押し付けることではありません。

その人が本来持っている自然な骨格の働きを引き出すこと。

私は、それこそがフィッティングの本質だと考えています。

このシリーズでは、右肘という一つの現象から、人間の骨格、インパクトの構造、そしてフィッティングの意味まで考えてきました。

もし皆さんがクラブを選ぶ機会があれば、「このクラブは自分の骨格が自然に働けるクラブなのか」という視点でも、ぜひ見直してみてください。

右肘の答えは、赤ちゃんが知っている

前回、右肘は意識して作るものではなく、人間の骨格が自然に選ぶ位置ではないかというお話をしました。

では、その骨格は、なぜそのようにできているのでしょうか。

私は、その答えは赤ちゃんの動きにあるのではないかと考えています。

生まれたばかりの赤ちゃんは、ゴルフを知りません。

もちろん、スイング理論も知りません。

それでも、ハイハイをするときには、肩・腕・手を使って自分の体重を支えます。

このときの腕の使い方を観察すると、肘は無理に外へ張ることも、極端に内へ絞ることもありません。

肩から手へ力が自然に伝わる位置へ収まっています。

つまり、骨格だけで効率よく体重を支える構造を、本能的に使っているのです。

ゴルフのインパクトでも、クラブヘッドから大きな反力が返ってきます。

その力を筋力だけで受け止めようとすれば、タイミングや力加減が必要になります。

しかし、骨格で受けられる位置に右肘が収束すれば、力は肩から体幹へと自然に伝わります。

もしかすると、トッププロに共通する右肘の位置は、長年の練習で偶然身に付いたフォームではなく、人間が本来持っている骨格の使い方へ戻った結果なのかもしれません。

もちろん、これは私の考察です。

しかし、多くのトッププロのインパクトを見ていると、「人間にとって最も自然な構造」が、結果として同じような形を生み出しているように感じます。

そして、この視点に立つと、フィッティングの意味も変わります。

クラブに人間を合わせるのではありません。

人間が本来持っている骨格の働きを邪魔しないクラブを見つけること。

それが、フィッティングの本質なのではないでしょうか。

次回は、この考え方をもとに、「なぜPINGの静的フィッティングが成り立つのか」を考えてみたいと思います。

なぜ右肘は鳩尾へ収束するのか

前回は、右肘は意識して作るものではなく、インパクトの構造要件を満たした結果として現れる「指標」であるというお話をしました。

では、なぜ人間の体は、その位置を選ぶのでしょうか。

私は、その答えはゴルフの技術ではなく、人間の骨格そのものにあると考えています。

少し試してみてください。

左手首をフラットにし、右手首を背屈させたまま、両手を胸の中央へ持ってきます。

このとき、多くの人は無理に右肘を寄せなくても、自然と鳩尾付近へ収束します。

右肘を意識しなくても、その位置になるのです。

これは、ゴルフスイングだからではありません。

人間の肩、上腕、前腕、手首という骨格の組み合わせが、その位置を最も自然な位置として選んでいるからです。

つまり、右肘は「寄せる」のではなく、「収束する」のです。

ここで重要なのは、右肘だけを見てはいけないということです。

右肘が鳩尾付近にあるということは、

  • 左手首はフラット
  • 右手首は背屈
  • クラブヘッドラグが維持されている
  • グリップは両肩の中央付近にある

という構造要件が同時に満たされていることを意味します。

だからこそ、世界中のトッププロに似た右肘の位置が見られるのではないでしょうか。

これは、誰かに教えられた形を真似しているのではなく、人間の骨格が自然に導き出した結果なのかもしれません。

もし、この考え方が正しいとすれば、フィッティングの目的も変わります。

クラブに人間を合わせるのではありません。

人間の骨格が自然にこの構造へ収束したとき、ボールが真っ直ぐ飛ぶクラブを見つけること。

それが、本当のフィッティングなのではないでしょうか。

では、人間の骨格は、なぜこのような構造を持っているのでしょうか。

私は、そのヒントは人間が二足歩行になる以前の動きにあると考えています。

次回は、赤ちゃんのハイハイや四足歩行という視点から、この構造を考えてみます。

鳩尾にある右肘は何を意味するのか

前回は、インパクトでは「肩と両腕の三角形」は固定された形ではなく、左手首・右手首・クラブヘッドラグ・手元位置という構造要件によって、自然に変化することをお話ししました。

