金沢ゴルフ協会のジュニア教室の木曜練習会の横で、「北陸のドラえもん」こと中村忠夫プロがレッスンをされています。
よく、子供たちのところにも遊びに来てくれるだけでなく、時折、ジュニアのラウンドにも付き添ってくださっています。
ツアー優勝経験を持つプロが、自分たちのラウンドを見てくれる。
考えてみれば、何とも恵まれた環境です。
先日も中村プロに顔を出していただいたので、ジュニアたちに聞いてみました。
「中村プロのどの部分が参考になった?」
すると返ってきた答えは、
「飛距離がすごいんですよ。」
でした。
私は思わず、
「えっ、そこなの?」
と言ってしまいました。
もちろんプロですから飛距離も出ます。
しかし、一番自分たちと違うところは、そこではないのではないか。
中村プロは、子供たちが無理な攻め方をしたり、難しいアプローチを選択したりすると、
「プロはそんなことしないよ」
と教えてくださっているそうです。
そこで私はジュニアたちに、
「中村プロって、30ヤード以内まで来たら、そこからほとんど2打で終わっていることに気づいていない?」
と聞きました。
すると中村プロは、それを肯定しながら、こうおっしゃいました。
「そうなんだけど、杉原輝雄プロはそれが50ヤードだったのよ。」
この一言は非常に印象的でした。
ツアー優勝経験を持つ中村プロにとって、30ヤード以内はかなり高い確率で2打で終われる領域。
ところが杉原輝雄プロになると、その領域が50ヤードまで広がっていたというのです。
さらに私は以前、先生の木場本弘治元日本体育大学ゴルフ部監督から、
「デビッド・デュバルは90ヤード以内なら3ヤード刻みで距離を打ち分けることができた」
と聞いたことがあります。
デュバルは実際に世界ランキング1位まで上り詰めた選手です。
もちろん、
30ヤードならツアー優勝できる。
50ヤードならトッププロになれる。
90ヤードなら世界一になれる。
そんな単純な公式があるわけではありません。
しかし、この三つの話を並べてみると、プロゴルファーの「上手さ」を見る一つの物差しが見えてくるように思います。
30ヤード以内を2打で終えられるツアープロ。
その領域が50ヤードまで広がるトッププロ。
そして90ヤード以内を数ヤード単位で管理する世界トップレベル。
つまり、レベルが上がるほど、
「ここまで運べば、あとは大きなミスをせずにホールアウトできる」
という領域が広く、そして細かくなっていくのではないでしょうか。
飛距離は分かりやすいものです。
一球見れば、
「すごい。」
と分かります。
しかし、本当に上手いゴルファーの凄さは、一球ではなかなか分かりません。
18ホール一緒に回って初めて、
「グリーンを外しているのにボギーにならない。」
「30ヤード以内に来たら、いつも2打で終わっている。」
と気づきます。
そこに、ツアープロとアマチュアの大きな違いがあります。
だからジュニアたちには、中村プロの飛距離だけを見てほしくありません。
どういう場所からピンを狙うのか。
どこでは無理をしないのか。
どんなアプローチを選択するのか。
そして、グリーンを外した後に何打でホールアウトしているのか。
せっかくツアー優勝経験のあるプロが一緒に回ってくれているのです。
プロの球を見るだけではなく、プロがどうやってスコアを作っているのかを見る。
それができるようになれば、この恵まれた環境から学べるものは、さらに大きくなると思います。
