ハンター・メイハンを知っていますか?

多くのプロゴルファーが、そのスイングに憧れた選手。

ハンター・メイハンを知っていますか?

クラブは常にプレーン上を動き、身体と腕の動きがきれいに同調する。

いわゆる「ワンプレーンスイング」が理想のスイングとしてもてはやされた時代、ハンター・メイハンのスイングは、その完成形の一つのように見られていました。

無駄な動きが少なく、再現性が高く、どこを切り取っても教科書のように見える。

当時、彼のスイングを参考にしたプロやインストラクターも少なくなかったと思います。

そのハンター・メイハンが、PINGの「Proven Grounds Podcast」に出演していました。

この動画を見ていて、店長が面白いと思ったのは、かつて「理想的なスイング」の代表のように見られていたメイハンが、現在はスイングの形そのものとは少し違うところを見ていることです。

現在、彼は高校生のゴルフチームを指導しています。

その中で若い選手たちに伝えていることの一つが、

「自分が本当に得意なものを見つけなさい。それを理解し、磨き上げ、誰にも触らせるな」

という考え方です。

そして、その具体例として彼が挙げたのが、現在世界のトップにいるスコッティ・シェフラーでした。

シェフラーといえば、インパクト付近で右足が大きく動く独特のスイングです。

一般的なレッスンであれば、

「足元をもっと安定させましょう」

「下半身を暴れさせないようにしましょう」

と言われても不思議ではありません。

ところがメイハンは、シェフラーとコーチのランディ・スミスについて、

あの足の動きを直そうとしているのを見たことがない

と話します。

そして、

「あれは彼のパワーの一部であり、彼自身の一部なんだ」

と語っています。

ここが非常に面白いところです。

かつて、多くのゴルファーから「こんなスイングをしたい」と思われたハンター・メイハンが、

今は、

「見た目が少し違っていても、機能しているものを簡単に変えてはいけない」

と若い選手たちに伝えているのです。

コヤマカズヒロ氏の朱莉プロのクラブ解説よりまとめ 連続性の呪縛

コヤマカズヒロ氏は多くの示唆を与えてくれた内容です。朱莉プロだけではなく細野プロの事に引き合いに出していただいたのがよかったと思います。

さて、結論をまとめたいと思います。

連続性の呪縛

例えば、ドライバーのキャリーが230ヤードだったとします。

そこから10ヤード刻みでクラブをバッグに入れようとすると、

230ヤード
220ヤード
210ヤード
200ヤード
190ヤード
180ヤード……

というように、きれいな階段を作りたくなります。 “コヤマカズヒロ氏の朱莉プロのクラブ解説よりまとめ 連続性の呪縛” の続きを読む

コヤマカズヒロ氏の朱莉プロのクラブ解説より WEDGE編

ゴルフトレンドウォッチャーでゴルフライターのコヤマカズヒロ氏が朱莉プロのクラブ変更について動画にしていましたので、覗いてみることにしました。 https://youtube.com/watch?v=NcyBCvLmpZ4&si=hNVOtq3KMO_C2kqG

朱莉プロのクラブ変更の理由や何故そうしたのかを小山氏の視点で解説されています。 店長は極秘ルートで(嘘です。営業さんに聞けば教えていただけます。)ツアーレップからのデータを手に入れて検証してみたいと思います。以下が朱里プロのクラブスペックです。 “コヤマカズヒロ氏の朱莉プロのクラブ解説より WEDGE編” の続きを読む

コヤマカズヒロ氏の朱莉プロのクラブ解説より IRON編

ゴルフトレンドウォッチャーでゴルフライターのコヤマカズヒロ氏が朱莉プロのクラブ変更について動画にしていましたので、覗いてみることにしました。 https://youtube.com/watch?v=NcyBCvLmpZ4&si=hNVOtq3KMO_C2kqG

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コヤマカズヒロ氏の朱莉プロのクラブ解説より FW・HB編

ゴルフトレンドウォッチャーでゴルフライターのコヤマカズヒロ氏が朱莉プロのクラブ変更について動画にしていましたので、覗いてみることにしました。

朱莉プロのクラブ変更の理由や何故そうしたのかを小山氏の視点で解説されています。 店長は極秘ルートで(嘘です。営業さんに聞けば教えていただけます。)ツアーレップからのデータを手に入れて検証してみたいと思います。以下が朱里プロのクラブスペックです。 “コヤマカズヒロ氏の朱莉プロのクラブ解説より FW・HB編” の続きを読む

