第1話 ゴルフは「ナイスショットの数」でできているわけではない

十分に100を切ることが出来ると思う生徒さんが、
「パー3でパーをとらないとスコアが出せない」
と話しているのを聞いて、私はハッとしました。

ああ、多くのゴルファーは、やはりスコアをこう見ているのだな、と思ったのです。

パー3なら、パーを取らなければいけない。
パー4なら、どこかでパーを拾わなければいけない。
パー5なら、できればパー、うまくいけばバーディー。

つまり、既定打数というものを、
ナイスショットを並べて達成する数字
だと捉えているわけです。

たしかに、その感覚はよく分かります。

パー3であれば、ティショットをグリーンに乗せて、2パット。
これがもっとも教科書的なパーの形です。
ですから、「パー3でパーを取れないと苦しい」と感じるのは自然です。

しかし、その言葉を聞いたときに、私は少し違うことを考えました。

本当にスコアとは、
ナイスショットを必要な回数だけ並べることで作るものなのか。

むしろ逆ではないか。
スコアというものは、ナイスショットの数ではなく、
必要打数の中で、どこまで破綻させずに進められるか
で決まっているのではないか。

そう考えると、ゴルフの見え方はかなり変わってきます。 “第1話 ゴルフは「ナイスショットの数」でできているわけではない” の続きを読む

フィッティングをより深く考える④

数値は答えではなく、フィッティングへの問いです

PING Proving Grounds Episode 3「Fitting Matters」より

PING Proving Grounds Podcast Episode 3「Fitting Matters」を受けて、
ここまでフィッティングについて考えてきました。

第1話では、
フィッティングは上手くなってから受けるものではなく、
上手くなるために道具の前提条件を整える作業だと書きました。

第2話では、
ヘッドスピードだけでクラブを判断してはいけない、
という話をしました。

ヘッドスピードは入力側の数値です。
しかし、コースで結果として残るのは、
ボールスピード、打ち出し角、スピン量、落下角、左右のばらつきなど、
ボールがどう飛んだかです。

第3話では、
試打で一番飛んだ1球を信じすぎてはいけない、
という話をしました。

最高の1球は大切です。
そのクラブの可能性を示してくれます。

しかし、コースでスコアに残るのは、
最高の1球だけではありません。

平均値。
ミスした時の残り方。
左右の幅。
前後の距離差。
そして、その人が何度も出してしまう球。

ここを見るのがフィッティングです。

今回は、Episode 3 のまとめとして、
数値は答えではなく、フィッティングへの問いである
というテーマで考えてみたいと思います。


弾道計測器は、結果を示してくれる

現代の弾道計測器は非常に優秀です。

ヘッドスピード。
ボールスピード。
打ち出し角。
スピン量。
キャリー。
トータル距離。
最高到達点。
落下角。
左右のばらつき。

これらの数値を、かなり細かく見ることができます。

以前であれば、
「何となく高い」
「何となく吹けている」
「何となく右に出る」
という感覚で見ていたものが、
今は数字として確認できます。

これは、フィッティングにとって非常に大きな進歩です。

ただし、ここで勘違いしてはいけないことがあります。

弾道計測器は、
結果を示してくれます。

しかし、その結果を生んだ原因まで、
すべて自動で教えてくれるわけではありません。


数値が出ると、答えが出たように感じてしまう

試打室で数字が表示されると、
どうしてもその数字が答えのように見えます。

ボールスピードが速い。
だから良いクラブ。

スピン量が少ない。
だから良いクラブ。

キャリーが伸びた。
だから良いクラブ。

左右のブレが少ない。
だから良いクラブ。

もちろん、それぞれ大切な情報です。

しかし、その数値だけで判断してしまうと、
フィッティングはかなり危うくなります。

なぜなら、数値は単独で存在しているわけではないからです。

ボールスピードが出ている。
しかし、打ち出し角が低すぎる。

スピン量が減っている。
しかし、落下角が浅くなり、グリーンで止まりにくい。

キャリーが伸びている。
しかし、左右の幅も広がっている。

トータル距離は出ている。
しかし、コースでは止まる場所が読みにくい。

こういうことは、実際によくあります。

つまり、数値は単独で見るものではありません。
数値同士の関係を見なければなりません。


数値は、答えではなく問いである

私は、フィッティングにおける数値は、
答えではなく、問いだと思っています。

なぜ、このボールスピードなのか。

なぜ、この打ち出し角なのか。

なぜ、このスピン量なのか。

なぜ、右に出るのか。

なぜ、左に巻くのか。

なぜ、最高の1球は良いのに、平均値は悪いのか。

なぜ、試打室では良いのに、コースでは怖くなるのか。

ここを読むのがフィッティングです。

数値を見て終わりではありません。

その数値が、
クラブによって出ているのか。
スイングによって出ているのか。
アドレスによって出ているのか。
打点によって出ているのか。
それとも、それらが複合して出ているのか。

