第3話 PINGカラーコードチャートは、この問題を吸収している

ライ角表ではなく、手元高さの初期設定表として見る

前回は、左に低く飛ぶゴルファーに、あえてアップライトなクラブをすすめると症状が改善することがある、という話をしました。

一般的には、

アップライトにすると左へ行く

と言われます。

ですから、左に飛ぶ人にアップライトなクラブをすすめるのは、一見すると逆の処方に見えます。

しかし、実際にはそう単純ではありません。

左に低く飛ぶ原因が、単にフェースの返りすぎではなく、

手元が低くなりすぎ、クラブが外から入り、ロフトが立ち、フェースが左を向いて当たっている

という状態であれば、アップライトにすることで改善する場合があります。

なぜなら、アップライトにすると、手元の高さが上がるからです。

手元の高さが上がれば、クラブの通り道が変わります。
クラブの通り道が変われば、インパクトでボールに加わる力のベクトルが変わります。

つまり、ライ角は単なる方向補正ではありません。

ライ角は、手元の高さを通じて、スイング全体の入口を変える調整なのです。


PINGはこの問題を明示しているわけではない

ここで、PINGのカラーコードチャートの話になります。

PINGは公式に、

「アウトサイドインが強い人は、アップライトにしましょう」

とは言っていません。

また、

「左に低く飛ぶ人でも、アップライトで改善することがあります」

という言い方を前面に出しているわけでもありません。

しかし、PINGのカラーコードチャートは、この問題をかなり吸収しています。

ここが非常に面白いところです。

PINGのカラーコードチャートは、身長と手首から床までの長さをもとに、クラブ長とライ角の基準を出します。

表面的には、

どのライ角が合うかを見る表

に見えます。

しかし、もう少し深く見ると、これは単なるライ角表ではありません。

その人の体格に対して、

クラブをどの手元高さで使うのが自然か

を推定している表です。


身長と手首から床までの長さが意味しているもの

PINGカラーコードチャートでは、身長だけでは判断しません。

手首から床までの長さも見ます。

これは非常に重要です。

なぜなら、同じ身長でも、腕の長さは人によって違うからです。

たとえば、同じ170cmのゴルファーでも、

  • 腕が長い人
  • 腕が短い人
  • 前傾が深くなりやすい人
  • 前傾が浅くなりやすい人
  • 手元が低くなりやすい人
  • 手元が高くなりやすい人

がいます。

身長だけでライ角を決めてしまうと、こうした差を吸収できません。

だからPINGは、手首から床までの長さを見ます。

これは言い換えると、

その人の身体に対して、自然に手元がどこに来るか

を見ているということです。

ここで、ライ角は方向の調整ではなくなります。

ライ角は、

その人の身体とクラブを、どの高さで接続するか

という問題になります。


カラーコードチャートは「手元高さの初期設定表」である

私は、PINGのカラーコードチャートはこう見るべきだと思います。

カラーコードチャートは、ライ角表ではなく、手元高さの初期設定表である。

もちろん、結果としてライ角を示しています。

ブラック、ブルー、グリーン、ホワイト、レッド、オレンジというように、カラーコードでライ角の基準を示している。

しかし、その奥で行っていることは、

その人がクラブを自然に扱える手元高さを探すこと

です。

手元の高さが合えば、クラブは体の近くを通りやすくなります。
手元の高さが合えば、前傾を無理に崩さなくて済みます。
手元の高さが合えば、腕の下がり方が自然になります。
手元の高さが合えば、クラブの通り道が整いやすくなります。