コヤマカズヒロ氏の朱莉プロのクラブ解説より。

ゴルフトレンドウォッチャーでゴルフライターのコヤマカズヒロ氏が朱莉プロのクラブ変更について動画にしていましたので、覗いてみることにしました。

朱莉プロのクラブ変更の理由や何故そうしたのかを小山氏の視点で解説されています。

店長は極秘ルートで(嘘です。営業さんに聞けば教えていただけます。)ツアーレップからのデータを手に入れて検証してみたいと思います。以下が朱里プロのクラブスペックです。

◆Shuri Sakuma – Club Spec “コヤマカズヒロ氏の朱莉プロのクラブ解説より。” の続きを読む

右足スライドの系譜

シェフラーの右足は、突然現れた特殊な動きではありません。

ベン・ホーガン、ジャック・ニクラウス、グレッグ・ノーマン、デビッド・デュバル、そしてスコッティ・シェフラー。

各選手のスイングを時代順に並べると、右足の荷重を抜き、左足側で身体の円運動を支えるという共通点が見えてきます。

もちろん、5人の右足がまったく同じように動いているわけではありません。

ホーガンの右足は大きく滑りませんし、シェフラーのように派手に浮くこともありません。

ここでいう「系譜」とは、右足の形が受け継がれたという意味ではありません。

インパクトへ向かう過程で右足を主な支点から外し、左足側で身体の回転を受けるという、運動構造の系譜です。

原型となったベン・ホーガン

ベン・ホーガンのインパクトを見ると、右足は地面に残っています。

しかし、右足に強く荷重を残し、それをベースとしてボールを押し込んでいるようには見えません。

右踵は浮き始め、右膝は左脚へ向かい、身体の荷重は左足側へ移っています。

右足は地面に接していても、身体の回転を生み出す主な支点ではなくなっているのです。

身体を支えているのは左足であり、回転の中心は左股関節側にあります。

右足がどこまで動いたかではなく、右足が支点としてどれだけ残っているかを見る必要があります。

この意味で、ホーガンのスイングには、後に続く右足スライドの原型があると考えられます。

動きが見えるようになったニクラウス

ジャック・ニクラウスになると、右足の荷重が抜ける様子が、より分かりやすくなります。

インパクトへ向かって右踵が大きく浮き、右足はつま先側へ移ります。

一方、左足はその場に残り、身体の大きな回転を受け止めています。

ニクラウスは大きなバックスイングをしていましたが、その大きな運動を左右両足で複雑に処理していたのではありません。

ダウンスイングでは左足側に支点をつくり、そこを中心として身体とクラブを回転させていました。

右足が浮くのは、右足で身体を押し続けているからではありません。

右足の荷重が抜け、左足を中心とした回転に身体全体が運ばれた結果です。

スライドになったグレッグ・ノーマン

グレッグ・ノーマンになると、右足の自由度はさらに大きくなります。

インパクト付近で右踵が浮くだけでなく、右足そのものが位置を変えます。

右足を地面に固定し、そこから身体を押し出すスイングであれば、このような動きはできません。

右足が動けるのは、その時点ですでに右足の荷重が抜けているからです。

ノーマンは、右足をベースとして身体を回すのではなく、左足側で身体の大きな円運動を受けています。

シェフラーのフットワークがグレッグ・ノーマンと比較されることがあるのは、見た目が似ているからだけではありません。

右足を固定された土台として使わず、自由に動ける状態にしているという構造が共通しているからです。

デュバルが示した左足一支点

デビッド・デュバルのスイングでも、インパクトに向かって身体は大きく左足側へ移ります。

右足の荷重は抜け、右足は身体の回転に対する主な支点ではなくなります。

その一方で、左股関節の位置は保たれ、傾いた上体、腕、クラブが一つの大きな円運動として運ばれます。

全盛期のデュバルが、顔を目標方向へ向けながらも正確にボールを捉えられたのは、目でボールを見続けていたからではありません。

左足一支点によって円の中心が定まり、クラブヘッドが通る接線が安定していたからだと考えられます。

ボールを目で追わなくても、クラブがどこを通るかが構造によって決まっていたのです。

完成形となったシェフラー

そして、スコッティ・シェフラーです。