そして、その構造要件を満たした結果として、右肘は自然と鳩尾付近へ収束します。

では、この右肘の位置には、どのような意味があるのでしょうか。

多くのレッスンでは、「右肘を体につける」「右肘をたたむ」といった表現が使われます。

しかし、私は少し違う視点で考えています。

右肘は、意識して作るポジションではありません。

もし、

  • 左手首がフラットで、
  • 右手首が背屈し、
  • クラブヘッドラグが維持され、
  • グリップが両肩の中央付近にある

というインパクトの構造要件が満たされれば、右肘は自然と鳩尾付近へ収束します。

つまり、右肘は原因ではなく、結果なのです。

そして、この「結果」には大きな意味があります。

右肘が鳩尾付近にあるということは、その瞬間に、

  • グリップの位置
  • 左手首の角度
  • 右手首の角度
  • クラブヘッドラグ
  • シャフトの向き

これらが互いに矛盾なく成立している可能性が高いことを示しています。

言い換えれば、右肘はインパクト全体を映し出す「指標」と考えることができます。

だからこそ、右肘だけを意識して動かしても、本質的な解決にはなりません。

構造要件が整えば、右肘は自然とそこへ収束します。

逆に、構造要件が整っていなければ、右肘だけを正しい位置へ持っていこうとしても、他のどこかに無理が生じます。

私は、多くのトッププロに共通する右肘の位置は、技術を真似た結果ではなく、人間の骨格が最も効率よく力を伝えられる構造を表しているのではないかと考えています。

では、なぜ人間の骨格は、その位置を選ぶのでしょうか。

その答えは、ゴルフの技術論ではなく、人間が本来持っている骨格の仕組みにあるのかもしれません。

次回は、「なぜ右肘は鳩尾へ収束するのか」を、人間の骨格構造という視点から考えてみたいと思います。

四足歩行はゴルフのヒントになるのか

前回、私は右肘が鳩尾付近へ収束する理由は、人間の骨格そのものにあるのではないかという考えをお話ししました。

そのヒントとして注目したいのが、赤ちゃんのハイハイや四足歩行です。

四足歩行では、腕は体重を支える役割を担っています。

そこでは筋力だけに頼るのではなく、骨格を使って効率よく力を受け止めています。

もし毎回、腕の力だけで体重を支えていたら、すぐに疲れてしまうでしょう。

だからこそ、骨格が最も無理なく荷重を受けられる位置へ自然に収束していると考えられます。

一方、ゴルフのインパクトでも、クラブヘッドにはボールとの衝突によって大きな反力が発生します。

その反力を受け止めるという点では、体重を支える四足歩行と共通する部分があります。

もちろん、四足歩行とゴルフは同じ運動ではありません。

しかし、「外から加わる大きな力を骨格で受け止める」という視点で見ると、多くの共通点が見えてきます。

だから私は、トッププロの右肘が鳩尾付近へ収束するのも、単なるスイング技術ではなく、人間が本来持っている骨格の使い方が表れているのではないかと考えています。

言い換えれば、長い年月をかけて、多くのゴルファーは人間の骨格が最も自然に働く位置でボールを打ったときに、真っ直ぐ飛ぶクラブを使う方向へ進化してきたのではないでしょうか。

もしこの考え方が正しいのであれば、フィッティングの役割もさらに明確になります。

クラブによって人間の骨格を変えるのではありません。

人間の骨格が最も自然に働く状態で、狙った方向へボールを飛ばせるクラブを見つけること。

それが、本来のフィッティングなのではないでしょうか。

そして、この考え方は、PINGが長年取り組んできた静的フィッティングにもつながっていきます。

なぜ、スイングを見る前に体を測るだけでクラブを選べるのでしょうか。

次回は、その理由を静的フィッティングという視点から考えてみたいと思います。

パワーパッケージは変化する三角形である?

