「手首の面内運動(最大のパワー源)を抑える」意味

ミッドレングスはもっと見直されていいと思います。

において、ジェーソンが指摘した

アームロックは誰に向く?という質問に対して

  • 手首の面内運動(最大のパワー源)を抑え肩・腹筋のロッキングでストロークさせる=脳の配線を組み替えるのに有効。

若林接骨院HPより

について、深堀りします。「手首の面内運動(最大のパワー源)を抑え」というこの言葉です。この動作は、どういうことなんでしょうか?

ショットにおいても、これが大きな問題となります。

「手首の面内運動(最大のパワー源)を抑える」意味

■ 1.手首の基本運動(解剖学的な動き)

まずは 純粋に手首の運動 を整理します。

■ 手関節の主な4種の動き

名称 説明
掌屈(Flexion) 手のひら側へ折れる 掌を下に向けて曲げる
背屈(Extension) 手の甲側へ折れる リストコックの最大方向
橈屈(Radial deviation) 親指側へ倒す動き コックの方向
尺屈(Ulnar deviation) 小指側へ倒す動き リリースの方向
回内・回外(Pronation/Supination)※前腕操作

■ 2. 「手首の面内運動」とは何か?

ジェーソンの言葉

手首の面内運動(最大のパワー源)を抑える

この 面内運動(in-plane motion) とは、解剖学で言うと次の2つです:


★ 手首の「最大のパワー源」は 前腕回旋(回内・回外)

手関節の掌屈/背屈、橈屈/尺屈よりも
圧倒的にパワーが大きいのが

● 前腕の回内(Pronation)

● 前腕の回外(Supination)

です。

これは店長が示した

ゴルフクラブは棒の先端に重量物がついているので、
重いものを引っ張る動きが最も効率がいい

という原則の通りで、

  • 左手の回内は「引っぱり」パワーになる(最大の出力が出る)

  • 左手の回外は「クラブを前に出す」=フリップへ直結する

という性質を持っています。

つまりジェーソンが言う「面内運動」とは
前腕回旋(回内・回外)によるヘッド回転トルクの暴れ
そのものを指しています。

図解します

■ 2. “最大のパワー源” がスイングを壊す理由

■ 回内は「強すぎる」

→ フェースが大きく開く
→ 左手は小指側にクラブを引っ張るだけ
クラブヘッドをボールに当てる動きが存在しない

左手の回内は
クラブが開いたまま引っ張られる力学 なので、
フェースローテーションは “0” です。

■ ボールに当てようとすると、必ず「回外」が必要になる

フェースが開いたままではインパクトできません。
そのため、

→ 左手の回外でフェースを戻す

ヘッドを前に放り出す動き

となります。

回外は

反作用としてグリップエンドを逆方向に引っ張る
→ グリップが止まり
→ ヘッドだけが前に飛び出す
スイング軌道もフェースも暴れる

という最悪の連鎖を生みます。

■ 3. 「手首の面内運動を抑える=スイングの正常化」

前腕回旋(回内・回外)は強すぎるパワーのため、

  • ボールへの当て方が「手」でコントロールされる

  • リリースポイントが安定しない

  • スイングが手元主体になり軌道が壊れる

  • フェースの閉じ/開きがバラバラ

このすべてが
アプローチ・パター・ショット共通の病理 です。

ジェーソンの主張は

パッティングではこの“回内・回外”の介入をゼロに近づけるべき

ということです。

■ 4. ミッドレングス/アームロックが有効な理由

ミッドレングスやアームロックは

  • 手首が使えない

  • 回内・回外が使えない

  • フェースローテーションが起きない

  • “手の力” が入りにくい

  • 肩と体幹でロッキングするしかない

という構造になっています。

これはジェーソンの言う

脳の配線を組み替えるのに有効

つまり、
「手首の面内運動を使うパッティング」→「体幹主導パット」へ強制的に再教育
という意味です。

■ 5. この問題はショットでも深刻

ここが店長が強調したいポイントですね。

  • 左手の回内で引っぱり
  • 左手の回外でフェースを戻す(フリップ)
  • 右手の機能が抜け落ちる
  • スライススピンが増える
  • ロフトが増える
  • トップも出やすい
  • パワーが伝わらない

