宇宙は数学(数式)の言語で書かれているなら、ゴルフも数学で書かれているのか? 第3話

第3話 人間の感覚は、どこまで信用できるのか?

前回は、ゴルフスイングの形と運動の関係について考えてみました。

そして最後に、こんな宿題を出しました。

「筋肉に力が入っていることと、その筋肉が運動を発生させていることは、同じなのでしょうか?」

今回は、人間の筋肉の働きと感覚について考えてみましょう。

筋肉は何のためにあるのでしょう?

店長:「AIさん、人間はどうやって関節を動かしているのでしょう?」

AI:「筋肉が収縮して骨を引っ張ることで、関節を動かしています。」

店長:「筋肉は骨を押すことができますか?」

AI:「いいえ。筋肉は基本的に収縮して引っ張る力を発生させます。」

店長:「では、肘を曲げるときと伸ばすときでは、働く筋肉が違いますよね?」

AI:「はい。肘を曲げるときには主に上腕二頭筋などの屈筋群が働き、伸ばすときには主に上腕三頭筋が働きます。」

店長:「曲げるときには、反対側の筋肉はどうなるのでしょう?」

AI:「基本的には活動を弱め、関節の動きを許容します。ただし、完全に弛緩しているとは限りません。」

店長:「では、関節を動かさないようにするには、どうすればよいのでしょう?」

AI:「曲げる筋肉と伸ばす筋肉を同時に働かせることで、関節の剛性を高め、動きを抑えることができます。これを共収縮と呼びます。」

店長:「つまり、筋肉は関節を動かすためだけではなく、動かさないためにも働くわけですよね?」

AI:「その通りです。」

ここで少し実験をしてみましょう。

両手を合わせてみてください

胸の前で、左右の手のひらを合わせてください。

そして、両手を互いに押し合ってみてください。

どうでしょう?

腕や胸の筋肉に力が入っているのが分かると思います。

ところが、両手はほとんど動いていません。

店長:「AIさん、両手で押し合っているとき、筋肉は働いていますよね?」

AI:「はい。胸や肩、腕などの筋肉が働いています。」

店長:「では、どうして手は動かないのでしょう?」

AI:「左右から加えられる力がつり合い、手の位置がほぼ維持されているからです。」

店長:「動いていないのに、筋肉は力を発生させているわけですね?」

AI:「はい。筋肉が張力を発生させながら、関節の位置を維持することもできます。」

店長:「そうなんです。ここが大切なんですよ。」

両手を押し合わせる実験では、左右の腕から伝わる力がつり合っています。

その一方で、筋肉は力を発生させています。

関節の角度を保つために、反対方向に働く筋肉が協調することもあります。

つまり、筋肉が働いているからといって、その筋肉が関節を動かしているわけではありません。

筋肉は、動かすためにも、動かさないためにも働くのです。

では、ゴルフスイングではどうでしょう?

ここで、ゴルフスイングに話を戻しましょう。

ダウンスイングからインパクトに向かうデリバリーゾーンでは、「右手を使いすぎるといけない」と言われることがあります。

しかし、右腕に力が入っていることと、右腕がクラブを積極的に押していることは、同じなのでしょうか?

店長:「右腕に力が入っていると感じたら、右腕でクラブを押していることになるのでしょうか?」

AI:「先ほどの例から考えると、必ずしもそうとは限りません。」

店長:「では、右腕の筋肉は何をしている可能性がありますか?」

AI:「関節の角度を保持したり、外部から作用する力に抵抗したりしている可能性があります。」

店長:「そうですよね。そもそも、クラブを動かしている力が右腕から生まれているとは限りませんよね?」

AI:「はい。上体や肩の運動、クラブの慣性なども関係します。」

店長:「だったら、右腕の筋肉はクラブを押しているのではなく、その構造を維持するために働いているのかもしれませんね。」

ここで重要になるのは、筋肉が発生させる力と、その力によって実際に起きる運動を区別することです。

筋肉は張力を発生させていても、その関節が動くとは限りません。

逆に、関節が動いていても、その方向に動かす筋肉が主な動力源とは限らないのです。

人間の感覚がスイングを複雑にする?

私たちは、筋肉に力が入っていることを感じ取れます。

しかし、その筋肉が運動を発生させているのか、動きを抑えているのか、あるいは関節を安定させているのかを、感覚だけで正確に判断できるとは限りません。

店長:「人間は、自分が感じられる部分を積極的に操作しようとしているのではないでしょうか?」

AI:「確かに、筋肉に力が入っている感覚を、その筋肉で動作を作っていると解釈することはありそうです。」

店長:「右手が動いているのに、右手を動かそうとしていない可能性はありますよね?」

AI:「はい。」

店長:「そう考えると、スイングの見方が変わってきませんか?」

ここに、ゴルフスイングが複雑になってしまう原因の一つがあるのではないかと、店長は考えています。

人間は感じられる部分を操作しようとする。

しかし、身体の中では、動かすための筋肉だけでなく、動きを抑え、関節を安定させるための筋肉も働いています。

その役割を取り違えてしまえば、本来必要のない動作まで加えてしまうかもしれません。

今週の宿題

さて、今回は筋肉の働きについて考えてみました。

筋肉は関節を動かすためだけでなく、動かさないためにも働きます。

そして、動いている部分が、必ずしもその動きを生み出しているとは限らないことも分かりました。

ここで、少し視点を変えてみましょう。

私たちの身体は、筋肉だけでできているわけではありません。

その内側には、身体を支える骨格があります。

では、その骨格には、身体の形を作ること以外に、どのような役割があるのでしょうか?

今週の宿題は、次の問いです。

「人間の身体に大きな力が加わったとき、その力を受け止めるのは筋肉だけなのでしょうか?」

そして、

「筋肉の働きを少なくしながら、大きな力を支えたり伝えたりする方法はないのでしょうか?」

身近なものにも、ヒントがあるかもしれません。

少し考えてみてください。

来週は、人間の骨格を、身体を動かすための構造という視点から考えてみたいと思います。

次回:「動かさないことで、動かす?」

毎週日曜日、午後8時更新予定。

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