パターはフェースを感じる道具である Episode 77: Putter Torque featuring Dr. Erik Henrikson 第3話

ゼロトルクだけが正解ではない

PING SCOTTSDALE TEC ALLY BLUE ONSET は、日米で驚異的なパッティング成績を生んでいます。

その理由を読み解く鍵として、PINGのマーティ・ジャートソンが紹介しているのが、Episode 77: Putter Torque featuring Dr. Erik Henrikson です。

このシリーズでは、このエピソードをもとに、パターの重心、トルク、視覚、触覚、フェース向きの再現性を整理していきます。

第1話では、パターは「目」だけで打っているわけではない、という話をしました。

第2話では、パットのスタート方向は、ほぼフェース角で決まる、という話をしました。

では、そのフェース角をどうやって感じ、どうやって再現するのか。

ここで出てくるのが、今回のテーマです。

トルクです。

最近、パターの世界では「ゼロトルク」や「低トルク」という言葉をよく聞くようになりました。

もちろん、それはひとつの考え方です。
フェースが勝手に開閉しにくい。
ヘッドの余計な動きが少ない。
手で操作しなくても、フェースが安定しやすい。

そういうパターが合う人もいます。

しかし、PING Proving Grounds Podcast Episode 77を聞くと、PINGの考え方はもう少し深いところにあることが分かります。

PINGは、トルクを単純に「消すべき悪いもの」とは見ていません。

むしろ、トルクはゴルファーにフェースの向きを知らせる感覚の信号になることがある、と考えています。


まず、パターを構えた瞬間を考えてみます。

パターは、ライ角を持って構えられます。
シャフトは地面に対して斜めになります。
ヘッドは地面から少し浮かせて構えることもあります。

このとき、手の中ではすでに力が働いています。

パターを落とさないように支える力。
ヘッドを一定の高さに保つ力。
ライ角を維持するための力。
フェースが開こうとする動きを止める力。

これらはすべて、手の中で感じられる情報です。

たとえば、マレット型のように重心が深いパターでは、構えたときにヘッドが少し開こうとする感覚が出ることがあります。

プレーヤーは無意識に、それを手で支えています。

このとき、手の中には、

ヘッドがどちらへ動こうとしているか。
フェースが開こうとしているか。
重心がどちらにあるか。
どれくらいの力で支えなければならないか。

という情報が入ってきます。

これが、PINGのいう「シグナル」です。


多くの人は、パターのトルクと聞くと、フェースを乱すものだと考えます。

トルクがあるからフェースが開く。
トルクがあるからフェースが閉じる。
だから、トルクは少ない方が良い。

そう考えたくなります。

しかし、ここで少し考え方を変える必要があります。

トルクがあるからこそ、フェースの向きが分かる場合もあるのです。

完全に何も感じないパターは、たしかに余計な動きが少ないように感じるかもしれません。
しかし、手の中に何の情報も入ってこないと、フェースがどこを向いているのか分かりにくくなる人もいます。

これは非常に重要です。

パターは、人間が使う道具です。
人間は、見た目だけでなく、手の中の感覚を使って道具を操作しています。

包丁でも、ペンでも、ピアノの鍵盤でも、ゴルフクラブでも同じです。

ある程度の重さや抵抗があるから、どこへ動いているのか分かる。
どちらへ向いているのか分かる。
どのくらいの力で動かせばよいのか分かる。

パターも同じです。

トルクは、邪魔なものではなく、フェースの向きを知るための情報になることがあります。


PINGのパター設計が面白いのは、ここです。

PINGは、ただヘッドを大きくするだけではありません。
ただ慣性モーメントを高めるだけでもありません。
ただフェースが開閉しにくいものを作るだけでもありません。

重心がどこにあるか。
シャフト軸がどこを通るか。
ホーゼルがどの位置にあるか。
オフセットがあるか、オンセットがあるか。
トゥハングがどれくらいあるか。
構えたときに、どんな感覚が手に入るか。