ショットの「最大のミス原因」の90%は
左手の回外(=手返し)によるフリップ
だと言われています。


■ 6. 正しい構造は「左右の相補性」

あなたが提示したこの表が“完全に正しい答え”です。

フェーズ 左手(Lead) 右手(Trail)
バックスイング 橈屈(コック)+軽い掌屈 背屈で支える
切り返し 掌屈方向にわずかに締まる 背屈維持(前に出さない)
ダウン 尺屈方向へリリース準備 背屈維持しつつ加速の“抵抗”
インパクト 掌屈〜フラット 背屈残し(パワー伝達)
フォロー 尺屈方向へ解放 掌屈方向にほどける

右手首の背屈は
左手の回内/回外の暴走を抑制する役割 を持ちます。→ フライング・ウェッジ

ジェーソンの言う

“手首の面内運動を抑える”
は科学的には
“回内・回外の暴力的トルクを抑え、右手の背屈が主導となる構造を作れ”
と同義です。

★ この問題のクラブメーカーの解答が

グースネックとディープマレット
ですが、これについては次回以降に解説しましょう。

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iDi ドライビングアイアンの真の姿

― Ping Proving Grounds Podcast Ep.75 より「Ping Proving Grounds」Episode 75、
シェーン・ベーコンとマーティ・ジェーソンが語る iDiドライビングアイアン の回を、店長目線で“のぞき見”第2弾です。

最後に文字起こしを載せていますので、興味のある方はぜひ原文もチェックしてみてください。

それでは、店長に刺さったことを深掘りしていきます。

  • iDi ファミリーでは 234番をラインナップしていて、
    それぞれ別々の役割に最適化している。

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シェーン・ベーコン&マーティ・ジェーソンの「iDiドライビングアイアン」をのぞき見

― Ping Proving Grounds Podcast Ep.75 より

今日は「Ping Proving Grounds」Episode 75、
シェーン・ベーコンとマーティ・ジェーソンが語る iDiドライビングアイアン の回を、店長目線で“のぞき見”してみます。

最後に文字起こしを載せていますので、興味のある方はぜひ原文もチェックしてみてください。
ここでは、その中で店長に刺さったポイントを深掘りしていきます。

最後に文字起こしがありますので参考にしてください。

それでは、店長に刺さったことを深掘りしていきます。

“シェーン・ベーコン&マーティ・ジェーソンの「iDiドライビングアイアン」をのぞき見” の続きを読む

ミッドレングスはもっと見直されていいと思います。

11月16日の投稿で

ジェーソンが「注目したいところが、4フィート12フィートの入れたい距離のフェースの抜きの再現性に苦労しているなら、アーム/リストロック、ミッド、カウンターバランスは良い出発点。」とコメントしています、

これについて、深掘りしましょう。

文字起こしを見てください。

Shane:ツアーの流行は一般にも波及する?

シェーンが一般に普及するかどうかを聞いています。


Marty:する。直近データではPGAツアーのロング使用率がシニア(Champions)より高いという驚きの数字も出た。ジュニアでもミッドレングス/クロウ/クロスハンド/マレットだらけ。

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日本の“飛距離議論”は、まだヘッドスピードに縛られている

昨日の続きです。

日本の“飛距離議論”は、まだヘッドスピードに縛られている

しかし実際には――

ヘッドスピードだけでは“飛び”は説明できません。

ヘッドスピードはあくまで 「大まかな傾向を示すだけの入力値」 です。
最終的にボールを飛ばすのはヘッドではなく ボールそのものの運動量 ですから、本質は ボールスピード で判断しなければなりません。

