ヘッドスピードを上げたつもりが、なぜ軽く当たるのか

有効重量で考えるスインガースイング・第5話

前回は、有効重量を数字で考えてみました。

腕だけでクラブを動かしている場合の有効重量を、仮に 1〜2kg前後
身体とクラブが一体化している場合の有効重量を、仮に 5〜12kg前後

もちろん、これは実測値ではありません。
有効重量の考え方を分かりやすくするための推測値です。

しかし、この数字を使って運動エネルギーを考えると、非常に大切なことが見えてきます。

同じ速度でも、有効重量が違えば、エネルギーは大きく変わる。
つまり、ヘッドスピードだけでは、ボールに届くエネルギーを説明できないということです。

今回は、そこから一歩進めて考えます。

多くのゴルファーが、

ヘッドスピードを上げようとして、かえって軽く当たっている

という問題です。


飛距離が落ちると、多くのゴルファーはまずヘッドスピードを上げようとします。

もっと速く振る。
もっと強く振る。
もっと手を使う。
もっとヘッドを走らせる。

気持ちはとてもよく分かります。

飛ばしたい。
ボールを強くしたい。
若い頃の飛距離を取り戻したい。

そう考えると、どうしても「もっと速く動かす」という方向へ行きやすくなります。

しかし、ここに落とし穴があります。

ヘッドスピードを上げるために、身体とクラブの接続を切ってしまうことがあるのです。


たとえば、手でヘッドを走らせようとします。

クラブヘッドは速く動いたように感じます。
場合によっては、測定上のヘッドスピードも少し上がるかもしれません。

しかし、その瞬間に腕や手だけが主役になると、身体とクラブの一体感は失われます。

すると、何が起きるか。

有効重量が小さくなります。

つまり、クラブは速く動いている。
しかし、ボールにぶつかっているものは軽い。

これは、前回の数字で言えば、身体とクラブが一体化した 5〜12kg前後 の世界から、腕だけの 1〜2kg前後 の世界へ落ちてしまうようなものです。

ヘッドスピードを上げたつもりが、衝突に参加する重さを減らしている。

ここが非常に大きな問題です。


これを私は、

速く振っているのに、軽く当たっている

状態だと考えています。

本人は頑張っています。
力も入れています。
スピードも出そうとしています。

しかし、ボールは強くならない。

なぜなら、ボールに届く有効重量が小さくなっているからです。

これは、ゴルフでとてもよく起きています。

速く振っているのに飛ばない。
強く振っているのに球が弱い。
振った分だけ曲がる。
スピンが増える。
当たりが薄くなる。
打点が散る。

このような現象は、単なるミスではありません。

ヘッドスピードを上げるための動きが、有効重量を減らしている可能性があります。


さらに悪いことに、有効重量が減るだけではありません。

身体とクラブの接続が切れると、力の向きも分散しやすくなります。

これを私は、ベクトル分散と考えています。

本来、ボールへ向かって前に届いてほしい力が、いろいろな方向へ逃げてしまう。

上に逃げる。
横に逃げる。
フェースを開閉させる力になる。
ロフトを寝かせる力になる。
スピンを増やす方向へ変わる。
身体に負担として返ってくる。

クラブは速く動いているのに、そのエネルギーがボールを前へ飛ばす方向へ集中していない。

これでは、飛距離にはつながりにくいのです。


たとえば、フェースを強く返して飛ばそうとする動きがあります。

これは、見た目にはヘッドが走っているように感じます。

しかし、腕の回内・回外でフェースを急激に返そうとすると、クラブは身体から切り離されやすくなります。

フェースの向きは不安定になります。
ロフトも変わります。
打点もずれます。
スピン軸も傾きます。

つまり、ヘッドスピードを上げるどころか、ボールに届くエネルギーの方向が散ってしまうのです。

フェースを返すことと、ボールにエネルギーを通すことは同じではありません。

ここを間違えると、飛ばす努力が、そのまま曲げる努力になってしまいます。


また、インパクトで押し込もうとする動きもあります。

有効重量の話をすると、

では、インパクトで押せばいいんですね