その原因を考える必要があります。


たとえば、右に出る球をどう読むか

たとえば、ボールが右に出るとします。

この時、単純に
「右に出るから、つかまるクラブにしましょう」
で終わってよいのでしょうか。

もちろん、それで改善するケースもあります。

しかし、右に出る理由はいくつもあります。

フェースが開いて当たっているのか。
クラブパスが右を向いているのか。
ライ角が合っていないのか。
長さが合わず、手元の位置がズレているのか。
シャフトが戻りにくいのか。
ヘッドタイプがその人に合っていないのか。
そもそもアドレスで右を向いているのか。

同じ「右に出る」という結果でも、
原因が違えば、提案するクラブも変わります。

ここを見ずに、
結果だけでクラブを決めてしまうと、
一時的には良く見えても、コースで再び問題が出ることがあります。


たとえば、スピン量が多い球をどう読むか

スピン量が多い場合も同じです。

スピン量が多い。
だからロースピンのヘッドにしましょう。

これも、必ずしも間違いではありません。

しかし、なぜスピンが多いのかを見なければなりません。

打点が下に入っているのか。
フェースが開いているのか。
ロフトが寝て当たっているのか。
入射角が強すぎるのか。
シャフトが合わず、インパクトでロフトが増えているのか。
ヘッドの重心特性が合っていないのか。

原因によって、
ロフトを変えるのか。
ヘッドを変えるのか。
シャフトを変えるのか。
長さを変えるのか。
あるいは、スイング側の課題として見るのか。

判断は変わります。

つまり、スピン量という数値そのものは答えではありません。
その数値が出た理由を考えるための入口です。


たとえば、ボールスピードが出ていない球をどう読むか

ボールスピードが出ていない場合も同じです。

ヘッドスピードはある。
しかし、ボールスピードが出ていない。

この場合、まず考えたいのは、
エネルギーがボールに効率よく伝わっているかどうかです。

打点がズレているのか。
フェースの向きが合っていないのか。
ロフト条件が悪いのか。
クラブが長すぎて芯に当たりにくいのか。
重すぎて振り遅れているのか。
軽すぎて手で合わせにいっているのか。
シャフトのタイミングが合っていないのか。

ボールスピードが出ないから、
もっと反発の良いヘッドにする。

それだけでは足りないことがあります。

なぜなら、ヘッドの性能以前に、
その人が芯で打ちやすい状態になっていない可能性があるからです。

フィッティングでは、
ボールスピードの数値そのものよりも、
なぜそのボールスピードになっているのか
を見る必要があります。


フィッターは、数値の通訳者である

弾道計測器は、数字を出してくれます。

しかし、その数字をどう読むかは、
フィッターの仕事です。

私は、フィッターは数値の通訳者でもあると思っています。

お客様にとって、
弾道計測器の数字は分かりやすいようで、
実は分かりにくいものです。

ボールスピードが高い。
スピン量が多い。
打ち出し角が低い。
左右のばらつきがある。

数字だけを見れば、そうです。

しかし、その数字が、
お客様のゴルフにとって何を意味するのか。

コースでどんなミスにつながるのか。
どのクラブを使う時に問題になるのか。
どこまでがクラブで整えられるのか。
どこからがスイング側の課題なのか。

そこを分かる言葉に置き換えるのが、
フィッターの役割だと思います。


試打室の数字と、コースの現実をつなげる

フィッティングで重要なのは、
試打室の数字を、コースの現実につなげることです。

試打室でキャリーが伸びた。
それは良いことです。

しかし、そのキャリーがコースで何を意味するのか。

ドライバーなら、
いつも越えられなかったバンカーを越えられるのか。
それとも、曲がった時にOBへ届きやすくなるのか。

アイアンなら、
番手間の距離がきれいに並ぶのか。
それとも、飛びすぎる1球が出て、グリーン奥が怖くなるのか。

ハイブリッドやフェアウェイウッドなら、
高さが出て、グリーンを狙えるのか。
それとも、低く強い球になりすぎて、止めにくいのか。

ウェッジなら、
スピン量が増えたことで止めやすくなるのか。
それとも、打ち出し角やキャリーが不安定になっているのか。

数字は試打室で出ます。
しかし、クラブを使うのはコースです。

ですから、フィッティングでは、
試打室の数字だけで終わらせず、
その数字がコースでどう働くのかを考える必要があります。


よくラウンドするコースも、フィッティングの情報になる

第3話でも書きましたが、
フィッターの役割は試打室の数値だけを見ることではありません。

お客様のスイングの特徴。
よくラウンドするコース。
想定されるミスの傾向。

ここまで踏まえて判断することが重要です。

たとえば、同じ右へのミスでも、
普段回るコースの右サイドがすぐOBなのか。
それとも、右は広くラフで止まるのか。

これによって、必要なクラブは変わります。

同じアイアンのキャリー不足でも、
よく行くコースのグリーン手前が安全なのか。
池やバンカーが多いのか。

これによって、見るべきポイントは変わります。

同じフェアウェイウッドでも、
セカンドでグリーンを狙うことが多いのか。
レイアップで前に進めることが多いのか。

これによって、求める高さや止まり方は変わります。

つまり、フィッティングは、
単に良い数字を出すクラブを探す作業ではありません。

その人が実際にプレーする環境で、
どのミスを減らし、どの結果を増やすべきかを考える作業です。


クラブで整えるべきことと、スイングで整えるべきこと

フィッティングで大切なのは、
クラブで整えるべきことと、
スイングで整えるべきことを分けて考えることです。

すべてをクラブのせいにしてはいけません。

しかし、すべてをスイングのせいにしてもいけません。

クラブが長すぎて芯に当たりにくい。
ライ角が合っていなくて方向に影響している。
シャフトが重すぎて振り切れない。
ヘッドタイプが合わず、ミスの幅が大きくなっている。