シェフラーは、これまでの選手が行っていた右足の荷重抜きを、誰の目にも分かる形で表現しています。

ダウンスイングで右足の荷重を抜き、左股関節だけを支点とする。

その結果、右足は地面から浮き、身体の回転方向とは反対側へ大きく動きます。

見た目には、足を激しく使ってクラブを加速しているように見えます。

しかし、順序は逆です。

右足を動かすから左足一支点になるのではありません。

左足一支点の円運動をつくった結果として、荷重を失った右足が自由に動いているのです。

さらにシェフラーは、インパクト直前にヒッターの直線的な入力を加えます。

その反動を受け止める右足のベースがないため、右足のカウンターは過去の選手よりも大きく現れます。

ホーガンでは荷重の移動として見えていたものが、ニクラウスでは踵の浮きとして現れ、ノーマンとデュバルでは足の移動へ発展し、シェフラーでは完全なスライドとして見えるようになったのです。

共通しているのはボールストライキング

この5人に共通しているのは、特徴的な右足だけではありません。

いずれも、ゴルフ史を代表するボールストライカーです。

右足の荷重を抜けば、身体を支える支点を左足側の一つに絞ることができます。

支点が一つになれば円の中心が安定し、パワーパッケージが維持されれば円の半径も安定します。

中心と半径が安定すれば、インパクトにおける接線の向きも決まります。

5人のボールストライキングを生み出したのは、右足を滑らせる技術ではありません。

右足を主な支点から外すことで、クラブヘッドが通る円と接線を安定させる構造だったのです。

ホブランが見た完成形

ツアー選手権の後、ホブランはシェフラーについて、こう述べました。

“He knows where the ball’s going.”

「彼はボールがどこへ行くか分かっている」

ホブランは、単に現在の世界ナンバーワンと戦っていたのではありません。

ベン・ホーガン、ジャック・ニクラウス、グレッグ・ノーマン、デビッド・デュバルという、歴代のボールストライカーが築いてきた運動構造。

その先にある完成形と戦っていたのです。

同じコース、同じ厳しいコンディションの中で、シェフラーのボールだけが繰り返し目標へ向かって飛んでいく。

その姿を見たからこそ、ホブランの中に「自分も、ボールがどこへ行くか分かるスイングが欲しい」という考えが浮かんだのではないでしょうか。

シェフラーの右足は、単なる個性的なフットワークではありません。

歴代の優れたボールストライカーが受け継いできた左足一支点の運動が、最もはっきりと外見に現れたものなのです。

地面を蹴らないシェフラーは、なぜ飛ぶのか

前回は、ホーマー・ケリーの「パワーパッケージ」について説明しました。

アーチ型の石橋やトラス構造と同じように、パワーパッケージが新しいエネルギーを生み出すわけではありません。

身体の回転によって生まれた力を受け止め、途中で逃がさず、クラブヘッドまで伝えるための構造です。

しかし、ここで一つの疑問が生まれます。

シェフラーは、ダウンスイングで右足の荷重を抜いています。

一般的にいわれるように、右足で地面を蹴った反力が飛距離を生み出すのであれば、その右足を使わないシェフラーは飛ばないはずです。

ところが、実際にはPGAツアーの平均を上回る飛距離を持っています。

なぜ、右足で地面を蹴なくても飛ぶのでしょうか。

その答えは、クラブヘッドの速さだけではなく、インパクトに参加する「有効質量」にあります。

同じ速さでも、衝突の重さは違う

ボールへ伝わるエネルギーを単純化すると、次の式で表せます。

運動エネルギー=1/2×質量×速度の2乗

ゴルフでは、ヘッドスピードばかりが注目されます。

速度は2乗でエネルギーに影響するため、もちろん重要です。

しかし、式の中にはもう一つ、「質量」があります。

ここでいう質量は、クラブヘッドの重量だけではありません。

インパクトの瞬間に、クラブヘッドの後ろへどれだけの質量が力学的につながっているか。

それが「有効質量」です。

同じ重量のクラブヘッドを、同じヘッドスピードでボールに衝突させたとしても、クラブヘッドが身体から切り離されたように動いている場合と、身体、腕、クラブが一つの構造としてつながっている場合では、衝突の重さが違います。

