第1話 ゴルフは「ナイスショットの数」でできているわけではない

十分に100を切ることが出来ると思う生徒さんが、
「パー3でパーをとらないとスコアが出せない」
と話しているのを聞いて、私はハッとしました。

ああ、多くのゴルファーは、やはりスコアをこう見ているのだな、と思ったのです。

パー3なら、パーを取らなければいけない。
パー4なら、どこかでパーを拾わなければいけない。
パー5なら、できればパー、うまくいけばバーディー。

つまり、既定打数というものを、
ナイスショットを並べて達成する数字
だと捉えているわけです。

たしかに、その感覚はよく分かります。

パー3であれば、ティショットをグリーンに乗せて、2パット。
これがもっとも教科書的なパーの形です。
ですから、「パー3でパーを取れないと苦しい」と感じるのは自然です。

しかし、その言葉を聞いたときに、私は少し違うことを考えました。

本当にスコアとは、
ナイスショットを必要な回数だけ並べることで作るものなのか。

むしろ逆ではないか。
スコアというものは、ナイスショットの数ではなく、
必要打数の中で、どこまで破綻させずに進められるか
で決まっているのではないか。

そう考えると、ゴルフの見え方はかなり変わってきます。


パーは「成功の積み重ね」だと思いやすい

多くのゴルファーは、パーを取る場面を思い浮かべるとき、どうしても“良い流れ”を想像します。

ティショットがうまくいった。
セカンドも悪くない。
アプローチが寄った。
パットが入った。

あるいは、どこかで会心の一打が出て、それがパーにつながった。

つまり、パーとは
良いショットの積み重ねで生まれるもの
という見方です。

だから、パー3でパーを取れないと聞くと、
「それではスコアにならない」
という考え方にもつながりやすいのだと思います。

ですが、実際のラウンドを冷静に振り返ると、パーは必ずしもそうやって生まれているわけではありません。


実際のパーは、もっと地味です

現実のパーは、案外地味です。

たとえばパー4で、

  • ティショットは少しラフ
  • セカンドでグリーンを外す
  • それでもアプローチを寄せる
  • パットを決める

これでもパーです。

あるいはパー3でも、

  • ティショットは乗らない
  • しかしグリーン周りのやさしいところに外す
  • アプローチを寄せる
  • パットを入れる

これでもパーです。

つまり、パーとは必ずしも
「最初から最後までナイスショット」
でしか取れないものではありません。

むしろ多くのパーは、
大きな失敗をせず、最後をきちんと片づけた結果
として生まれています。

ここを見落とすと、ゴルフはとても苦しいゲームになります。

なぜなら毎ホール、毎回、どこかで「ナイスショット」を要求することになるからです。


ゴルフは、ショットの出来栄えを競うゲームではない

ゴルフは、見た目のきれいさを競うゲームではありません。
何打で上がったかを競うゲームです。

ここは当たり前のようでいて、とても大きな違いです。

たとえば、

  • 少し曲がったが、次が打てる
  • グリーンは外したが、難しい場所ではない
  • 最後を2打で終えた

これなら十分にスコアは作れます。

逆に、

  • ティショットは完璧
  • セカンドも悪くない
  • しかしアプローチが寄らない
  • パットも入らない

となれば、見た目ほど数字は良くなりません。

つまり、ゴルフでは
途中の見栄えの良さ よりも、
最後に何打で片づけたか のほうが、ずっと重いのです。


そこで、私はショットを2つに分けて考えています

こう考えるようになってから、私はゴルフのショットを大きく2つに分けて見るようになりました。

ひとつは、仕込み
もうひとつは、仕上げです。

仕込みとは、ティショットからグリーン近くまで運ぶまでのショット。
そのホールを楽にするか、苦しくするかを決める下準備です。

仕上げとは、ショートアプローチとパット。
その下準備を、実際の数字に変える工程です。

この分け方で見ると、パー3の見え方も変わります。

パー3でパーを取ること自体はもちろん大事です。
ですが、それを
「グリーンに乗せて2パットしなければならない」
と考えると苦しくなります。

そうではなく、

  • ティショットで大きく破綻しない
  • 次を難しくしない
  • 最後をきちんと片づける

と考えれば、パーの作り方はひとつではないことが分かります。


スコアメイクとは、ナイスショットを並べることではない

ここで、話を最初に戻します。

「パー3でパーをとらないとスコアが出せない」

この言葉には、ある意味で真実もあります。
たしかに、スコアを作るにはパーが必要です。
そしてパー3は、うまくいけばパーを取りやすいホールでもあります。

ただ、その言葉の裏に
パーはナイスショットで取るもの
という前提が入ってしまうと、話は少し苦しくなります。

スコアメイクとは、毎ホール会心の一打を求めることではありません。
そうではなく、

  • どこまでのミスなら許容できるか
  • どう仕込めば最後が楽になるか
  • そして最後を何打で片づけるか

を考えることです。

つまりスコアメイクとは、
成功の数を数えることではなく、失敗を管理すること
でもあるのです。


まとめ

生徒さんの
「パー3でパーをとらないとスコアが出せない」
という言葉を聞いて、私は多くのゴルファーが、スコアをまだ
ナイスショットの積み重ね
として捉えているのだと気づかされました。

しかし実際には、パーは必ずしもナイスショットの連続でしか取れないものではありません。
大きな失敗を避け、最後をきちんと片づければ、十分に作ることができます。

ゴルフは、見事なショットの数で決まるゲームではなく、何打で終えたかで決まるゲームです。

だから私は、ショットを
仕込み仕上げ
に分けて考えるのがよいと思っています。

仕込みでホールを壊さず、仕上げで数字を決める。
まずはこの見方に立つことが、スコアメイクを整理する第一歩だと思います。

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