ゴルフの常識は本当なのか? ― Mythbusters(ゴルフの俗説を検証)

Mythbusters(ゴルフの俗説を検証)面白そうな問題です。

出演者

  • シェーン・ベーコン(Shane Bacon):司会

  • マーティ・ジェーソン(Marty Jertson):PINGの研究開発担当者また、二人が面白そうなテーマを動画にしていますので、のぞき見してみましょう。ゴルフの俗説はいろいろなありますが、どのような俗説を取り上げ、どのように解説するのか楽しみですね。

    シェーン:

    皆さん、こんにちは。PING Proving Grounds Podcastへようこそ。

    今日のエピソードでは、これからも定期的に続けていきたい企画を始めようと思います。

    テーマは「ゴルフの俗説を検証する」、いわばゴルフ版の Mythbusters です。

    マーティ、あなたは非常に頭のいい人です。長年ゴルフを研究し、選手としても優秀で、世界各地で高いレベルの競技ゴルフを経験しています。

    それでも、ゴルフでは昔からさまざまな決まり文句が言われていますよね。

    今日は、そうした言葉について、データや数字を使いながら詳しく検証してみたいと思います。

    どうですか?

    マーティ:いいですね、シェーン。とても面白いテーマだと思います。PINGの研究チームでも、私たちは同じような考え方をしています。
    昔から言われていることには、少しは真実が含まれているかもしれませんし、まったく正しくないものもあるでしょう。
    ただし、俗説を丸ごと否定するのではなく、その中に正しい部分があるのかどうかを見極めることが重要です。
    さっそく検証してみましょう。

    シェーン:左打ちの私がよく言われるのは、練習場で年配の方から「ボールの反対側に立っているよ」と言われることです。
    でも、厳密に言えば、私はボールの right side(正しい側/右側) に立っているんですけどね(笑)。
    さて、最初に取り上げるのは、最もよく耳にする言葉でしょう。

  • 第1話は. 「ドライバー は ショー、パター は マネー」は本当か?「Drive for show, putt for dough」

    つまり、「ドライバーは見せるため、パターは稼ぐため」という言葉です。

    現在のゴルフでは、ドライバーショットが最も重要だと考えられるようになっています。

    それでも2026年になった今も、この言葉が頻繁に使われていますよね。

    マーティ:本当によく聞きます。
    「グリーンに乗るまでに何をしたかは関係ない。結局はパッティングがすべてだ」
    「ショートゲームが何より大切だ」
    といった考え方ですね。
    この問題を本格的に解明したのが、マーク・ブローディ教授の著書『Every Shot Counts』だと思います。
    彼の息子のクリス・ブローディは、現在私の研究グループで働いていて、さまざまな分析ツールの開発やデータ解析に携わっています。
    『Every Shot Counts』は、いわばゴルフ版の『マネーボール』です。
    ストロークス・ゲインドという考え方を広め、ゴルフの上達に何が本当に重要なのかを理解するきっかけとなった本です。
    この本が優れているのは、優秀なコーチや選手たちが経験的に理解し、すでに実践していたことを、数字によって解き明かした点です。

    例えば、ビジェイ・シンを考えてみましょう。

    彼は決してパッティングが得意な選手ではありませんでした。平均的なパッティング能力でありながら、素晴らしい成績を残しました。

    どうしてそれが可能だったのでしょうか?

    それは、圧倒的なドライバーショットと、非常に精度の高いアイアンショットがあったからです。

    現代でも、同じことが見られます。

    スコッティ・シェフラーも、ここ1〜2年はパッティングが向上していますが、それ以前にはドライバーとボールストライキングの能力によって圧倒的な成績を残した時期がありました。

    私は、ドライバーショットを家の基礎に例えています。

    ゴルフという家を建てるなら、ドライバーショットがその基礎になるのです。

    なぜ重要なのか。

    ティーショットが10ヤード伸びれば、グリーンを狙うクラブが1番手短くなります。
    20ヤード伸びれば、2番手短くなるわけです。
    この効果は積み重なっていきます。飛距離が伸びれば、グリーンまでの距離が短くなり、短いクラブで打つことができます。短いクラブで打てれば、ピンに近づけやすくなります。バンカーを越えやすくなり、硬いグリーンでもボールを止めやすくなります。つまり、ドライバーの飛距離は、その後のプレー全体を容易にする効果があるのです。

    さらに、ドライバーショットの能力は比較的安定していて、予測しやすいという特徴があります。

    例えば、ここProving Groundsにフィッティングのために来たゴルファーや大学生選手の能力を評価するとしましょう。

    その人の過去の成績を知らなくても、ドライバーを5〜10球打ってもらえば、かなり正確に能力を把握できます。ボール初速や左右の分散を見れば、その人がどの程度のドライバーショットを打てるのかがわかるのです。

