シェフラーのパッティングから考える、パターの長さ

前回は、今年のPGAツアーで長め・中尺・長尺・カウンターバランス系のパターが目立っていることについて書きました。

今回は、先週のU.S. OpenとTravelers Championshipの動画を見ながら、Scottie Schefflerのパッティングについて考えてみたいと思います。

もしシェフラーのパッティングがもう少し決まっていれば、結果は違っていたかもしれません。

私が気になったのは、シェフラーのテークバックです。

シェフラーは、パターがややアウトサイドに上がる傾向があるように見えます。
もちろん、それでも世界ランキング1位の選手ですから、パッティングが悪いという話ではありません。

ただ、U.S. OpenやTravelers Championshipでは、勝負どころで決め切れていなかったように感じます。

今回注目したいのは、ストロークの癖そのものではありません。
その癖が、なぜ発生しているのかです。

店長は、おそらくパターのシャフト長が少し短いのではないかと見ています。

ツアーレップの仕事は、選手が要求するクラブを正確に供給することです。
ですので、今シェフラーが使っているパターも、当然シェフラーが要求した仕様だと思います。

PING型のブレードからマレット型に変更したときも、これまで使ってきたパターと同じ長さを基準にしている可能性があります。

ヘッドがディープマレットになったことで、ショートパットは一度大きく改善したように見えました。
しかし、もし根本的な原因がパターの長さにあるとすれば、ヘッドに慣れてくるにつれて、また問題が表に出てくる可能性があります。

要は、パターの長さが変わると、構えが変わるということです。

手元の高さが変わり、前傾角度が変わり、腕の垂れ方が変わります。
そして当然、パターが動きやすい軌道も変わります。

つまり、パターの長さは単なる寸法ではありません。
ストロークの出方そのものに影響する、非常に重要なフィッティング要素です。

たとえば、パターが短すぎると、前傾が深くなりすぎたり、手元が低くなりすぎたりします。
その結果、肩の動きだけでストロークすることが難しくなり、手首や腕で帳尻を合わせる動きが入りやすくなります。

逆に、パターが長すぎると、今度は手元が浮きやすくなり、体からパターが離れすぎることがあります。
この場合も、自然なストローク軌道から外れやすくなります。

大切なのは、長い方が良い、短い方が良い、という単純な話ではありません。

ヘッドの選択の前に、まずシャフトレングスが大事です。

では、それが本当に正しくフィッティングされているかというと、私は必ずしもそうではないと考えています。

多くの場合、使い慣れた長さを「自分に合っている」と感じてしまいます。
フィッター側も、ツアーレップや選手本人から「この長さが良い」と言われると、そこで終わってしまうことがあると思います。

しかし、本当に見るべきなのはそこではありません。

自分の構えに対して、手元がどこに来るのか。
腕が自然に垂れているのか。
パターのライ角とソールの接地が合っているのか。
そして、テークバックが無理なく始動できるのか。

ここを見る必要があります。

ヘッドをどれだけ変えても、構えとシャフト長が合っていなければ、ストロークの出方にはまだ影響が残ります。

パターがアウトサイドに上がる。
インサイドに引きすぎる。
フェースが開く。
フェースがかぶる。
インパクトで手が動く。

こうした現象を、すぐに「打ち方の問題」もしくは「ヘッドの問題」と考えてしまうことがあります。

もちろん、打ち方の問題もあります。
しかし、道具側の長さが合っていないことで、その動きが出ている場合もあります。

ここが、パターフィッティングで非常に大切なところです。

自分の身長、前傾角度、腕の長さ、手元の高さ、グリップスタイル。
これらに合わせて、パターの長さを決めるべきです。

特に、ショートパットで手が動く方。
テークバックの始動が安定しない方。
フェース向きが毎回変わる方。
距離感でインパクトが緩みやすい方。

そういう方は、ストロークを直す前に、まずパターの長さが合っているかを確認した方がよいと思います。

身体的特徴によって、振り子運動の中心点はある程度決まっています。

ところが、パターレングスが合っていないと、アドレス時には本来とは違う中心点で構えてしまいます。
そしてストロークが始まると、体は自然に本来の中心点へ戻ろうとします。

さらにインパクトに向かう中で、今度はアドレスで作った中心点に戻そうとする動きも発生します。

このわずかなズレは、本人が認知できるものではありません。
しかし、ショートパットではその小さなズレが、フェース向きや打ち出し方向に大きく影響します。

ヘッド形状。
ライ角。

もちろん、それらも大切です。

しかしその前に、構えたときの手元の高さが合っているか。
そこが合って、初めてパターは自然に動きます。

パターは、まず長さを合わせる道具です。

市販の34インチや35インチが標準だから、それに自分を合わせる必要はありません。
自分の構えに合った長さを選ぶ。
そこから、パッティングの安定は始まります。

PING Co-PILOT パターレングス アプリを使うと、身長や構え方から、適正なパターレングスを確認することができます。

ただし、それだけがすべてではありません。
アプリで示された長さを基準にして、そこから少しずつ長さを変えながら確認する作業が大切です。

その作業なしにパターを選んでしまうと、そもそも与えられるストロークが違ってしまいます。
その結果、本来の動きを補正するためのヘッド形状やネック形状を選ぶことになります。

もちろん、それで一時的に改善することはあります。

しかし、補正で対応できる範囲は限られます。
特に繊細なショートパットでは、問題がまた表に出てくる可能性があります。

ストロークを変える前に、まず長さを確認する。

これが、パター選びの第一歩だと思います。

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