こうした要素を使って、プレーヤーに必要な情報を与えようとしています。

つまり、パターは静止した物体ではありません。

構えた瞬間から、ヘッドはプレーヤーに情報を出しています。

そしてストローク中には、その情報がさらに大きな意味を持ちます。


ストロークが始まると、プレーヤーはフェースを少し開いたり、閉じたりしながら動かします。

完全にフェースを開閉しない人もいます。
軽いアークの人もいます。
大きくローテーションする人もいます。

そのとき、重心とシャフト軸の関係によって、手に入ってくる情報は変わります。

ヒールシャフトのパターでは、重心がシャフト軸から大きく外れます。
そのため、フェースを開閉するときに、手の中に大きな抵抗や方向感が出ます。

この抵抗を嫌う人もいます。

しかし、フェースを大きく開閉するプレーヤーにとっては、その抵抗がかえって助けになります。

なぜなら、抵抗があるから、フェースの位置を感じられるからです。

逆に、フェースをほとんど開閉しないプレーヤーにとっては、大きすぎる抵抗は邪魔になるかもしれません。

だから、トルクには絶対の正解がありません。

ある人には、少ないトルクが合う。
ある人には、適度なトルクが必要になる。
ある人には、より大きなフェースの感覚が必要になる。

大切なのは、トルクを消すことではありません。

その人にとって、フェースを感じやすいトルクになっているか。

ここです。


ここで、もう一度「ゼロトルク」という言葉を考えてみます。

ゼロトルクという響きは、とても魅力的です。

余計な力がない。
フェースが勝手に開かない。
自動的にスクエアに動く。
まっすぐ転がりそう。

そういうイメージがあります。

しかし、PINGの話を聞くと、ひとつ注意しなければならないことがあります。

フェースの向きを感じるための情報まで消してしまっていないか。

ということです。

もちろん、ゼロトルク系が合う人はいます。
フェースの開閉を少なくしたい人。
余計な操作を入れたくない人。
ストレートに近いストロークで、手の感覚に頼りすぎたくない人。

そういう人には、大きなメリットがあります。

しかし、すべての人にとって正解とは限りません。

プレーヤーによっては、手の中にもう少し情報があった方が、フェースを再現しやすい場合があります。

つまり、ゼロトルクはひとつの答えですが、唯一の答えではありません。


この考え方は、SCOTTSDALE TEC ALLY BLUE ONSETを理解するうえでも重要です。

ALLY BLUE ONSETは、大型マレットです。
見た目には安心感があります。
白いヘッドとアライメントによって、視覚的にも合わせやすい。

しかし、このパターの面白さは、それだけではありません。

オンセット構造によって、フェース全体やトップレールが見えやすくなっています。
ホーゼルが視覚的に邪魔になりにくい。
そして、シャフト軸と重心の関係によって、マレットでありながらブレードに近い感覚を残しています。

つまり、ただ「動かないパター」ではありません。

大型マレットのやさしさを持ちながら、プレーヤーがフェースを感じるための情報も残している。

ここに、このパターの大きな意味があります。

フェースを感じる。
フェースを合わせる。
フェースを再現する。

そのために、見た目と重心とトルクを組み合わせているのです。


パター選びで大切なのは、流行語に飛びつくことではありません。

ゼロトルクだから良い。
高MOIだから良い。
マレットだから良い。
ブレードだから感覚が良い。
白いから見やすい。

どれも、一部は正しいです。

しかし、それだけで決めると危険です。

本当に見るべきなのは、

自分がフェースを感じられるか。
インパクトでフェースが狙った方向に戻るか。
右に押し出すミスが減るか。
左に引っかけるミスが減るか。
手の中に必要な情報があるか。
逆に、情報が多すぎて操作しすぎていないか。

です。

パターは、プレーヤーとクラブの共同作業です。

どんなに優れた設計でも、その人の感覚と合わなければ結果にはつながりません。

逆に、その人の感覚と合ったパターは、ストロークを助けてくれます。


今回の結論です。

ゼロトルクだけが正解ではありません。

トルクは、フェースを乱すだけのものではありません。
手の中にフェースの向きを伝える、感覚の信号になることがあります。

ヘッドの重さ。
重心の方向。
フェースが開こうとする気配。
トゥ側が落ちる感じ。
ストローク中に手へ伝わる抵抗。

それらは、すべてフェース管理を助ける情報になり得ます。

大切なのは、トルクをゼロにすることではなく、
自分にとって必要なトルクを見つけること
です。

パターは、ただ動きを消す道具ではありません。

フェースを感じるための道具です。

次回は、この考え方をさらに深く掘り下げます。

なぜ、抵抗がある方が精密に動かせることがあるのか。

第4話では、PINGが語る
抵抗があるから、精密に動かせる
というテーマを整理していきます。

PING製品、カートの購入は↓こちらをクリック!

BluePrintTBluePrintSi240i540G440G730Gle3

BluePrintTBluePrintS、、i240i540G440G730Gle3

すべてのクラブがカスタムオーダーできます。フィッティング・お問い合わせは ここ、お気軽にどうぞ。 PING製品の納期はこちらを↓を参考にしてください。

納期情報

生分解性100%、海洋においても生分解するリバイブティーは 、楽天市場もしくはYahoo!ショッピングページよりお求めください。

簡単にグリップのクリーニングが出来るグリップキャディは 、楽天市場もしくはYahoo!ショッピングページよりお求めください。

カテゴリーPING

コメントを残す