“ヘッドスピード別データの落とし穴”と、本当に見るべきポイント
メーカー公式ブログに「PING TOUR 2.0 BLACKはヘッドスピード38m/s以上がボリュームゾーン」という記事が出ていました。
企画意図は、お客様にもフィッターにも“指針”となるデータを提供することだと思いますが——店長としては、少し残念でした。
理由はひとつ。
主語が“シャフト”になってしまっているからです。
本当は「シャフトを使うプレーヤー全体の分布」や「選択の重み」を見ないと、正しい結論にはたどり着けません。

■ ヘッドスピード別の“使用者構成比”で見るべきだった
ブログの結論ではこう書かれていました。
「PING TOUR 2.0 BLACKはヘッドスピード 38m/s以上がボリュームゾーン」
確かに、BLACK 65 Sの使用者には 38〜42m/s に集中傾向があるのは事実。
しかし、その判断は“片側からの視点”に偏っています。
店長は、ヘッドスピードごとに「どのシャフトがどれだけ選ばれているか」の重みづけを行いました。
すると——
✔ 結果:BLACKの数は確かに存在するが“ボリュームゾーン”ではない
RAWデータをヘッドスピードごとに正規化すると、
一見多く見える BLACK の数字が「相対的には大きくない」ことがわかります。

■ 実際に72%のゴルファーが選ぶ“4本”が存在する
データを俯瞰すると、フィッティングで最も多く選ばれるのは次の4つです。
-
ALTA J CB BLUE SR
-
ALTA J CB BLUE S
-
TOUR 2.0 CHROME 65 R
-
TOUR 2.0 CHROME 65 S
この 4モデルで全体の72%を占める。
その他のシャフトは様々なシャフトが入っているのでこれを除外すると

なんと この4種類で85%に達します。
つまり——
本当の意味での“ボリュームゾーン”は、この4モデルである
ということです。
ただ、ここで「あれ~、PING TOUR 2.0 CHROME 65 X よりPING TOUR 2.0 BLACK 65 Sの方が数字が多い」ということに気づいたかたは鋭い。
■ では、BLACKとCHROMEの“意外な関係”とは?
データをよく見ると、気づく方は気づくはずです。
TOUR 2.0 BLACK 65 S が、CHROME 65 X より使用者が多い理由。
これはシャフト単体の性能ではなく、
-
プレーヤータイプ
-
弾道の好み
-
軽硬・重軟のクセ
-
ヘッド挙動との組み合わせ
などの 複合要因 が反映されているからです。
そしてシャフトを「軽→中→重」「軟→硬」で並べ直し、
ヘッドスピード帯で正規化すると

✔ データは ほぼ正規分布 を描いた
これは非常に大きな示唆です。
PINGのシャフトラインナップは“全体分布が美しく揃うよう”設計されている
ということ。
メーカーが語らずとも、データがそれを物語っています。
FITTER BLOGも本来はここを伝えたかったのだと思います。
しかし記事の構成上、そこまで踏み込むことはできなかったのでしょう。
■ 店長の結論
この記事で言いたかったのはただ一つ。
シャフトを語るときに“ボリュームゾーン”という言葉を使うのは慎重であるべき
なぜなら、
-
シャフトにはそもそも“プレーヤーの偏差”が反映される
-
ヘッドスピードだけで選ばれているわけではない
-
使用者分布は複合要因で成立する
-
全体の選択比率を見ないと“正しいボリューム”は見えない
からです。
BLACKが良いシャフトなのは間違いありません。
フィッティングでも「試す価値が高い」一本です。
しかし“最も選ばれている中心”はあくまで
ALTA BLUE / TOUR CHROME の4本で全体の85%
ここを押さえないと、読者は誤解してしまいます。
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店長の一言
私が書くと、すごくしつこく、ねちねちと指摘するようになりますが、根拠を示して結論を導き出すという学生時代を過ごしましたのでご理解をお願いいたします。
これについて、もう一つ言いたいことがございまして、あまりにもしつこくなりますので、次回ということにいたします。