■ ヘッドスピードで判断すると“逆転現象”が起きる

“日本の“飛距離議論”は、まだヘッドスピードに縛られている” の続きを読む

PING TOUR 2.0 BLACKスペック紹介|

“ヘッドスピード別データの落とし穴”と、本当に見るべきポイント

メーカー公式ブログに「PING TOUR 2.0 BLACKはヘッドスピード38m/s以上がボリュームゾーン」という記事が出ていました。
企画意図は、お客様にもフィッターにも“指針”となるデータを提供することだと思いますが——店長としては、少し残念でした。

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ローフェードが「見える」と成功率が上がる

◆ ローフェードが「見える」と成功率が上がる

店長自身、このローフェードを習得するまでに何度も何度も練習しました。
しかし“なぜローフェードになるのか”を脳内でイメージできると、
成功率が一気に上がります。ということは店長がイメージできたのは打てたという物理的な結果が出てからイメージできたということを意味します。

◆ ボール位置と構えがすべての出発点

ボールはいつもより「近く」そして「左」

→ クラブは短く持つ
→ ハンドアップになる
→ ヒール側が浮いた状態になる
→ これが ボールをインサイドから捉える準備 になる

この「近い+左」という位置づけがローフェードの核です。

◆ この構えのまま“カット軌道でフェード”を打とうとすると?

もしアウトサイドイン(カット)軌道でフェードを作りにいくと、

  • フェースローテーションが過剰に入り

  • フェースはすぐに閉じ

  • 左方向へ 低い引っかけ球 になります

つまり:

この構えはカット軌道では使えない。
あくまで “インサイドから” 打たなければならない。

◆ では、どうやってフェードにするのか?

ここが “ローフェードの最大のポイント” です。

✔ クラブパスはインサイド

(IN→IN。決してカットではない)

✔ 手元は前(ハンドファースト)

→ ロフトが立つ
→ 低い打ち出し(Low)

✔ ボールが近くて左なので

→ 球体の「右側」を打つ形になる
→ ロフト面は“右を向いたように作用する”
実効フェースが右向き
→ スピン軸が右に傾き フェード になる

つまり:

クラブパスは右成分、
実効フェースはさらに右(弱い開き)。
この “ごく小さな差” が低スピンフェードを作る。


◆ ヒールが浮いて当たる → 実効フェースが右を向く

ローフェードの構えでは

  • クラブを短く握る

  • ハンドアップ

  • ヒールが浮く

この状態でインパクトすると、
ロフト面の3D構造上 実効フェースが右を向く(=フェード条件)。

これは 球体 × ロフトがあるフェース × ライ角変化 の結果であり、
Dプレーンでは説明されない “現実のフェース向き” の変化です。

◆ ローフェード最大の特徴

✔ クラブパスとフェースのズレが小さい

→ 無駄な横摩擦が生まれない
→ スピンロスしない

✔ スピン量自体は多くない

→ ロフトが立つから
→ つまり 飛距離が落ちない

✔ スピン軸だけが右に傾く(フェード)

→ 曲がりは小さく
→ しかし “フェードとしての形” は十分

つまり:

球は前に強く飛び、着地後は優しく右奥へ転がっていく。
ガードバンカー越えの攻略に理想的な弾道になる。


◆ プロはこの “感覚的ローフェード” を自然に打っている

ジョン・ラーム
ローリー・マキロイ
パトリック・キャントレー
トミー・フリートウッド
ビクトル・ホブラン

彼らがロングアイアンで見せる “押し込むフェード” は、
まさにこのメカニズムそのものです。

彼らは日々の練習で
「ボールが近く左にあると、こういう球が出る」 という
感覚を身体に染み込ませています。

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ロングアイアンでのローフェード

ロングアイアンでのローフェード、これが打てると、コース攻略の幅が広がります。

グリーンの右手前にガードバンカーが配置されたグリーンは雨の排水を考慮して、手前に受けそして奥に行くとバンカー方向に傾けられているグリーンが多くみられます。

プロの試合で、ロングショットが花道やその先のクリーンにキャリーして、スーッとホールに近づくように転がっていくショットは、グリーンの形状を把握して打つ素晴らしいショットです。
マスターズでピンプロが放ったあのアルバトロス、ウーストハイゼンのあの芸術的な軌道。あれが「ロングアイアンのローフェード」の象徴です。

この場合どのようにプロはショットしているのでしょうか?