こうしたことは、クラブ側で整えられる可能性があります。

一方で、
アドレスの向き。
極端な打ち込み。
過度なフェース操作。
リズムの乱れ。
力み。

こうしたことは、スイング側の課題として見る必要があります。

大切なのは、
どちらか一方に決めつけないことです。

クラブ側で整えられることは整える。
そのうえで、スイング側の課題を見る。

この順番が、フィッティングを現実的なものにしてくれると思います。


PINGのフィッティング思想に感じること

PING Proving Grounds Podcast Episode 3 を聞いていて感じるのは、
PINGがフィッティングを単なる販売手段として見ていないことです。

クラブの性能を説明するだけではない。

ゴルファーの体格、スイング、ミスの傾向、弾道のデータを見て、
その人にとってクラブがどう働くかを考える。

ここにPINGのフィッティング思想があるのだと思います。

クラブには性能があります。

しかし、その性能は、
誰が使っても同じように出るわけではありません。

ある人にとっては非常にやさしいクラブが、
別の人にはつかまりすぎることがあります。

ある人にとっては強い弾道になるクラブが、
別の人には上がりにくいクラブになることがあります。

だからこそ、フィッティングが必要になります。

クラブの性能を、
その人のゴルフにどう結びつけるか。

それを考えるのが、
PINGが長年大切にしてきたフィッティングなのだと思います。


フィッティングは、試打では終わらない

試打は大切です。

実際に打ってみなければ分からないことは多いです。

構えた時の見え方。
振った時の重さ。
打った時の音。
打点の出方。
弾道の高さ。
ミスの出方。

これらは、試打によって初めて分かります。

しかし、フィッティングは試打で終わりではありません。

試打で出た数字を読み、
その数字がなぜ出たのかを考え、
お客様のゴルフにどう影響するかを判断する。

ここまで行って、フィッティングになります。

単に、
「これが一番飛びました」
「これが一番曲がりませんでした」
では、まだ浅いと思います。

なぜ飛んだのか。
なぜ曲がらなかったのか。
その結果は何度も出るのか。
コースで使えるのか。
ミスした時にどこまでで収まるのか。

そこまで見る必要があります。

最後に:クラブを替えるかどうかは、その後でいい

このシリーズの最後に、
店長として改めて書いておきたいことがあります。

フィッティングは、
必ずクラブを買い替えるためのものではありません。

まずは、今のクラブが自分に合っているのかを知ることです。

今のクラブが合っているなら、
それはとても良いことです。

安心して使えば良いと思います。

もし合っていない部分があるなら、
何が合っていないのかを知ることが大切です。

長さなのか。
重さなのか。
ライ角なのか。
ロフトなのか。
シャフトなのか。
ヘッドタイプなのか。
番手構成なのか。

それを知ったうえで、
今のクラブを調整するのか。
買い替えるのか。
練習の方向性を変えるのか。

その選択をすれば良いと思います。

クラブを替えるかどうかは、その後でいい。

まず大切なのは、
今のクラブが、今の自分のゴルフにどう働いているのかを知ることです。

そして、特にアイアンの場合は、
PINGのカラーコードチャートから大きく外さないことも大切だと思います。

もちろん、カラーコードチャートが絶対の答えという意味ではありません。
実際のスイング、構え方、インパクト、弾道を見ながら調整する必要があります。

しかし、身長や手首から床までの長さをもとにしたカラーコードは、
その人にとって自然に構えやすいライ角を考えるための重要な出発点です。

ここから大きく外れたアイアンを使うと、
ゴルファーがクラブに合わせて構え方や手元の通し方を補正してしまうことがあります。

ですから、アイアン選びでは、
「今の自分に合ったライ角の入口」から大きく外れていないか。

ここも、確認しておくべき大切なポイントだと思います。


まとめ

PING Proving Grounds Podcast Episode 3「Fitting Matters」を受けて、
4回に分けてフィッティングについて考えてきました。