    一方、パッティングの能力を判断するには、もっと多くの試行回数が必要です。パッティングは日による変動が大きいからです。

    したがって、私の結論はこうです。ドライバーが土台であり、パッティングはその次に重要な要素です。もちろん、その差はそれほど大きくありません。

    私は、こう表現するのが好きです。

    「Drive for dough, putt to win」

    つまり、「ドライバーで稼ぎ、パターで勝つ」

    ということです。

    ドライバーによって安定して優れた成績を残し、パッティングが特によかった週に優勝するのです。

    シェーン:面白いですね。

    私は42歳ですが、私たちが育った時代は、ティーショットで必ずしもドライバーを使わない選手が多かったと思います。フェアウェイに確実に置くために、短いクラブを選ぶわけです。

    しかし2000年代の初め頃から、たとえラフに入っても、ボールをできるだけ前に進めることの重要性が理解され始めました。

    ビジェイ・シンについて、印象に残っている統計があります。
    どの全英オープンだったかは忘れましたが、2ラウンド終了時点で、彼のドライビング・アキュラシーは出場選手中最下位だったのに、パーオン率は1位だったのです。当時から、ティーショットを遠くまで飛ばすことの価値を理解していた選手がいたのです。

    そこで質問です。

    この考え方は、プロだけでなくアマチュアにも当てはまりますか?アマチュアでもドライバーが最も重要で、パッティングが2番目なのでしょうか?

    マーティ:はい。基本的には同じです。

    とても重要な質問ですね。

    ツアープロの統計を、そのままハンディキャップ10や20のアマチュアに当てはめてよいとは限りません。技術レベルによって、数字や関係性が変わる可能性はあります。

    しかし、ドライバーとパッティングの相対的な重要性は、おおむね変わりません。むしろ、技術レベルが低いゴルファーほど、飛距離に少し重点を置いた方がよいと考えています。

    クラブヘッドスピードを高めることや、ドライバーのフィッティングで飛距離を伸ばすことを、もう少し重視してもよいでしょう。

    ただし、大きな注意点があります。

    ペナルティを伴うショットは避けなければなりません。当然、これはコースのレイアウトによって異なります。

    しかし一般論として、ドライバーの能力向上に積極的に取り組むことを勧めます。

    私自身、練習に対する考え方を変えました。以前は「練習場でドライバーばかり打たず、パッティングに時間を使いなさい」と考えていました。

    しかし今は違います。

    子どもたちを指導するときも、

    「ドライバーをどんどん打ちなさい。ボール初速を上げなさい。スピードトレーニングもしなさい」

    と言っています。

    若い選手たちを見ても、ドライバーの能力が非常に重要になっていることがわかります。
    もちろん、理想は両方を練習することです。
    アイアンショットも練習して、パーオン率を上げる必要があります。

    そのうえで、ドライバーを強化しながらペナルティを避けることが大切です。

    シェーン:最近のPGAツアーのデータを見ても興味深いですね。

    今シーズンのストロークス・ゲインド・オフ・ザ・ティーの上位5人は、ニール・シプリー、ローリー・マキロイ、マイケル・ブレナン、キース・ミッチェル、スコッティ・シェフラーでした。

    一方、パッティングの上位には、ジェイコブ・ブリッジマン、ビンス・ウェイリー、アレックス・ノレン、サム・バーンズ、マーベリック・マクニーリーが並びます。

    顔ぶれがかなり違いますね。

    世界最高レベルのゴルファーたちを見ると、ドライバーの能力がほかの技術以上に競争力を高めているように感じます。

    マーティ:そのとおりです。

    一般的なゴルファーにとって、まず重要なのはパーオン率を上げることです。PGAツアーのトップレベルになると、今度はアプローチのストロークス・ゲインドや、ピンへの近接距離が選手の差を生み出します。

    スコッティ・シェフラーは、その能力が極めて優れています。

    彼のような選手は、ピンの位置に応じてボールを自在に打ち分けます。
    しかし、一般的なアマチュアなら、まずグリーン中央までの距離を打ち、できるだけ多くパーオンすることを考えればよいのです。

    そして、ドライバーがよくなれば、それが実現しやすくなります。

    これが、先ほど説明した飛距離の複合的な効果です。

    ただし、パッティングの重要性を軽視しているわけではありません。

    パッティングはドライバーに次ぐ、非常に重要な要素です。

    アマチュアがパッティングを練習するときは、特に次の2点に重点を置くとよいでしょう。

    1. 25フィート(約7.6m)以上からの3パットを減らすこと。

    2. 4〜8フィート(約1.2〜2.4m)のパットの成功率を上げること。

    この2つが改善されれば、パッティングの成績は大きく向上します。

    シェーン:昔、「Drive for show, putt for dough」と言われるたびに思っていました。
    「6打目でパッティングをしているようでは、パターで稼ぐのも難しいだろう」と(笑)。
    やはり、ティーショットを遠く、正確に打つ能力は重要ですね。

 

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