有効質量が小さければ、クラブヘッドはボールに当たった瞬間に大きく減速します。

有効質量が大きければ、クラブヘッドはボールから受ける衝撃に負けにくく、運動を保ったままエネルギーを伝えられます。

つまり、同じヘッドスピードでも、「軽い衝突」と「重い衝突」があるのです。

パワーパッケージが有効質量を大きくする

パワーパッケージが崩れ、肘や手首が身体の回転とは無関係に動けば、身体とクラブヘッドの間にある力の通り道が途切れます。

クラブヘッドは速く動いていても、その後ろにある身体の質量を十分に利用できません。

インパクトに参加するのは、クラブヘッドと、その近くで動いている一部の質量だけになります。

反対に、肩から腕、手、クラブまでの構造が維持されていれば、クラブヘッドは身体の回転から切り離されません。

身体、腕、クラブが一つの構造としてボールへ向かうため、より大きな質量が衝突に参加できます。

もちろん、身体全体がクラブヘッドと同じ速度で動いているわけではありません。

有効質量とは、体重そのものではなく、インパクト方向にクラブヘッドを支える「等価的な質量」です。

アーチ型の石橋が、石の重さをただ増やすのではなく、構造によって大きな荷重を受け止めるのと同じです。

シェフラーは筋力でクラブヘッドだけを速く動かしているのではありません。

パワーパッケージを維持することで、クラブヘッドの後ろに、身体の質量がつながった状態をつくっているのです。

左足一支点が構造を支える

パワーパッケージだけをつくっても、それを支える土台が動けば、構造全体は安定しません。

アーチ型の石橋も、両端の土台が動けば崩れます。

トラス橋も、支点が定まっていなければ荷重を受け止めることができません。

シェフラーのパワーパッケージを支えているのが、左足です。

右足の荷重を抜き、左股関節を一つの支点とすることで、肩からクラブまでの構造を受け止めています。

左足一支点が円の中心を定める。

パワーパッケージが円の半径を維持する。

そして、その構造が身体の質量をクラブヘッドの後ろへつなげる。

この三つが一つになることで、クラブヘッドは速いだけでなく、インパクトで「重く」なるのです。

地面反力はエネルギーそのものではない

そもそも、地面反力そのものがエネルギーを生み出しているわけではありません。

地面は、自らゴルファーを動かしてくれるわけではないからです。

ゴルファーが筋力によって地面を押し、その力を地面が押し返しているだけです。

地面反力は、身体が生み出した力を受け止め、その向きを変える働きをします。

シェフラーは、その役割を右足に求めていません。

右足で地面を強く蹴って身体の回転をつくるのではなく、右足を支点から外し、左股関節を中心とした円運動をつくります。

前傾した上体を重力によって回転させ、その動きをパワーパッケージによってクラブへ伝えます。

右足から新たな力を加えなくても、重力によって得た速度と、構造によって保たれた有効質量があるのです。

右足をまねると飛距離が伸びる理由

シェフラーの右足の動きをまねすると、飛距離が伸びるという動画をよく見かけます。

しかし、右足を横へ滑らせること自体が、クラブヘッドにエネルギーを与えているわけではありません。

右足を動かすことで右足の荷重が抜け、結果として左足一支点になりやすい。

左足一支点になることで、身体の回転と腕、クラブが同調しやすくなり、パワーパッケージが維持される。

その結果、有効質量が大きくなるため、同じように振ってもボール初速が上がる可能性があるのです。

飛距離を伸ばしているのは、右足の動きそのものではありません。

右足を支点から外すことによって完成する、左足一支点とパワーパッケージの構造です。

シェフラーは、スインガーの円運動によってクラブヘッドの速度をつくり、パワーパッケージによって有効質量を保ちます。

そして、インパクト直前だけヒッターの直線的な力を加える。

速いクラブヘッドに、大きな有効質量を与え、最後に直線的な加速を加える。

これが、右足で地面を蹴らないシェフラーが飛ぶ理由です。

ただし、シェフラーの右足には、まだもう一つ役割が残されています。

一度荷重が抜けた右足が、再び地面に接地したとき、今度は地面から反力を受け、身体の回転をアシストします。

次回は、シェフラーの右足が再接地した後に起こる「二度目の地面反力」について考えます。

ビクトル・ホブランとスコッティ・シェフラースイング比較

今日は、PING契約プロのビクトル・ホブランと、世界ナンバーワンのスコッティ・シェフラーのスイングを比較します。

まずは、こちらの動画を見比べてください。

二人では、クラブに力を加える仕組みが違うことに気づくでしょうか。

手の使い方やスエーといった、細かな動きの違いではありません。実は、シェフラーはスインガーの代表格、ホブランはヒッターの代表格といっても過言ではないほど、力の生み出し方が異なります。

