有効重量で考えるスインガースイング・第7話
前回は、
ベクトル分散が飛距離を奪う
という話をしました。
飛距離に必要なのは、力の大きさだけではありません。
その力が、どの方向へ通っているかです。
ヘッドスピードを上げても、力が上に逃げれば吹け上がります。
横に逃げれば曲がります。
ロフトが増えればスピンに変わります。
フェースが暴れれば打点が散ります。
つまり、力は出しているのに、ボールスピードや飛距離に変わらない。
これがベクトル分散です。
スインガーに必要なのは、有効重量を大きくすること。
そして、その有効重量を散らさずにボールへ届けることです。
今回は、この考え方を、年齢を重ねたゴルファーに当てはめて考えてみたいと思います。
年齢とともに飛距離が落ちた、という相談はとても多くあります。
以前よりドライバーが飛ばない。
アイアンの番手が一つ変わった。
同じように振っているつもりなのに、ボールが前に行かない。
若い頃のようにヘッドが走らない。
こういう悩みは、年齢を重ねたゴルファーには自然に起こります。
なぜなら、加齢によって筋肉の収縮スピードは落ちやすいからです。
若い頃のように、瞬間的に速く動かす。
腕を鋭く振る。
切り返しで一気に加速する。
インパクトで強く叩く。
こうした能力は、どうしても年齢の影響を受けます。
その結果、ヘッドスピードは落ちやすくなります。
これは、ある程度は自然なことです。

しかし、ここで多くの方が大きな勘違いをします。
ヘッドスピードが落ちた。
だから、もう飛ばない。
たしかに、ヘッドスピードが落ちれば飛距離には影響します。
しかし、このシリーズで何度も書いてきたように、飛距離はヘッドスピードだけで決まるわけではありません。
ヘッドスピードは入力の一つです。
ボールスピードという出力は、ヘッドスピードだけでなく、
打点。
ロフト。
フェース向き。
入射角。
クラブの姿勢。
力の方向。
そして、有効重量。
これらが衝突の瞬間に統合された結果です。
つまり、ヘッドスピードが少し落ちたとしても、他の入力を整えることで、ボールスピードを守る余地はあります。
私は、飛距離が落ちたと悩む生徒さんに、少し冗談交じりにこう言うことがあります。
安心してください。
体重は減っていないでしょう。
むしろ若い頃より増えている方も多いですよね。
これは笑い話のように聞こえるかもしれません。
しかし、私はかなり真面目に言っています。
年齢とともに失いやすいのは、速く動かす能力です。
しかし、身体の重さそのものまで失ったわけではありません。
むしろ、多くの方は若い頃より体重が増えている場合もあります。
もちろん、体重が増えればよいという話ではありません。
体重をボールにぶつければよい、という話でもありません。
大切なのは、その身体の重さを、クラブを通じてボールへ届けられるかです。
ここが有効重量の考え方です。
若い頃は、少々効率が悪くても飛ばせます。
腕だけで振っても、筋力がある。
手でヘッドを走らせても、収縮スピードがある。
多少ベクトルが散っても、身体能力で押し切れる。
若い頃は、軽いものを速く動かす能力があります。
しかし、年齢を重ねると、その方法はだんだん苦しくなります。
昔と同じように速く振ろうとしても、身体がついてこない。
無理に振れば、打点がずれる。
ロフトが増える。
スピンが増える。
曲がる。
腰や肩に負担が来る。
つまり、ヘッドスピードを取り戻そうとする努力が、有効重量を減らし、ベクトル分散を増やしてしまうことがあります。
では、年齢を重ねたゴルファーはどう考えるべきでしょうか。
私は、
速く振る方向から、重く当てる方向へ
少しずつ考え方を変えた方がよいと思っています。
若い頃のように、腕だけを速く振る。
手でヘッドを走らせる。
インパクトで強く押す。
身体を大きくねじって戻す。
この方向だけで飛距離を取り戻そうとすると、年齢と競争することになります。
しかし、
身体とクラブを一体化させる。
有効重量を逃がさない。
力の向きを散らさない。
ライン・オブ・コンプレッションへ通す。
この方向で考えると、まだ使える武器が残っています。
それが、身体の重さです。