ゴルフでは、両腕と肩で構成される「三角形」が重要だと言われます。

確かにアドレスでは、その表現は正しいでしょう。

しかし、インパクトの瞬間をよく観察すると、その三角形は本当に維持されているのでしょうか。

インパクトでは、

  • 左手首はフラット
  • 右手首は背屈
  • クラブヘッドは手元より遅れた状態(ラグ)
  • グリップは両肩のほぼ中央に位置する

という条件が同時に成立しています。

この状態を成立させようとすると、右肘は自然と体の正面、鳩尾付近へと収束していきます。

つまり、アドレスで見られた三角形は、そのまま固定されているわけではありません。

インパクトで要求される構造要件を満たすために、三角形そのものが自然に変形しているのです。 “パワーパッケージは変化する三角形である?” の続きを読む

フィッティングとは、ゴルファーを変えることではない。ゴルファーを引き出すことである。

この回では、Podcastで何度も語られている

「クラブをゴルファーに合わせる」

というPINGの思想を掘り下げます。


導入

これまで紹介してきた内容を見ると、

  • モデルを選ぶ
  • ロフトを選ぶ
  • スリーブを調整する
  • ウェイトを動かす

と、クラブばかりを調整しているように見えます。

しかし、本当に変わっているのはクラブでしょうか。

実は違います。

PINGが変えようとしているのは、

ゴルファーが自然に振れる状態

です。


Podcastのポイント

このあたりではマーティが繰り返し、

  • 無理にスイングを変えない
  • 自然に振れる状態を探す
  • ゴルファーが持っている動きを活かす

という考え方を話しています。

つまり、

フィッティングはスイング改造ではない。


店長の解説

ここは私が以前から言っている

クラブは先生である

という考え方につながります。

ゴルファーはクラブを振っています。

しかし、

クラブもゴルファーを動かしています。

だから、

合わないクラブでは、

無意識に補正動作が始まります。

例えば、

  • 開いて見える
  • ボールが遠い
  • ライ角が合わない

これだけで、

構えが変わり、

スイングが変わります。

つまり、

スイングを直しているのではなく、

クラブに合わせてしまっているのです。


一番伝えたいこと

ここで読者へ投げかけます。

フィッティングとは何でしょうか。

多くの人は、

「クラブを選ぶこと」

と思っています。

私は違うと思います。

フィッティングとは、

本来その人が持っているスイングを、最も自然に発揮できるクラブを探すこと

です。

だから、

良いフィッティングを受けると、

「スイングが良くなった」

と感じます。

しかし、

良くなったのはスイングではありません。

クラブが邪魔をしなくなったのです。

Thriver の記事が出てきましたね。

カスタム「スライバー」の台頭:ツアープロが自分専用のミニドライバーを製作する理由

と題してゴルフマンスリーの記事が出てきました。

当ブログでも

かなり問い合わせが多いショートウッド

で書いております。通称「Thriver」でスリーとドライバーをくっつけた造語です。

ゴルフマンスリー

では、このように紹介しております。これはプロの仕様を元に書いていると思います。アベレージjゴルファーには少しハードなセッティングだと思います。

PINGのCo-pilotページにはカスタムビルドのガイドを

このように、発表しています。43インチの3Wの」シャフトをドライバーに装着するとドライバーでは43.5インチになります。そしてスイングウェイトはD1.5 程度を推奨しています。スイングウェイトはPING GOLF JAPANでは最大でC7くらいだたっと思いますので、ウェイトを貼って調整することになります。これに関しては、目安のスイングウェイトから増減させて調整することがベターです。

シャフトが短くなるにつれてアタックアングルが増え弾道が低くなりますのでそのために考慮が必要になります。

店長はもっと慣性モーメントを大きくすればいいのではないかと思い、とりあえずG440Kドライバー12度のヘッドで試しておりますが、レンジで打っていますが、好感触です。

まだ、コースで使えておりません。