第2話 仕込みは救えても、仕上げは救いにくい

前回、ゴルフは大きく分けると
仕込み と 仕上げ で考えると整理しやすい、という話を書きました。

  • 仕込み
    ティショットから、グリーン近くまで運ぶまでのショット
  • 仕上げ
    ショートアプローチとパット

仕込みは、そのホールを楽にするための下準備。
仕上げは、その下準備を実際の数字に変える工程です。

この見方をすると、ゴルフというゲームの少し厳しいところも見えてきます。

それは、

仕込みのミスは、仕上げである程度カバーできることがある。
しかし、仕上げのミスは、そのホールの中ではカバーしにくい。

ということです。


少し曲がっても、パーは残ることがある

たとえばパー4で考えてみます。

  • ティショットは少し右ラフ
  • セカンドでグリーンを外す
  • アプローチを1.5メートルに寄せる
  • パットを決める

これでパーです。

ティショットは完璧ではありません。
セカンドもグリーンに乗っていません。
それでも最後をきちんと片づければ、そのホールは救えます。

これが、仕込みのミスはまだ救済の余地がある、ということです。

もちろん、どんなミスでもいいわけではありません。
OBや池まで行ってしまえば話は別です。
ただ、少し曲がった、少し外した、その程度であれば、
そのあとのショートアプローチとパットで十分に助かることがあります。


逆に、仕込みが良くても数字が整わないことは多い

一方で、こんな形は珍しくありません。

  • ティショットはフェアウェイ
  • セカンドは悪くない
  • アプローチが4〜5メートル残る
  • 2パット

これでボギーです。

あるいは、

  • ティショットは理想的
  • 次もまずまず
  • しかしアプローチを少し噛む
  • さらに2パット

これでダブルボギーになることもあります。

ここが、ゴルフの少し残酷なところです。

見た目には、途中まで悪くない。
むしろ「今日はショットが悪くなかった」と感じる。
それでも終わってみると数字はまとまらない。

なぜか。
答えは単純で、最後を何打で片づけたか が数字になるからです。


仕込みには「このあと」がある

なぜ、こういう違いが出るのでしょうか。

それは、仕込みにはまだ後ろの工程が残っているからです。

ティショットが少し右に行ったとしても、

  • 次で近くまで運ぶ
  • アプローチで寄せる
  • パットを入れる

という流れが残っています。

つまり、少しの不利であれば、後工程で吸収できる余地があります。

言い換えると、仕込みの段階では、まだホールの数字は未確定です。
少し悪い流れでも、そのあとで修正できます。

だからこそ、
仕込みは仕上げである程度カバーできる
わけです。


仕上げには「そのあと」がほとんどない

では、仕上げはどうか。

ショートアプローチが寄らない。
パットが入らない。
3パットする。

このあとに残っているのは、基本的には
もう1回打つ
ということだけです。

別の工程で取り返す余地がほとんどありません。

だから、仕上げのミスはそのまま1打になりやすいのです。

  • 本来2打で終わるはずのところが3打になる
  • 本来3打で済むところが4打になる

この差は、そのまま帳簿に残ります。

第1話でも触れた通り、ゴルフはナイスショットの数を競うゲームではありません。
何打で終えたかを競うゲームです。

そう考えると、最後の工程である仕上げが重くなるのは、むしろ当然とも言えます。


パー3でも同じことが起きている

この話は、パー3で考えるとさらに分かりやすいかもしれません。

多くの方は、パー3のパーを

  • グリーンオン
  • 2パット

という形で考えます。

もちろん、それは教科書通りです。
ただ、実際にはパー3のパーも、それだけではありません。

  • ティショットはグリーンを外す
  • しかしやさしい場所に外している
  • 寄せる
  • 入れる

これでもパーです。

つまり、パー3ですら
仕込みが少しずれても、仕上げが良ければ十分助かる
わけです。

逆に、

  • ティショットは悪くない
  • しかし寄らない
  • 入らない

となれば、ボギーはすぐにやってきます。

だから、パー3だからこそナイスショットが必要、というより、
パー3でも最後の2打が重い
と考えたほうが、スコアメイクとしては実際に近いと思います。


ナイスショットの記憶は残るが、数字を動かすのは最後

ラウンド後に振り返ると、多くの方は印象に残ったショットを思い出します。

よく飛んだドライバー。
きれいに当たったアイアン。
ピンに向かった会心の一打。

もちろん、それらは大事です。
ただ、印象に残るショットと、数字を動かすショットは、必ずしも一致しません。

数字を動かしているのは、

  • 少し外したあとにきちんと寄せたアプローチ
  • 1.5メートルを沈めたパット
  • 3打かかりそうなところを2打で終えた処理

こういうショットであることが少なくありません。

派手ではない。
でも、帳簿にはこちらのほうが強く残る。

ここを理解すると、ゴルフの見え方がかなり変わってきます。


だから仕上げは「救いにくい」

ここまでをまとめると、こうなります。

仕込みが少し悪くても、そのあとはまだ残っています。
だから、寄せて入れれば助かることがある。

しかし仕上げでミスすると、そのホールの中ではほとんど取り返せません。
寄らない、入らないは、そのまま1打として残りやすいからです。

もちろん、何度も言うように、仕込みの大事故は別です。
OBや池まで行ってしまえば、仕上げだけで救うのは難しい。

ですから正確には、

仕込みは仕上げでカバーできることが多い。
ただし大事故になると難しい。
一方で、仕上げのミスは原則としてそのホール内でカバーしにくい。

このくらいが、いちばん実戦に近い整理だと思います。

仕込みにも救えないものがあります

これは忘れないでください。


まとめ

ゴルフの流れを
仕込み と 仕上げ
に分けて考えると、スコアメイクの正体が見えてきます。

仕込みは、ホールを楽にするための下準備です。
少しのミスであれば、そのあとのアプローチやパットで助かることがあります。

しかし仕上げは、そのホールの数字を決める最後の工程です。
ここでのミスは、そのまま1打になりやすい。
だから、仕上げは救いにくいのです。

途中の見栄えよりも、最後を何打で終えたか。
ここに数字の重さがあります。

だからこそ、スコアメイクを考えるなら、
ショットの出来栄えだけではなく、
最後を何打で片づけているか
を見なければいけないのだと思います。

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