ショートパットを外すと、多くの人はまず方向のミスを疑います。
フェースが開いた。
引っかけた。
真っすぐ打てなかった。
たしかに、それもあります。
しかし実際には、ショートパットほど見逃されているのは、方向ではなく速度設計の崩れではないでしょうか。
近い距離では、わずかな強さの違いは小さな差に見えます。
けれど、その小さな差が、カップ通過速度を変え、結果として曲がり方まで変えてしまいます。
しかもショートパットでは、そのズレは大きな距離ミスとしては見えず、「少し緩んだ」「少し弱かった」という形でしか現れません。
だから原因として大きく扱われにくいのです。

ミドルパットやロングパットであれば、距離感の30%のズレは誰の目にも明らかな大ミスです。
ところがショートパットでは、同じ割合のズレでも絶対距離が短いため、見た目には小さな差にしか見えません。
しかし実際には、その小さく見える差が、通過速度を変え、入るラインそのものを変えてしまう。
ショートパットの怖さは、致命的な差が“小さな差”に見えてしまうところにあります。
さらに厄介なのは、ショートパットほど人は「外したくない」と感じることです。
その結果、事前に決めていた強さを最後まで守れず、インパクト付近で緩みが起きやすくなります。
よく見受けられるのは、インパクト付近で手首が曲がる動きです。
すると、見た目のストローク量は同じでも、手元からヘッドへ伝わるはずのエネルギーが途中で逃げてしまう。
その結果、ボールに伝わるエネルギーは小さくなり、予定していた通過速度を失ってしまいます。
つまり、ショートパットのミスは単に真っすぐ打てなかったから起きているのではありません。
本当は、決めた強さで打てなかったことが先にあり、その結果として方向のミスが表に出ていることが多いのです。
ここで大切なのは、ショートパットではラインよりも、まず決めた強さで打つことに重点を置くということです。
なぜなら、ショートパットは強さが少し変わっただけで、曲がり方まで一緒に変わってしまうからです。
ラインは固定されたものではありません。
そのときの通過速度によって、成立するラインは変わります。
どれだけ正しくラインを読んでいても、予定した強さで打てなければ、そのラインはもう別物です。
逆に言えば、決めた強さで打てれば、ラインはその強さに対して整理できます。
ショートパットでは、ラインを読んでから打つというより、この強さで通すと決め、その強さに合うラインを選ぶという順番の方が、本質に近いのでしょう。
近い距離ほど、人は「方向」を気にします。
しかしショートパットで本当に問われているのは、真っすぐ打てるかどうかではありません。
まず、決めた通過速度を最後まで守れるかどうか。
方向のミスは、そのあとに現れる結果に過ぎないのかもしれません。
ショートパットの難しさとは、ラインの問題というより、決めた強さを守り切れるかどうかの問題なのだと思います。
次回予告
ショートパットでは、ラインを読むこと以上に、決めた強さで打つことの方が重要になります。
では、その強さが変わると、傾斜による曲がり幅はどう変わるのか。
次回は、ショートパットにおける**「傾斜・強さ・曲がり幅」**の関係を整理してみたいと思います。