フィッティングは、
上手くなってから受けるものではありません。

上手くなるために、
道具の前提条件を整える作業です。

ヘッドスピードは大切です。
しかし、それだけでクラブを決めるものではありません。

ボールスピード、打ち出し角、スピン量、落下角、左右のばらつき。
その結果、ボールがどう飛んだかを見る必要があります。

試打で一番飛んだ1球は大切です。
しかし、コースでスコアに残るのは、
平均値とミスの幅です。

そして、数値は答えではありません。

数値は問いです。

なぜそのボールスピードなのか。
なぜそのスピン量なのか。
なぜ右に出るのか。
なぜ最高の1球は良いのに、平均値は悪いのか。

そこを読むのがフィッティングです。

フィッティングとは、
クラブの性能を説明する作業ではありません。

ゴルファーとクラブの関係を読み解き、
その人がコースで繰り返すゴルフを、
少しでも良い方向へ動かす作業です。

週末に練習場へ行く方、
ラウンド予定のある方は、
ぜひ一度、自分のミスの傾向を見てみてください。

一番良かった球ではなく、
何度も出てしまう球。

そこに、フィッティングの入口があります。

フィッティングをより深く考える③

試打で一番飛んだ1球を、信じすぎてはいけない理由

PING Proving Grounds Episode 3「Fitting Matters」より

PING Proving Grounds Podcast Episode 3「Fitting Matters」では、
フィッティングで見るべき数値についての話が出てきます。

前回は、ヘッドスピードだけでクラブを判断してはいけない、
という話をしました。

ヘッドスピードは大切です。
しかし、それは入力側の数値です。

実際にコースで結果として残るのは、
ヘッドスピードそのものではなく、
ボールがどう飛んだかです。

その意味で、
ボールスピード、打ち出し角、スピン量、落下角、左右のばらつきなどを見る必要があります。

そして今回は、もう一歩進んで、
試打で一番飛んだ1球を、信じすぎてはいけない理由
について考えてみたいと思います。 “フィッティングをより深く考える③” の続きを読む

フィッティングをより深く考える②

フィッティングで見るべき数値は、ヘッドスピードだけではありません

PING Proving Grounds Episode 3「Fitting Matters」より

PING Proving Grounds Podcast Episode 3「Fitting Matters」では、
フィッティングで見るべき数値についての話も出てきます。

現代の弾道計測器は、非常に多くの数値を出してくれます。

ヘッドスピード。
ボールスピード。
打ち出し角。
スピン量。
スマッシュファクター。
キャリー。
トータル距離。
左右のブレ。
落下角。

試打をすると、これらの数値が一気に表示されます。

数字がたくさん出ると、
それだけで何かが分かったような気になります。

しかし、Podcastの会話を聞いていて大切だと思ったのは、
測れる数値が増えたからといって、すべての数値を同じ重さで見てよいわけではない
ということです。 “フィッティングをより深く考える②” の続きを読む

ヘッドスピードは入力、ボールスピードは出力。けれど入力はそれだけではない

有効重量で考えるスインガースイング・第1話

多くのゴルファーは、飛距離を伸ばすために、まずヘッドスピードを上げようとします。

もちろん、ヘッドスピードは大切です。
ヘッドスピードがなければ、ボール初速も出にくい。
これは間違いありません。

しかし、私の目から見ると、ここに大きな落とし穴があります。

それは、ヘッドスピードを上げることが目的になりすぎて、実際にボールへ届くエネルギーを見失っていることです。

ゴルフは、クラブを速く動かす競技ではありません。
最終的には、クラブとボールの衝突です。

つまり、本当に見るべきなのは、

「クラブがどれだけ速く動いたか」

だけではなく、

「その速さが、どれだけボールに伝わったか」

です。

ここが、今回のシリーズの入口になります。


PINGのマーティやジェイソンが、クラブフィッティングの話の中で、

「ヘッドスピードではなく、ボールスピードを使ってください」

という趣旨の話をしています。

私はこの言葉を聞いたとき、やはりPINGはきちんと物理としてクラブフィッティングを理解しているのだと感じました。

ヘッドスピードは、あくまでもクラブ側の数値です。
言い換えれば、入力のひとつです。

一方、ボールスピードは、クラブとボールが衝突した結果です。
つまり、出力です。

どれだけ速くクラブを動かしたかではなく、
その動きがどれだけボールに伝わったか。

ここを見ているから、ボールスピードを重視するわけです。


ただし、ここで大事なのは、

ヘッドスピードは入力だが、入力はヘッドスピードだけではない

ということです。

同じヘッドスピードでも、打点が違えばボールスピードは変わります。
ロフトが違えば、打ち出し角やスピン量が変わります。
フェース向きが違えば、ボールの飛び出す方向も変わります。
入射角が違えば、エネルギーの伝わり方も変わります。