と思う方がいるかもしれません。

しかし、これは違います。

インパクトで急に押そうとすると、多くの場合、手で押します。
あるいは、身体が前に突っ込みます。

すると、身体とクラブの接続が保たれるどころか、逆に壊れます。

有効重量は、インパクトで急に足すものではありません。

インパクトまで逃がさずに運ばれてきたものです。

ですから、本当に大切なのは、

インパクトで重くすること

ではなく、

重い状態のまま、インパクトに入ること

です。

ここは、スインガーを考えるうえで非常に大切です。


手でヘッドを走らせる。
フェースを返す。
インパクトで押し込む。
身体をぶつける。

これらは、一見すると飛ばすための動きに見えます。

しかし、スインガー目線で見ると、どれも身体とクラブの接続を切りやすい動きです。

接続が切れれば、有効重量は小さくなる。
有効重量が小さくなれば、速く振っても軽く当たる。
さらに力の向きが散れば、ボールスピードには変わりにくい。

つまり、

ヘッドスピードを上げようとした動きが、ボールスピードを下げる方向に働くことがある

ということです。

これはかなり重要です。


ここで、前回の数字をもう一度思い出してください。

同じ10m/sで動いたとしても、

腕だけで動いている状態を1〜2kgと仮定すれば、エネルギーは 50〜100J
身体とクラブが一体化している状態を5〜12kgと仮定すれば、エネルギーは 250〜600J

もちろん、これはあくまでも推測値による説明です。

しかし、この差を考えると、少しヘッドスピードを上げるために有効重量を失うことが、どれほどもったいないかが分かります。

仮に、腕でクラブを速く動かして、速度が少し上がったとします。

しかし、その代わりに有効重量が大きく下がったらどうなるでしょうか。

見た目のスピードは上がった。
でも、衝突は軽くなった。

これが、

振っているのに飛ばない

という現象の正体かもしれません。


では、スインガーはヘッドスピードを上げないのでしょうか。

そうではありません。

スインガーも、結果としてクラブは速く動きます。
しかし、その速さの作り方が違います。

手でクラブを急がせるのではありません。
身体とクラブが一体化した機械装置として動くことで、クラブが走らされるのです。

クラブを走らせる。
これがヒッター目線の言葉だとすれば、

クラブが走らされる。
これがスインガー目線の言葉です。

スインガーでは、クラブを速く動かすことが先にあるのではありません。

まず、身体とクラブの接続があります。
有効重量があります。
力の方向があります。
その結果として、クラブが走ります。

順番が逆なのです。


多くのゴルファーは、ヘッドスピードを上げようとして、手や腕を先に動かします。

しかしスインガーでは、先に接続を保ちます。

身体とクラブがつながっている。
重さが逃げていない。
力の向きが散っていない。

その状態でスピードが上がるから、ボールスピードにつながります。

同じヘッドスピードでも、結果が違うのはここです。

単に速いクラブと、重さを伴って速いクラブは違います。


今回の結論は、こうです。

ヘッドスピードを上げることが悪いのではありません。
問題は、ヘッドスピードを上げるために、有効重量を失ってしまうことです。

速く振ることは大切です。
しかし、軽く当たってしまえば意味がありません。

飛距離に必要なのは、速さだけではありません。

速さ。
重さ。
方向。

この三つがそろって、初めてボールスピードになります。

スインガーは、速く振らない人ではありません。
速さに重さを乗せ、力を散らさずにボールへ届ける人です。


次回は、この話をさらに進めて、

ベクトル分散

について考えます。

クラブは速く動いている。
しかし、力が上に逃げる。
横に逃げる。
スピンに変わる。
ロフトが寝る。
フェースが暴れる。

このような状態では、ボールに届くエネルギーは増えません。

次回は、

力は大きければよいのではなく、どの方向へ通るかが重要である

という話へ進みたいと思います。

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