ここで注意したいのは、身体の重さを使うことと、体重移動を大きくすることは違うということです。
体重を左へぶつける。
身体をボール方向へ突っ込ませる。
インパクトで体重を乗せようとする。
これでは、かえって入射角やロフト、フェース向きが乱れることがあります。
有効重量とは、体重を移動させることではありません。
身体とクラブがつながった状態で、インパクトに向かうことです。
身体の重さが、クラブを通じてボールへ届く。
その重さが、上や横へ逃げず、前へ通る。
これが大切です。
加齢ゴルファーにとって、スインガーの考え方が重要になる理由はここにあります。
スインガーは、力を使っていないわけではありません。
ただし、局所的に力を使いすぎない。
腕だけで急がせない。
手先だけでフェースを返さない。
インパクトで急に押し込まない。
身体を前へ突っ込ませない。
その代わり、身体とクラブを一体化させ、有効重量を逃がさない。
若い頃のように速く動かす能力が少し落ちても、重さを逃がさず使えれば、ボールの強さを取り戻せる可能性があります。
この話は、身体への負担とも関係します。
以前、整形外科の先生に私のスイングの考え方をお話ししたことがあります。
そのとき、私はこう言いました。
この話を聞くと、一概に、腰が痛いならゴルフをやめなさい、とは言えなくなりますよ。
もちろん、痛みがあるときに無理をしてよいという意味ではありません。
医学的な判断は医師の領域です。
ただ、スイングには種類があります。
身体に強いねじれや歪みを作り、その戻りで大きなエネルギーを出すタイプもあります。
一方で、身体とクラブを一体化させ、有効重量を逃がさずに使うタイプもあります。
この二つを同じ「ゴルフスイング」として一括りにしてしまうと、身体への負荷の見方を間違える可能性があります。
問題は、ゴルフをするかしないかだけではありません。
どのようなスイングでゴルフをしているか
です。
年齢を重ねたゴルファーにとって、飛距離低下は避けにくいテーマです。
しかし、そこで単純に、
もっと速く振らなければ
と考えると、かえって苦しくなります。
筋肉の収縮スピードで勝負する。
腕の速さで勝負する。
手の返しで勝負する。
インパクトの押し込みで勝負する。
この方向は、年齢とともにリスクが大きくなります。
それよりも、
今ある身体の重さを、どうやってボールに届けるか
を考える。
こちらの方が、年齢を重ねたゴルファーには現実的です。
もちろん、スインガーの考え方を取り入れたからといって、急に若い頃の飛距離が戻るわけではありません。
しかし、飛距離低下の原因をヘッドスピードだけに決めつけると、可能性を見落とします。
ヘッドスピードが少し落ちても、打点が良くなる。
ロフトが管理される。
スピンが減る。
フェース向きが安定する。
有効重量が逃げない。
ベクトルが前へそろう。
こうなれば、ボールスピードや実際の飛距離は守れる可能性があります。
場合によっては、以前より楽に飛んでいるように感じることもあります。
それは、若返ったからではありません。
効率が上がったのです。

今回の結論は、こうです。
加齢で失いやすいのはスピードです。
しかし、重さまで失ったわけではありません。
ヘッドスピードが落ちたから、もう飛ばない。
そう考えるのは早いと思います。
速く振る能力が落ちても、身体の重さは残っています。
その重さをクラブに乗せ、逃がさず、前へ通すことができれば、まだ飛距離を作る余地はあります。
年齢を重ねたゴルファーほど、ヘッドスピード信仰から少し離れて、
有効重量をどう使うか
力をどの方向へ通すか
を考えるべきだと思います。
スインガーの考え方は、若い人だけのものではありません。
むしろ、年齢を重ねたゴルファーにこそ、大きな可能性があるのです。
次回は、この話と混同されやすい、
体重移動と有効重量は違う
というテーマに進みます。
身体の重さを使うと言うと、多くの人は体重移動を大きくしようとします。
しかし、体重が移動したからといって、その重さがボールに届いているとは限りません。
次回は、体重移動と有効重量の違いを整理してみたいと思います。
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