そして、今回のシリーズで特に大切にしたいのが、

有効重量

です。

ボールスピードという出力は、ヘッドスピードだけで決まるものではありません。

ヘッドスピード。
打点。
フェース向き。
ロフト。
入射角。
スピン量。
クラブの姿勢。
シャフトの挙動。
ヘッドの安定性。
そして、有効重量。

これらが衝突の瞬間に統合された結果として、ボールスピードが生まれます。

だから、ヘッドスピードだけを追いかけても、必ずしも飛距離につながるとは限らないのです。


有効重量とは、簡単に言えば、インパクトでボールに参加している重さです。

腕だけでクラブを振っている場合、ボールにぶつかっているのは、腕とクラブの軽い衝突に近くなります。

一方、身体とクラブが一体化して動いている場合、ボールには身体の重さを伴った衝突が起こります。

もちろん、本当に体重すべてがボールにぶつかっているわけではありません。
しかし、身体とクラブの接続が保たれていれば、ボールに伝わる衝突は重くなります。

ここを見落とすと、ヘッドスピードだけを追いかけることになります。

そして多くの場合、ヘッドスピードを上げようとして、逆に有効重量を減らしてしまうのです。


腕を速く振る。
手でヘッドを走らせる。
インパクトで強く押し込もうとする。
フェースを返して飛ばそうとする。

こうした動きは、一見するとヘッドスピードを上げる努力に見えます。

しかし、それによって身体とクラブの接続が切れれば、ボールに届く有効重量は小さくなります。

つまり、

ヘッドスピードは上がった。
しかし、有効重量は下がった。

この状態では、ボールに届くエネルギーは思ったほど増えません。

さらに悪いことに、クラブが身体から切り離されることで、力の向きも散ります。

これを私は、ベクトル分散と考えています。

 


速く振っているのに飛ばない。
力を入れているのに球が弱い。
ヘッドスピードは出ているのに、ボールスピードが伸びない。
スピンが増える。
曲がる。
打点が散る。

こういう現象は、単なるミスではありません。

ヘッドスピードを上げるために、有効重量を失い、さらに力の向きが分散している可能性があります。

つまり、クラブは速く動いている。
しかし、ボールを飛ばす方向へ、重さと力が集まっていない。

これでは、飛距離につながりにくいのです。


ここで大切なのは、ヘッドスピードを否定しているわけではないということです。

ヘッドスピードは必要です。
速さは大切です。

ただし、問題はその速さに何が乗っているかです。

軽いものを速く動かしているのか。
重いものが、正しい方向へ動いているのか。

この違いです。

スインガーのスイングを考えるとき、ここは非常に重要になります。

スインガーは、単にクラブを速く動かす人ではありません。
身体とクラブを一体化させ、有効重量を逃がさず、ボールへ届ける人です。

そして、その結果としてボールスピードが出る。

だから、スインガーを考えるうえでは、ヘッドスピードだけを見ていてはいけません。

見るべきなのは、ボールスピードです。
さらに言えば、そのボールスピードが、どのような入力から生まれているのかです。


ヘッドスピードは入力です。
しかし、入力はヘッドスピードだけではありません。

ボールスピードは、複数の入力が衝突の瞬間に統合された出力です。

ここを理解すると、飛距離の見方は大きく変わります。

飛ばすために、もっと速く振るのか。
それとも、今あるスピードに、より大きな有効重量を乗せるのか。

スインガーの考え方は、後者です。

速さを否定するのではありません。
速さに、重さと方向を加えるのです。


次回は、この有効重量をもっと分かりやすく考えるために、私が生徒さんによくする質問を使って説明します。

時速5キロの電車と、時速5キロの三輪車。
どちらかに必ずぶつからなければならないとしたら、どちらを選びますか?

速度は同じです。
しかし、衝撃はまったく違います。

この話から、ヘッドスピードだけでは飛距離を説明できない理由を、もう少し掘り下げてみたいと思います。

フィッティングをより深く考える①

フィッティングは、上手くなってから受けるものではありません

PING Proving Grounds Episode 3「Fitting Matters」より

PING Proving Grounds Podcast の Episode 3 は、
「Fitting Matters」、つまり
フィッティングは重要である
というテーマで語られています。

今回の会話の中で、まず印象に残るのは、
フィッティングを特別な上級者だけのものとして扱っていない点です。

Podcastの中では、次のような趣旨の会話が出てきます。

フィッティングというと、ツアープロや上級者が受けるものだと思っている人も多い。
しかし、PINGにとってフィッティングは、すべてのゴルファーに関係するもの。
初心者であっても、クラブの長さ、ライ角、重さ、グリップサイズなどが合っていなければ、知らないうちにクラブに合わせた動きをしてしまう。

これを聞いて、私はかなり納得しました。

日本でも、
「もっと上手くなってからフィッティングを受けます」
という言葉はよく聞きます。

たしかに、その気持ちは分かります。

スイングが安定していない。
毎回同じ球が出るわけではない。
ミート率もまだ安定していない。

そうなると、
「今フィッティングしても、意味がないのではないか」
と思ってしまうわけです。

 

しかし、PINGの考え方は少し違います。 “フィッティングをより深く考える①” の続きを読む

短く組むだけではなく、ロフト調整まで含めて機能を作る 第6話

ここまで何度か書いてきましたが、
PINGのツアー現場を見ていると、ショートウッドは単なるフェアウェイウッドではなく、HBのような役割を持たせて組まれているように見えます。

ケントン・オーツ氏が関わったホアキン・ニーマンの7Wの話は、その象徴だと思います。
必要だったのは、ただ前へ行くクラブではなく、長い距離をグリーンで止められるクラブでした。
そのために、ショートウッドをそのまま使うのではなく、長さまで含めて調整していたわけです。