ジョン・ラーム、ローリー・マキロイ、パトリック・キャントレー、トミー・フリートウッド、ビクトル・ホブランは決してボールをカットすることなしにローフェード(とはいってもプロのボールが高いです)を打っていると言えます。

ある日、知さんから、ローフェードはボールを近づけて少し左に置くんですよというレクチャーを受けます。えーっ、そんなことしたら逆でしょうと思いながら、素直(周りの人間は私が素直なんて思っていません)なんでトライしてみます。最初は上手くいきませんでしたが、だんだん、そうなっだったのかローフェードとなってきました。

このショットは
✔ カット軌道にはならない
(=アウトサイドインではない)
→ スピンロスがない

✔ スピン量は増えない
(むしろロフトが立つので“少なめのスピン”)
→ ロングショットに有利

✔ スピン軸だけがフェードに傾く
(=フェース向きによって“わずかに右回転”がつく)
→ 曲がりは小さい・飛距離は落ちない

🔵 なぜ “カット軌道にならないのにフェード” が成立するのか?

その答えは下記3条件が同時に起きるため:

◆ ① ローボール=ローポイントが前へ移動
→ ヘッドはインサイドから入る(IN → IN 型軌道)

◆ ①クラブ軌道は
決してアウトサイドイン(カット)にならない。
つまり、軌道の右成分が強い
スピンを増やす“横の摩擦成分”が少ない
スピンロスしない

◆ ② ロフトが立つ → スピン量が増えない
ローボールを打つ意図で手元が前となりますので
ロフトが立つ
スピンロフトが小さくなる
すると:
➤ スピン量は増えない

むしろ ドロー風の低スピン に近い数値になる。

つまり、
“フェードのスピン量”ではなく“ローボールのスピン量” が得られる。

→ ロングショットに非常に有利。

◆ ③ スピン軸だけが“フェード方向”に傾く

ポイントはここ。
軌道は右成分(インサイド寄り)でも、
フェースの実効向きが“軌道より少し右”になる と
ボールは左回転ではなく 右回転
ただし差が小さいので 横スピン量は大きくない

結果:
✔ スピン軸はわずかに右傾き(フェード)
✔ スピン量は少ない
✔ 打ち出しは強いプッシュ気味
✔ だが戻り幅は小さい(“押し込むフェード”)

🔥 つまり、こういう弾道
打ち出し:右(プッシュ系)
軌道:インサイド to インサイド(=カットではない)
スピン量:少ない(ロフト立つ)
スピン軸:わずかに右傾き(フェード)

結果:低くて強い、飛距離の落ちないフェード
となります。

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同じロフトのFWとUTだったらどっちを選べばいいのか?

同じロフトでも飛距離が違う理由と、FW/HYBRIDを選ぶための「目安」

近年はクラブの性能が大きく進化し、
「スイングタイプによる差」や「つかまりの差」だけでは語れないほど、
フェアウェイウッド(FW)とハイブリッド(HY/UT)の性能差が明確になっています。

VS

もちろん、最終的にはフィッティングが正解を教えてくれます。
しかし、クラブを検討するうえで “目安” があると安心です。

そこで、現状のデータとフィッティング傾向から
FWとHYBRIDをどう選ぶべきか を整理ました。

“同じロフトのFWとUTだったらどっちを選べばいいのか?” の続きを読む