クワイエット・アイを、PINGはどう道具に落とし込んだのか
これまで見てきたように、クワイエット・アイ(QE)とは、
動作の直前に、重要な対象へ視線を静かに安定させること
でした。PINGもSCOTTSDALE TECの説明で、QEを「最後に安定した視線」と説明し、視線の揺れが判断や動作のブレにつながるとしています。さらに、PINGはその原因を「打つ前の視線」に見出し、EYE-Qとして製品化したと述べています。
では、どのように道具へ落とし込んだのか。
店長は、大きく分けて3つあると思っています。
ひとつ目は、
視線を集める“点”と“線”を作ったことです。
日本の製品ページでは、SCOTTSDALE TECは
ヘッド形状、カラーリング、ドット、長いサイトラインで、視線の明確な集中ポイントを作ったヘッド構造
だと説明されています。さらに佐久間朱莉プロのコメントでも、
ドットや長い線のおかげで、ヘッドの動きが残像として残りやすく、軌道をイメージしながらストロークしやすい
とされています。

つまりPINGは、
ただ「真っすぐ合わせるための線」を引いたのではなく、
どこに視線を置き、どのように集中させるか
まで考えて、ヘッドの見え方を作っているわけです。
ふたつ目は、
ボールの見え方そのものを変えたことです。
ALLY BLUE ONSETでは、米国サイトで
onsetのシャフト位置によって、ボールのフェース全面が見え、フェースをスクエアにしやすくする

と説明されています。KETSCH ONSETでも、シャフト位置をフェース後方かつややヒール寄りに置くことで、同じくボール全体が見え、スクエアにしやすいとされています。日本側でも、オンセットはボール全体が見える設計で、高いアライメント効果をもたらすと書かれています。
ここが面白いところです。
QEはもともと、
「どこを見るか」
「視線をどう安定させるか」
という話でした。
PINGはそこからさらに一歩進めて、
視線を置いたときに、ボールとフェースがどう見えるか
まで設計しているわけです。
みっつ目は、
視線の安定を、そのままストロークの再現性につなげようとしていることです。
HAYDENの米国ページでは、

長いアライメントラインが目を前方へ導き、その先でトップレール上の小さなドットに集中させることで、パット前に視線を安定・センタリングする
と説明されています。日本側でも、EYE-Qはストローク直前の視線を安定させ、集中と再現性を高めると訴求されています。
つまりSCOTTSDALE TECは、
単なるアライメントパターではありません。
視線の置き方を整えることで、判断を静かにし、動作の再現性まで高めようとするパター
だと言えます。
PINGはクワイエット・アイを、「長く見ましょう」という指導論で終わらせず、視線が集まる点、視線が流れる線、ボールがどう見えるかまで含めて、ヘッド形状に変えてきた。
これがSCOTTSDALE TECの面白さだと思います。
店長は当初、QEはあくまでスキル、あるいは注意の置き方の話だと思っていました。
ですがPINGは、それを道具の側で起こしやすくするところまで持ってきました。そこが、このシリーズのいちばんユニークなところではないでしょうか。
次回は、
なぜ長いラインやドットが「見る場所」になるだけでなく、「打つ前の時間」まで支配できるのか、もう少し掘り下げてみたいと思います。