この考え方は、店長としても非常によく分かります。

実際、私も7Wだけではなく、9Wも試しています。
試してみると分かるのは、7Wと9Wは同じ「ショートウッド」でも、役割が微妙に違うということです。

7Wは、ある程度距離を残しながら、ハイブリッドよりも高さと止まりやすさを出しやすい。
一方で9Wになると、さらにボールが上がりやすくなり、よりHB寄りの距離帯に入ってきます。
つまり9Wは、フェアウェイウッドというより、感覚としてはかなり
“止めやすいHB”
に近づいてくるのです。

ここが面白いところです。

ツアーの話をそのまま真似するだけなら、
「7Wが流行っている」
で終わってしまいます。

けれど実際には、7Wも9Wも、ただ入れればいいわけではありません。
そのクラブに何をさせたいのか。
そこが決まって初めて意味が出てきます。

私の場合、ラフでの対応やコントロール性を考えると、ケントン・オーツ氏がやっているような短く組む方向は非常に理にかなっていると感じています。
ショートウッドは標準のままだと、球は上がりやすい反面、場面によっては少し長さを感じることがあります。
そこで少し長さを詰めると、単に振りやすいというだけでなく、トップ側の番手としての仕事がかなり明確になるのです。

ただ、店長が実際に使ってみて、さらに機能したと感じたのはそこから先でした。
それが、ロフト調整を「-」または「Big-」側にすることです。

一般的には、「-」にするとロフトが立つので、
球が上がりにくくなるのではないか、
難しくなるのではないか、
と思われるかもしれません。

しかし、実際に使ってみると、私にとって大きかったのはロフトそのもの以上に、
フェースが少しオープンに見えることでした。

これによって何が起きたか。

私の場合、ショートウッド特有の「つかまりすぎそうな感じ」や「少し被って見える感じ」が薄れ、
ライン・オブ・コンプレッションが保ちやすくなったのです。

ここは、私にとってかなり重要なポイントでした。

クラブがやさしいことと、
クラブをコントロールしやすいことは、
必ずしも同じではありません。

7Wや9Wは、もともと高さを出しやすく、スピンも入りやすいので、
球を上げて止めたい場面では非常に魅力があります。
ただ、その一方で、構えたときの見え方やつかまりの出方が自分の感覚と合わないと、
インパクトで押し込むラインが崩れてしまうことがあります。

私の場合は、
「-」「Big-」にすることで、ロフトが立った」
というよりも、
「少しオープンに見えることで、フェース管理がしやすくなった」
ことのほうが大きかった。

その結果として、ライン・オブ・コンプレッションが保たれ、
ボールのコントロール性がむしろ上がりました。

7Wでもその傾向は感じますし、9Wではさらにその差が分かりやすく出ます。
9WはよりHB寄りの距離帯に入るぶん、
「ただ高く上がるクラブ」になってしまうと武器になりません。
しかし、長さやロフト調整を通して、
押し込める見え方
ラインを保てる入り方
が作れると、9Wは非常に面白い一本になります。

要するに、私が感じているHBFWの本質は、
単に7Wや9Wを入れることではありません。

  • 少し短く組む
  • 役割を明確にする
  • 必要ならロフトを「-」「Big-」にして見え方を整える
  • その上で、ライン・オブ・コンプレッションを保ちやすくする

そこまでやって初めて、
ただのショートウッドが、実戦で使えるHBFWになる
のだと思います。

ですから、7Wや9Wを検討するときも、
「やさしいから入れる」
だけでは少しもったいない。

本当に見るべきなのは、
そのクラブが自分のセットの中で

HBのような役割を果たすのか
それとも単なる高いFWで終わるのか

という点です。

PINGのツアー現場が見せてくれるのは、
クラブの種類で選ぶのではなく、役割で組むという発想です。
そして店長が7Wだけでなく9Wまで試して感じるのは、
その発想はアマチュアにも十分応用できる、ということです。

ショートウッドは、ただ上がるクラブではありません。
組み方次第で、
HBでは出しにくい高さと止まりやすさを持ちながら、HBのように使える一本
になる。

そのあたりに、7Wや9Wの本当の面白さがあるのだと思います。

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PINGのツアー現場では、ショートウッドを“HBのように”組んでいる 第5話

ここまで、ツアーでは7W、9Wへのシフトが進んでいること、そしてアマチュアでは逆にアイアン側からハイブリッドへ境界が下がってきていることを書いてきました。

その流れの中で、もうひとつ注目したいのが、
PINGのツアー現場では、ショートウッドを単なるフェアウェイウッドとしてではなく、HBのような役割で組んでいる
という点です。

その実例として分かりやすいのが、ケントン・オーツ氏が語っているホアキン・ニーマンの7Wです。
GOLF.comの記事では、ニーマンが2020年のメモリアルで、硬いグリーンに対して250〜255ヤードから止められるクラブを必要としていたこと、その相談に対してオーツ氏が勧めたのが7Wだったことが紹介されています。しかもニーマンは当初、7Wは「高く上がりすぎるのではないか」と考えていたのですが、オーツ氏はそこを調整したうえで提案し、結果としてそのクラブは今もバッグに残り続けています。