そして、クラブの通り道が整えば、インパクトでボールに加わる力のベクトルも整いやすくなります。

これが、カラーコードチャートの本質だと思います。


なぜ「左に行くならフラット」だけでは危険なのか

多くのフィッティングでは、ボールの行き先を見て判断しがちです。

左に行くならフラット。
右に行くならアップライト。

もちろん、それで合う場合もあります。

しかし、すべてをそれで処理すると危険です。

たとえば、左に低く飛ぶ人がいたとします。

その人の原因が、本当にアップライトすぎるライ角によるものなら、フラットにすることで改善する可能性があります。

しかし、原因が別ならどうでしょうか。

手元が低くなりすぎている。
クラブが外から入っている。
ロフトが立っている。
フェースを手で左へ向けている。
力のベクトルが左下へ向いている。

この場合、左に飛んでいるからといってフラットにすると、手元はさらに低くなります。

手元がさらに低くなれば、クラブはさらに外から入りやすくなります。
ロフトはさらに立ちやすくなります。
手でフェースを合わせる動きも強くなります。

結果として、低いひっかけが悪化することがあります。

これは、ボールの行き先だけを見て、原因を見ていないために起きるミスです。


PINGは先に「身体とクラブの関係」を見る

PINGカラーコードチャートの優れているところは、ボールの行き先だけから出発しないところです。

まず、身体寸法から入ります。

身長。
手首から床までの長さ。

そこから、クラブ長とライ角の基準を出します。

つまり、最初に見ているのは、

ボールがどこへ飛んだか

ではありません。

まず見ているのは、

その人の身体に対して、クラブがどの高さで使われるべきか

です。

この順番が大切です。

先に身体とクラブの接続条件を整える。
そのうえで、実際に打って確認する。
そして、必要に応じて微調整する。

この流れであれば、単純な方向補正の罠に入りにくくなります。


ライボードの跡も「結果」でしかない

ライボードの跡を見ると、トウ側に跡がある、ヒール側に跡がある、という判断ができます。

しかし、ライボードの跡も、あくまで結果です。

その跡が、

クラブのライ角が合っていないから出た結果

なのか、

手元の高さが合わず、スイングが崩れた結果

なのか、

ここを読まなければいけません。

たとえば、トウ側に跡が出たからといって、単純にアップライトにすればよいとは限りません。

逆に、ヒール側に跡が出たからといって、単純にフラットにすればよいとも限りません。

大切なのは、

なぜその跡が出たのか

です。

そして、その原因を読むためには、手元の高さ、クラブの通り道、入射角、フェース向き、ボールの高さ、曲がり方まで合わせて見る必要があります。

ここがフィッティングの仕事です。


カラーコードは、スイングの癖を無視しているのではない

カラーコードチャートを見ると、

「静的な寸法だけで、本当に合うのか」

と思う方もいるかもしれません。

もちろん、最終的には実打が必要です。

静的な寸法だけで、完全にフィッティングが終わるわけではありません。

しかし、静的な寸法には大きな意味があります。

なぜなら、静的な寸法は、

その人がクラブをどう使いやすいかの出発点

を示しているからです。

スイングには癖があります。
その日の調子もあります。
打ち方の補正もあります。
緊張もあります。
試打室での反応もあります。

だからこそ、いきなり打球結果だけで判断すると、誤診することがあります。

その前に、身体寸法から基準を出す。

これによって、

その人にとって極端に無理な手元高さになっていないか

を確認できます。

これがカラーコードチャートの大きな価値です。


長いクラブほど、この問題は大きくなる

この話は、特に長いクラブで重要になります。

クラブが長くなるほど、ボールは遠くなります。
ボールが遠くなるほど、手元の高さと前後位置のズレは大きくなります。
クラブが長くなるほど、ライ角1度の影響も大きくなります。

つまり、長いクラブでは、

手元高さのズレが、クラブの通り道のズレとして大きく表面化する

わけです。

フェアウェイウッドが打てない。
長いユーティリティが左に低く飛ぶ。
ロングアイアンになると外から入る。
ドライバーだけ極端にスライス、または低いひっかけになる。

こうした現象の背景には、単に「長いから難しい」だけではなく、

長さによって手元高さと力のベクトルの問題が増幅されている

可能性があります。

だから、長いクラブほど、長さとライ角をセットで見なければいけません。


PINGらしさは、感覚をシステムにしたこと

PINGのすごいところは、こうした問題を感覚だけに頼らず、カラーコードという形にしたことだと思います。

もちろん、最終的にはフィッターの目が必要です。

しかし、その前に基準がある。

身長と手首から床までの長さを測る。
カラーコードチャートを見る。
クラブ長とライ角の基準を出す。
そこから実際に打って確認する。

この流れがあることで、

なんとなくアップライト
なんとなくフラット
左に行ったからフラット
右に行ったからアップライト

という感覚的な判断から離れられます。

PINGは、ライ角を単なる方向補正ではなく、身体とクラブの接続条件として扱ってきた。

私はここに、PINGフィッティングの本質があると思います。


まとめ

PINGは公式に、

アウトサイドインが強い人はアップライトにしましょう

とは言っていません。

しかし、カラーコードチャートは、この問題をかなり吸収しています。

なぜなら、カラーコードチャートは、身長と手首から床までの長さから、その人に合うクラブ長とライ角の基準を出しているからです。

つまり、見ているのは単なる方向性ではありません。

見ているのは、

その人の身体に対して、手元がどの高さに来るべきか

です。

手元の高さが決まれば、クラブの通り道が変わります。
クラブの通り道が変われば、インパクトでボールに加わる力のベクトルが変わります。

だから、カラーコードチャートはライ角表でありながら、実質的には、

手元高さの初期設定表

でもあります。

しかし現場では、ここを見落としてしまうことがあります。

たとえば、ボールが左へ飛ぶ。
フックする。
ひっかかる。

すると、反射的に、

「左へ行くなら、フラットにしましょう」

という判断になることがあります。

もちろん、それで合うケースもあります。

しかし、左へ飛んでいる原因が、ライ角のアップライト過多ではなく、

  • 手元が低くなりすぎている
  • クラブが外から入っている
  • ロフトが立っている
  • フェースを手で左へ向けている
  • 力のベクトルが左下へ向いている

という状態だった場合、フラットにすることは根本解決になりません。

一時的には、左への症状が弱まったように見えることもあります。
しかし、それはクラブが合ったからではなく、ゴルファーがその場で新しい違和感に反応して、スイングを一時的に変えているだけかもしれません。

時間が経つと、また元の症状が出る。
あるいは、さらに手元が低くなり、もっと低いひっかけになる。

こういうことが実際に起こります。

だからこそ、PINGのカラーコードチャートを単なる方向補正表として見るのではなく、

その人の身体に対して、手元をどの高さに設定するかを見る表

として捉える必要があります。

この視点を持つと、PINGのフィッティングはかなり見え方が変わります。

ライ角とは、フェースの向きを変えるものではない。
ライ角とは、手元の高さを決めるもの。
そして手元の高さは、スイング全体の入口になる。

次回は、さらにこの問題を大きくする要素、

クラブが長くなると、なぜこの現象が起きやすくなるのか

について考えていきます。

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