タイガー・ウッズのアプローチを、いろいろな角度から見てみましょう。
まずは2012年のメモリアル・トーナメント。
完全にラフに埋まっているボールに対して、クラブヘッドをボールから少し離してアドレスするタイガー。
そこから大胆にクラブを振り抜き、高く上がったボールは柔らかくグリーンに落ち、そのままカップイン。
次は2001年、太平洋クラブ御殿場コースで開催されたワールドカップ最終日18番ホール。
パートナーのデビッド・デュバルが放ったセカンドショットはグリーン右のラフへ。
左足下がりの難しいライ。しかもグリーンは高く、ピンはエッジからわずかな距離に切られています。
その状況からタイガーが放ったアプローチは、見事なチップインイーグル。アメリカチームをプレーオフへと導きました。
相撲には「後の先(ごのせん)」という言葉があります。
相手より後に動き始めながら、結果として自分が先手を取るという考え方です。
難しい状況に逆らうのではなく、まずその状態を完全に受け入れる。
そして、その状況の中で最も有効な方法を選択し、実行する。
この二つのアプローチには、そんな「後の先」に通じるものを感じます。
自分の思いどおりにボールを打とうとするのではなく、ボールが置かれた状況を受け入れ、その状況を生かして結果を出す。
タイガー・ウッズが多くのゴルファーの心をつかんだ理由は、単に技術が優れていたからだけではないのかもしれません。