ここで大事なのは、
7Wが入った理由が、単に「やさしいから」ではないことです。

ニーマンのケースで必要だったのは、
長い距離を上げて、しかもグリーンで止めること
でした。
その役割に対して、オーツ氏はハイブリッドではなく7Wを選んだ。しかもその7Wは、40.5インチに短尺化されていました。標準より少し短くすることで、コントロールしやすくしながら、必要な高さとスピンを確保する。ここに、PINGのツアー的な発想がよく出ています。

さらに2026年マスターズ週のツアーレポートでも、オーツ氏は、4番アイアンと高ロフトのメタルウッドの差について、本当の違いは高さそのものよりもスピンにあると説明しています。4番アイアンでも近い高さは作れるが、グリーン上で反応を変えるのは、メタルウッド側が持つ“余分なスピン”だ、という趣旨です。これは非常に重要な指摘です。

つまりPINGのツアー現場では、ショートウッドを

  • ただ高く上がるクラブとしてではなく
  • アイアンやHBでは足りない止める性能を補うクラブとして
  • 必要に応じて長さまで調整しながら

組んでいるということです。

ここまで来ると、7Wはもはや単なるFWではありません。
見方を変えれば、HB的な役割を持たせたショートウッドです。

ハイブリッドのようにトップ側の距離階段の中へ入れながら、
ハイブリッドよりも高く、よりスピンを入れて、より止めやすくする。
そのために、ロフトだけでなく長さまで含めて整える。
これが、オーツ氏の話から見えてくるPINGツアーの組み方です。

これはアマチュアにもかなり参考になります。

7Wを入れるというと、どうしても
「球が上がりやすいから」
「やさしいから」
という理解で終わりがちです。

もちろんそれも間違いではありません。
ただ、ツアーの発想はそこでもう一段深い。

このクラブを、何の仕事をさせるために入れるのか。
そこから逆算しているのです。

たとえば、

  • 4Iではグリーンで止まりにくい
  • 4Hでは悪くないが、もう少し高さとスピンが欲しい
  • 5Wでは飛びすぎる

そういう場所に、HBのような役割で組んだショートウッドが入ってくる。
これが、PINGのツアー版が実際にやっていることなのだと思います。

ですから、FWかHBかという二択だけで考えるのではなく、

FWをHBのように使う
という考え方を持っておくと、トップ側のセッティングは一気に見えやすくなります。

ツアーで7Wや9Wが増えているのは、単なる流行ではありません。
その中身をよく見ると、そこには
止めるためのスピンを確保し、距離階段の中に収めるためにショートウッドを再設計する
という、非常に実戦的な意図があります。

そして、その発想は、アマチュアがクラブを選ぶときにも十分使えるはずです。
7Wを7Wとして見るのではなく、
自分のセットの中で、HB的な仕事をさせる一本として見る。

そう考えると、ショートウッドの意味はかなり変わって見えてきます。

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7W・HB・アイアンは、何で選ぶべきなのか 第4話

飛ばしたい気持ちと、止めたい現実のあいだで

ここまで、ツアーでは7Wや9Wへのシフトが進んでいること、そしてアマチュアではアイアン側からハイブリッドへ境界が下がってきていることを書いてきました。

では実際に、
7Wがいいのか、HBがいいのか、それともアイアンを残すべきなのか。
何を基準に見ていけばよいのでしょうか。

まず整理しておきたいのは、それぞれのクラブが持っている役割の違いです。

7Wや9Wのようなショートウッドは、高く上がりやすく、落下角が取りやすい。
ですから、長い距離でもグリーンで止めたい場面では、非常に意味のあるクラブになります。

一方でHBは、その中間にあります。
アイアンより球が上がりやすい。
それでいて、フェアウェイウッドほど長さを感じにくい。
つまり、高さと扱いやすさのバランスを取りやすいクラブです。

そしてアイアンには、低めの強い球、形の安心感、操作感という魅力があります。
ただし、その番手で本当に高さやキャリーが足りているかどうかは、また別の話です。

ここで面白いのは、クラブ選びが単なる性能比較では終わらないことです。
上の番手のクラブ選びには、いつも二つの欲求があります。

ひとつは、少しでも前へ運びたいという飛距離への欲求
もうひとつは、狙った場所まで運び、そこで止めたいという欲求です。

この二つは、似ているようで、実は少し違う方向を向いています。

本来、レベルが上がるほど求める球は明確になるはずです。
それは、ただ飛ぶ球ではなく、飛んで、しかも止まる球です。

グリーンを狙う以上、前へ行くだけでは足りません。
必要な距離を運び、しかも止められること。
本来はそこに価値があるはずです。

ところが実際には、上級者であっても、
低く強い弾道が打てそうなクラブ、
いかにも前へ行きそうなクラブを選びたくなることがあります。

もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
ただ、その選択の中には、やはり飛距離欲求の強さが表れているように私は思います。

低く強い球は、見た目にも“飛んでいる感じ”がします。
着地してからも前へ行き、総距離も出やすい。
ですから、どうしても魅力的に見えます。

けれど、グリーンを狙うクラブとして考えたとき、本当に価値が高いのはそこなのか。
ここは一度立ち止まって考えたいところです。

そして、この価値観の変化には、時代背景もあると思います。

クラブの種類が少なかった時代は、難しいクラブで結果を出すこと自体に価値がありました。
難しい番手を打ちこなすこと、難しいクラブで球を操れること、それ自体が技術の証明であり、賞金にもつながった時代があったと思います。

