今回追加される先調子系として注目したいのは、
- 26 VENTUS TR RED
- SPEEDER NX WHITE
の2本です。
さらにメーカー表記は中調子ですが、
- TOUR AD EK
も、中間から先端を積極的に動かす「走り系」として同じ方向から見てみたいと思います。
従来の先調子・先中調子には、
ヘッドが走る、球がつかまる、ボールを上げやすい
という大きなメリットがあります。
しかし、その動きが大きくなりすぎると、
ヘッドが暴れる、左へのミスが出る、打点やフェースの向きが安定しにくい
という欠点にもなります。
つまり、
先調子のスピード感は欲しい。
しかし、先端が暴れるシャフトでは結果が出ない。
というゴルファーが存在します。
今回のシャフトは、まさにそこへ新しい技術を使って対応しているように見えます。
26 VENTUS TR RED
VENTUS TR REDは先中調子です。
先中調子らしく、
球を上げやすく、適度につかまり、ヘッドを走らせる。
しかしフジクラが強調しているのは、一般的な走り系とは違う**「粘るフィーリング」と安定性**です。
つまり、
先を動かすことはやめない。
しかし、急激には動かさない。
という方向です。
先中調子のスピード感を残しながら、VENTUSらしいコントロール性を持たせたシャフトと言えるでしょう。
SPEEDER NX WHITE
SPEEDER NX WHITEも先中調子です。
こちらはさらに分かりやすく、
先端の剛性を落として、球をつかまえ、上げやすくする
設計です。
普通なら先端を柔らかくすれば、インパクトで当たり負けしたり、ボールが散らばったりする可能性が高くなります。
そこで新しいDHXとVTCによって、ねじれなどの余分な動きを抑えています。
つまり、
先端は走らせる。
しかし、インパクトでは暴れさせない。
これがSPEEDER NX WHITEの大きな特徴です。
TOUR AD EK
TOUR AD EKはメーカー表記では中調子です。
しかし設計を見ると、手元側の剛性を高めながら、
中間から先端をしなやかに動かして初速を上げる
という、明確な「走り系」の性格を持っています。
ここでも考え方は同じです。
走りを出すだけなら、中間から先端を大きく動かせばいい。
しかし、それではシャフトが暴れやすくなる。
そこで、曲げ・ねじれ・つぶれをそれぞれ制御することで、
走るのに暴れにくいシャフト
を作ろうとしています。
先調子のメリットは残す。暴れは減らす。
3本を整理すると、
26 VENTUS TR RED
→ 先中調子の走りを「粘り」に変えて安定させる。
SPEEDER NX WHITE
→ 先端を積極的に走らせながら、インパクトでの当たり負けを抑える。
TOUR AD EK
→ 中間から先端を動かしながら、曲げ・ねじれ・つぶれという余計な変形を抑える。
それぞれ方法は違います。
しかし目指している方向は共通しています。
先調子のスピード感は残す。
先調子の暴れやすさは減らす。
ということです。
これまで、
先調子の球の上がりやすさ、つかまり、スピード感は欲しい。
しかし、先調子では左へ行く、当たりがばらつく。
という理由で使えなかったゴルファーもいたはずです。
今回の新しいシャフトは、その部分を新しい素材や構造によって分離しようとしている。
つまり、
先を動かすことが問題なのではなく、先が「余計に」動くことが問題だった。
そこを制御できるようになったことが、最近の先調子系シャフトの進化ではないかと思います。
この第3話まで並べると、かなりきれいに一本のテーマになります。
元調子=遅れは減らす。
中調子=動きの偏りを減らす。
先調子=暴れを減らす。
つまり最近のシャフトは、調子によるメリットを残したまま、その調子特有のデメリットだけを新しい技術で取り除こうとしている、という全体像です。