その違いが最も分かりやすく現れるのが、インパクト前後のデリバリーゾーンです。

ホブランも腰がまったく動いていないわけではありません。しかし、デリバリーゾーンでは腰の動きに対して手の動きが大きく、手でクラブを押し込んでいるように見えます。

一方のシェフラーは、腰の回転と腕の動きが同調しています。

ホブランは、右足を力を受け止めるベースとして使い、そこからボールを叩いています。つまり、ヒッターです。

対するシェフラーは、左足側を支点として体と腕を一体で回転させています。そのため、ホブランのように右足を「叩くためのベース」として残す必要がありません。インパクト付近ですでに右足が浮き始めていることも、その違いをよく表しています。

整理すると、

「支点を中心に回転する」のがスイング、つまり振り子運動。

「ベースから作用点までの距離を変えながら力を加える」のがヒット、つまり叩く動きです。

一見すると、シェフラーのスイングは激しく、力いっぱいボールを叩いているように見えます。

しかし実際には、左足側に支点をつくり、腰と腕を同調させて回転する、由緒正しいスインガーなのです。

Bの変化

前回の投稿で、BシリーズがPINGの歴史の中でもかなり正統な系譜を持つパターであることがお分かりいただけたと思います。

初期のステンレス製B60を見ると、

トップブレードがかなり薄いことが分かります。

そのためネックも、現在のパターのようにトップブレードの上から立ち上がっているというより、フェース背面に取り付けられているように見える形状になっています。

一方、店長のコレクションにあるB60 BeCu(ベリリウムカッパー)は、

初期のステンレスモデルと比較すると、トップブレードがかなり厚くなっています。

この違いから考えると、初期型ではトウ側・ヒール側に重量を多く配分するため、トップブレード部分に十分な重量を使えなかった可能性もあるのではないかと思います。

ただし、BeCuのB60にも初期ステンレスモデルと同じようにトップブレードの薄いものがあります。

したがって、単純な素材の違いというより、製造時期や金型による形状差と考える方がよさそうです。

打感についても違いがあります。

店長の感覚では、ステンレスモデルの方が硬く、そしてヘッドが軽く感じます。

もう一つ、初期B60を見て気になるのが、プル角、つまりシャフトとフェース面の関係です。

初期型は、現在のB60やB63と比較するとシャフトの傾きが強く見えます。

この形状を見ると、ボールをスタンス中央よりやや右側に置き、手元を少し先行させた状態で構えることを想定していたのではないか、とも考えられます。

もちろん、これがPINGの明確な設計意図だったと断定することはできません。

ただ、パターの構え方やストロークの考え方が現在とは少し違っていた可能性はありそうです。

その後、パターヘッドの重量は徐々に重くなっていきます。

それに伴って、トップブレードも厚くなり、ネックの取り付け位置も変化していきました。

そして現在のScottsdale B63を見ると、

トップブレードの厚さはANSER系に近くなり、ネックもフェース背面から付いているというより、トップブレード上部から自然に立ち上がる形状に変わっています。

さらに大きな変化が、ヘッドの奥行きです。

B60は世代を追うごとに少しずつ奥行きが増し、現在のB63ではかなりマレット的な印象が強くなっています。

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ここに、Bシリーズの進化の方向がよく表れているように思います。

初期のB60は、ANSERに近い操作感を重視したブレード系パターでした。

そこから、

トップブレードを厚くする
→ ヘッド重量を増やす
→ 奥行きを増やす
→ 周辺重量配分を強くする

という方向へ進み、少しずつ安定性を高めてきました。

そして現在のB63は、

「安定したブレード」から「操作できるマレット」へ

進化したモデル、と見ることができるのではないでしょうか。

岡本綾子プロ、Sirニック・ファルド。
名手たちの勝利を支えてきたBシリーズが、時代を越え、今度は朱莉プロのツアー優勝を支えました。
その瞬間は、B60からB63へと系譜をつないできたPINGの開発陣にとっても、特別なものだったのではないでしょうか。