しかし今は違います。
クラブの種類が増え、役割ごとに道具を選べるようになった。
そうなると、難しいクラブにこだわることよりも、結果が出るクラブで結果を出すことのほうが、より直接的に賞金につながります。

プロのこだわりがなくなったのではありません。

こだわる場所が変わってきたのです。

昔は、難しいクラブを使いこなすことに価値があった。
今は、スコアになる機能を持ったクラブを選ぶことに価値がある。
だから7Wや9W、あるいはショートウッドやHB的なセッティングが、ツアーの中でも自然に受け入れられてきているのだと思います。

店長として強く感じるのは、
グリーンを狙うクラブでは、ランで距離を稼ぐ球より、キャリーで必要距離を運べる球のほうが価値が高い
ということです。

アマチュアはどうしても、低く強く出て、着地してからも前へ行く球に魅力を感じやすいものです。
総距離だけ見れば、たしかにそのほうが飛んで見えることもあります。

しかし、上の番手で本当に必要なのは、しばしばそこではありません。

大切なのは、着弾点までを確実に運べることです。
その先のランは、助けになることもありますが、同時に不確定要素にもなります。
グリーンの硬さ、傾斜、風、落ちどころ。
ランに頼るほど、結果は読みづらくなります。

だから私は、グリーンを狙うクラブの理想的な弾道は、
ランよりキャリーの比重が大きい球
だと考えています。

高さが出る。
落下角が取れる。
必要な距離をキャリーで運べる。
そのほうが結果として狙いやすく、止めやすい。
だからツアーでは7Wや9Wが選ばれ、アマチュアでもHBや、場合によってはHBFWの意味が出てくるのだと思います。

そう考えると、7W・HB・アイアンの見方も整理しやすくなります。

高く上げて止めたいなら、7W寄りです。
長い距離でも高さが欲しい。
キャリー主体でグリーンを狙いたい。
そういう役割なら、7Wや9Wの意味は非常に大きいと思います。

高さも欲しいが、扱いやすさやつながりも重視したいなら、HB寄りです。
アイアンでは苦しい。
でもフェアウェイウッドほど長く大きいヘッドまでは要らない。
そういう番手を埋めるには、HBは非常に合理的です。

低さや形、操作感を優先するなら、アイアン寄りです。
ただし、その場合でも、その番手で本当にキャリーが足りているか、高さが出ているか、止められているかは、別に確認したほうがよいと思います。

結局のところ、7W・HB・アイアンの選び分けは、クラブの種類で決めるものではありません。

その番手に何をさせたいのか。
もっと言えば、
その番手で、飛ばしたいのか、止めたいのか。

そこがはっきりすると、選び方も見えてきます。

そしてアマチュアは、どうしても飛距離への欲求が強い。
だからこそ、ときどき立ち止まって考えたいのです。

そのクラブに求めているのは、本当に総距離なのか。
それとも、キャリーで運んで止めることなのか。

トップ側の番手ほど、スコアに効いてくるのは、むしろ後者ではないでしょうか。

飛んで止まる。
本来、上の番手で目指すべきなのはそこです。
にもかかわらず、私たちはつい“低く強い球が打てそうなクラブ”に惹かれる。
そのあたりに、クラブ選びの難しさと、飛距離欲求の根深さがあるのだと思います。

そして、この価値観の変化には、時代背景もあると思います。

クラブの種類が少なかった時代は、難しいクラブで結果を出すこと自体に価値がありました。難しい番手を打ちこなすこと、難しいクラブで球を操れること、それ自体が技術の証明であり、賞金にもつながった時代があったと思います。

しかし今は違います。クラブの種類が増え、役割ごとに道具を選べるようになった。そうなると、難しいクラブにこだわることよりも、結果が出るクラブで結果を出すことのほうが、より直接的に賞金につながります。

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プロのこだわりがなくなったのではありません。
こだわる場所が変わってきたのです。

昔は、難しいクラブを使いこなすことに価値があった。
今は、スコアになる機能を持ったクラブを選ぶことに価値がある。
だから7Wや9W、あるいはショートウッドやHB的なセッティングが、ツアーの中でも自然に受け入れられてきているのだと思います。

問題は“何番を入れるか”ではなく、その番手が本当に仕事をしているか 第3話

ここまで見てくると、議論の中心は
「5番アイアンを抜くか、6番アイアンを抜くか」
という番手の数字そのものではなくなってきます。

本当に見るべきなのは、
その番手がコースでちゃんと仕事をしているかどうか
です。

たとえば、アイアンの長い番手や中間の番手で、

  • 思ったほど高さが出ない
  • キャリーが安定しない
  • グリーンで止まりにくい
  • ミスしたときの距離のブレが大きい

ということが起きているなら、その番手はバッグに入っていても、実戦では十分に機能していない可能性があります。

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