MODUS³ TOUR 130を考えるうえで、非常に分かりやすい選手がいます。
セルジオ・ガルシアです。
セルジオ・ガルシアは、2017年のマスターズ優勝時に、アイアンとウェッジでN.S.PRO MODUS³ TOUR 130Xを使用していました。
ガルシアのスイングは、切り返しでクラブが背後に深く落ち、強烈なラグを作ります。
手元は下へ、体は回転へ。
しかし、クラブヘッドは背後に残る。
この動きによって、シャフトには非常に大きな曲げ入力が入ります。
しかも、ガルシアはリリースが遅い。
インパクト直前までタメが残り、強いハンドファーストでボールに入っていきます。
このようなスイングでは、シャフトに求められるものは単なる硬さではありません。
強い入力を受け止めること。
しかし、棒のように突っ張らないこと。
遅れているヘッドを、インパクトに向けて自然に戻すこと。
そして、強いハンドファーストでもボールを上げる余地を残すこと。
ここが重要になります。
MODUS³ TOUR 130は、この点で非常に面白いシャフトです。
手元から中間部にはしっかりした剛性がある。
そのため、ガルシアのような強い入力を受け止められる。
一方で、先端側にはしなりの流れがある。
そのため、ヘッドが置いていかれたままにならず、インパクトに向けて戻ってくる。
つまり、MODUS³ TOUR 130は、強い入力に対して負けないシャフトでありながら、ただ硬いだけのシャフトではありません。
振動数は高めに出ます。
しかし、振動数が高いから単に硬い、というわけではありません。
入力が小さい時には、必要以上に暴れない。
入力が大きくなると、その力を受け止めながら、手元から先端にかけてしなりの流れが出てくる。
この特性が、ガルシアのようなスイングに合うのだと思います。
ガルシアのスイングでは、シャフトに力が入るタイミングが非常にはっきりしています。
切り返しで強く入力され、ヘッドは遅れ、インパクトに向けて一気に戻ってくる。
このとき、シャフトがただ硬いだけであれば、球は低くなりすぎる可能性があります。
逆に、シャフトが負けすぎれば、ヘッドが暴れます。
必要なのは、強い入力を受け止めながら、先端側にしなりを残し、ボールを上げる余地を作ることです。
MODUS³ TOUR 130の性格は、まさにそこにあります。
強い入力を受け止める。
しかし、入力した力を殺さない。
しなりの流れによって、ヘッドを戻す。
そして、ボールを上げる。
このシャフトは、軽い、重い、硬い、柔らかいという単純な分類では説明しにくいシャフトです。
大事なのは、プレーヤーがどのタイミングで、どの方向に、どれだけの力をシャフトへ入力しているかです。
ガルシアのように、切り返しで大きな入力が入り、リリースが遅く、インパクトロフトが立ちやすいタイプでは、シャフト側に「受け止める強さ」と「戻すしなり」の両方が必要になります。
MODUS³ TOUR 130は、その両方を持ったシャフトだと思います。
だからこそ、セルジオ・ガルシアという選手を考えると、このシャフトの性格が非常に分かりやすくなります。
ここで重要なのは、今回のお客様がガルシアのように振るという意味ではありません。
慣性モーメントの大きいヘッドを使うことで、結果として、シャフトにかかる力の状態がガルシア的になることがある、ということです。
プレーヤーはクラブを振っている。
しかし、ヘッドが大きく、重心距離が長く、慣性モーメントが大きいために、ヘッドが少し遅れる。
手元は動く。
しかし、ヘッドはついてこない。
その結果、シャフトには強い曲げ入力が入り、強烈なタメのような状態が生まれます。
このとき必要なのは、ただ硬いシャフトではありません。
強い入力を受け止める。
入力の大きさに応じて徐々にしなる。
入力した力を殺さず、素直にヘッドへ伝える。
そして、遅れたヘッドをインパクトに向けて戻してくる。
MODUS³ TOUR 130は、そういうシャフトです。
つまり、MODUS³ TOUR 130は、ガルシアのような強い入力を持つプレーヤーだけのためのシャフトではありません。
大型ヘッドによって、結果的にヘッドが遅れやすくなるプレーヤーに対しても、その性格が活きることがあります。
今回のG440アイアンで店長がMODUS³ TOUR 130 Rを本命に考えた理由は、まさにそこにあります。
大型ヘッドの寛容性を活かすには、ただ軽いシャフトを選べばよいわけではありません。
ただ柔らかいシャフトを選べばよいわけでもありません。
ヘッドが遅れるなら、その遅れを受け止める剛性が必要です。
しかし、受け止めるだけではなく、インパクトに向けて戻してくるしなりの流れも必要です。
MODUS³ TOUR 130 Rは、R表記ではありますが、軽くて柔らかいシャフトではありません。
重量感を大きく崩さず、振動数も高めに出る。
それでいて、入力の大きさに応じて徐々にしなり、ヘッドを自然に戻してくる。
この性格が、G440アイアンのような大型ヘッドには合う可能性があります。
セルジオ・ガルシアのスイングを見ると、MODUS³ TOUR 130の性格が分かります。
強い入力。
遅れるヘッド。
強烈なタメ。
そして、インパクトに向けて戻ってくるヘッド。
今回のフィッティングで見たかったのも、そこです。
お客様にガルシアのように振ってもらうのではありません。
大型ヘッドによって生まれるヘッドの遅れに対して、シャフトがどう反応するか。
その答えとして、MODUS³ TOUR 130 Rを試してみたかったのです。
シャフト選びは、重量やフレックス表記だけでは決まりません。
先調子、中調子、元調子という言葉だけでも決まりません。
大切なのは、プレーヤーがクラブにどのような力を入れ、その力によってヘッドがどのように遅れ、どのように戻ってくるかです。
MODUS³ TOUR 130は、その動的な関係を考えるうえで、非常に分かりやすいシャフトです。
振動数は高い。
しかし、ただ硬いわけではない。
強い入力に対して、徐々にしなり、入力した力を素直にヘッドへ伝える。
そして、遅れたヘッドをインパクトへ戻してくる。
MODUS³ TOUR 130は、そういうシャフトです。
