ヘッドスピードは上がった。では、ボールは速くなったのか? 第1話

ヘッドスピードで勝って、飛距離で負ける理由

――飛距離を決めるのは、ヘッドスピードだけではありません――

ゴルフでは、よくこう言われます。

ヘッドスピードを上げれば飛ぶ。
ヘッドが走れば飛ぶ。
速く振れれば飛距離が伸びる。

たしかに、これは間違いではありません。

ヘッドスピードは、飛距離を作る大切な要素です。
ヘッドスピードがなければ、ボールスピードも出にくくなります。

しかし、ここで一つ注意しなければならないことがあります。

ヘッドスピードが速いことと、実際に飛ぶことは、同じではない。

このことを、非常に分かりやすく感じた出来事がありました。


金沢市のジュニア練習会でのことです。

簡易的にヘッドスピードを測る器具を使って、委員長とジュニアの子がヘッドスピードを競い合っていました。

数値だけを見ると、勝ったのはジュニアでした。
当然、ジュニアは大喜びです。

ヘッドスピードで大人に勝った。
自分の方が速く振れている。
これは、子どもにとってはとても分かりやすい成功体験です。

ところが、実際にボールを打ってみると、結果は違いました。

飛距離は、委員長の方が約50ヤードも飛ぶのです。

ヘッドスピードではジュニアが勝っている。
しかし、飛距離では委員長が大きく勝っている。

ここに、ヘッドスピードという数字の難しさがあります。


ヘッドスピードとは、あくまでもクラブヘッドがどれだけ速く動いたかを示す数字です。

しかし、ゴルファーが本当に欲しいのは、クラブヘッドが速く動いたという事実ではありません。

欲しいのは、ボールが速く飛び出し、遠くへ飛ぶことです。

つまり、本当に見るべきなのは、

ヘッドスピードではなく、ボールスピードです。

もう少し正確に言えば、

ヘッドスピードが、どれだけボールスピードに変換されたか

です。

ここが非常に重要です。


ヘッドスピードが速くても、打点が悪ければボールスピードは出ません。

フェースが開いていれば、エネルギーは逃げます。
ロフトが寝すぎれば、ボールは上に逃げます。
スピン量が増えすぎれば、前に進む力は減ります。
インパクトで身体とクラブのつながりが切れていれば、当たりは軽くなります。

つまり、ヘッドは速く動いていても、ボールに力が伝わっていないことがあるのです。

これは、ヘッドスピードという数字だけを見ていると分かりません。


物理的に考えると、さらに分かりやすくなります。

運動エネルギーは、

E = 1/2 mv²

で表されます。

この式だけを見ると、速度である v が大きくなるほどエネルギーは大きくなります。
だから、ヘッドスピードを上げれば飛ぶ、と考えたくなります。

しかし、問題は m です。

ゴルフスイングでいう m は、単純なクラブヘッドの重さだけではありません。

インパクトの瞬間に、クラブヘッドの後ろにどれだけ身体側の質量がつながっているか。
つまり、どれだけクラブを重く使えているか。

これを、ここでは有効重量として考えます。

ヘッドスピードが速くても、有効重量が小さければ、インパクトは軽くなります。

逆に、ヘッドスピードの数値では少し劣っていても、身体とクラブのリンクが保たれ、ボールに重さが伝わっていれば、実際のボールスピードや飛距離では上回ることがあります。

金沢市のジュニア練習会で起きていたことは、まさにこの違いだったのだと思います。


ジュニアのヘッドは速く動いていた。
しかし、その速度がボールに十分変換されていなかった。

一方、委員長のスイングは、ヘッドスピードの数値では負けていても、インパクトでクラブを重く使えていた。
だから、実際の飛距離では大きな差が出た。

これは、決して珍しいことではありません。

練習場でも、試打でも、フィッティングでも、同じようなことはよく起こります。

ヘッドスピードの数値は高い。
でも、ボールスピードが出ていない。
ボールスピードは出ているように見えるが、スピン量が多すぎて飛距離になっていない。
一発は飛ぶが、平均すると曲がりや打点のズレが大きい。

つまり、ヘッドスピードだけでは、飛距離の本質は見えないのです。


ここで難しいのは、ヘッドスピードという数字がとても分かりやすいことです。

測れば、すぐに数字が出ます。
勝ち負けも分かります。
ジュニアにも分かりやすい。
保護者にも分かりやすい。
そして、売り場でも、動画でも、練習器具でも、とても使いやすい言葉です。

「ヘッドスピードアップ」
「これだけで飛距離アップ」
「ヘッドが走る」
「速く振れる」

こうした言葉は、とてもキャッチーです。

だから広がります。

しかし、分かりやすい言葉が、必ずしも正しい理解につながるとは限りません。


ジュニアにその場で、

「ヘッドスピードは勝っているけれど、ボールスピードに変換できていない」
「クラブが速く動いていても、有効重量が残っていない」
「インパクトでエネルギーが逃げている」

と説明しても、すぐに理解するのは難しいと思います。

それは保護者の方にとっても同じです。

ヘッドスピードで勝った。
それは、とても分かりやすい成功です。

だから、喜ぶことは当然です。
そこを責めることはできません。

むしろ問題は、私たちゴルフを伝える側が、長い間、

ヘッドスピードが上がれば飛ぶ

という言葉を、あまりにも分かりやすい成功指標として広めてきたことにあります。


もちろん、ヘッドスピードは大切です。

しかし、それは飛距離を作る要素の一つであって、飛距離そのものではありません。

本当に見るべきなのは、

ヘッドスピードがどれだけボールスピードに変換されたか。
そのボールスピードを生んだインパクトは安定しているか。
打点、ロフト、フェース向き、スピン量はどうだったのか。
そして、そのインパクトに有効重量が残っていたのか。

ここまで見なければ、飛距離の本質は見えてきません。


ヘッドスピードは入口の数字です。

ボールスピードは出口の数字です。

そして、飛距離はさらにその先にある結果です。

入口の数字だけを追いかけると、スイングを見誤ります。
出口の数字を見れば、クラブが本当にボールに仕事をしたかどうかが見えてきます。

ヘッドスピードで勝って、飛距離で負ける。

この出来事は、数字の見方を考えるうえで、とても分かりやすい例でした。

次回は、ここからさらに踏み込んで、ヘッドスピードを上げる練習器具の効用と危険性について考えてみたいと思います。

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