数字で見る「スコアメイクの正体」
前回は、
仕込みのミスは、仕上げである程度カバーできることがある。
しかし、仕上げのミスは、そのホールの中ではカバーしにくい。
という話を書きました。
今回は、その感覚的な話を、少し数字で見てみます。
ゴルフは感覚のゲームでもありますが、スコアそのものは極めて単純です。
何打で終えたか。
それだけです。
ですから、ショートアプローチとパットをまとめた仕上げが、実際にどれくらい打数差を生むのかを見ていくと、スコアメイクの中身がかなりはっきりしてきます。
まず前提をそろえます
ここでは分かりやすくするために、1ラウンドで
グリーンを8回外した
と仮定します。
そして、その8回について、
- ショートアプローチ
- その後のパット
をまとめて、仕上げとして考えます。
つまり見たいのは、
グリーンを外したあと、何打で片づけているか
です。
ここを細かく「アプローチが良かった」「パットが惜しかった」と分けるよりも、
まずは結果として何打かかったかで見たほうが、スコアとのつながりははっきりします。
パターンA
2打で片づく回数が多い場合
たとえば、グリーンを外した8回のうち、
- 2打で片づいたのが4回
- 3打かかったのが4回
だったとします。
すると、仕上げに使った打数は
- 2打 × 4回 = 8打
- 3打 × 4回 = 12打
ですから、合計は
20打
になります。
これは、言い換えれば
- 寄せワンが4回
- 乗せて2パットが4回
というような形です。
少し外しても、ある程度寄せて、入るものは入る。
入らなくても、3打以内では収まっている。
そんな仕上げです。
パターンB
3打、4打が増える場合
では、別のパターンを考えます。
同じくグリーンを8回外しているのですが、
- 2打で片づいたのが1回
- 3打かかったのが5回
- 4打かかったのが2回
だったとします。
すると、
- 2打 × 1回 = 2打
- 3打 × 5回 = 15打
- 4打 × 2回 = 8打
合計は
25打
になります。
つまり、同じ「グリーンを8回外した」という前提でも、
仕上げの内容が違うだけで、5打差つくわけです。
この5打差は小さくありません。
90が85になる。
85が80になる。
そのくらいの差です。
しかも、これは飛距離の差ではありません。
ドライバーのナイスショットの数の差でもありません。
仕上げの差です。
1回の差は小さく見える
ここが、仕上げの難しいところだと思います。
仕上げのミスは、1回だけ見ると大きく見えません。
- 少し寄らなかった
- 1.5メートルが入らなかった
- 2打で済むところが3打になった
- 3打で済むところが4打になった
どれも、1回ごとに見れば「たった1打」です。
しかも、OBや池のように派手ではありません。
だから印象に残りにくい。
しかしゴルフは、そういう“たった1打”が積み重なるゲームです。
グリーンを外した場面が8回あれば、そのたびに
- 2打で終えるのか
- 3打かかるのか
- 4打まで行くのか
が発生します。
この差が静かに積み上がっていく。
これが、仕上げの怖さです。
平均0.5打の差でも、ラウンドでは大きい
もう少しシンプルに見るなら、
1回あたり平均0.5打の差
でも十分です。
たとえば、グリーンを外した8回で、
- ある人は平均2.5打で片づける
- ある人は平均3.0打かかる
とします。
この差は、1回あたりではたった0.5打です。
でも、8回あれば
8回 × 0.5打 = 4打差
になります。
4打差というのは、スコアでは非常に大きい差です。
「今日はショットはそんなに変わらなかったのに、なぜか結果だけ違う」
というラウンドは、実はこのあたりで説明できることが少なくありません。
仕込みとの違いは、ここにある
ここで、仕込みと比べると違いがはっきりします。
仕込みのミスは、たとえば
- OB
- 池
- 林から出すだけ
のように、1回の損失が大きいです。
そのぶん、本人にも周囲にも分かりやすい。
一方で、仕上げのミスは
- 寄らない
- 入らない
- 3打かかる
- 4打かかる
という形で、1回あたりの傷は浅く見えます。
しかし、その場面は何度も出てきます。
だからこそ、ラウンド全体では大きな差になります。
つまり、
- 仕込みは一発の事故
- 仕上げは静かに積み上がる損失
です。
前者は目立ちます。
後者は目立たない。
でも、帳簿にはしっかり残ります。
具体的には、こういうことです
たとえば、あるホールで
- ティショットは少しラフ
- セカンドでグリーン近くまで運ぶ
- アプローチを寄せる
- パットを決める
これなら、仕込みが完璧でなくてもパーが残ることがあります。
一方で、
- ティショットはフェアウェイ
- セカンドも悪くない
- しかしアプローチが寄らない
- パットも入らない
となれば、ボギーになります。
さらに、
- アプローチを少しミスする
- そのあと3パット気味になる
と、一気にダブルボギーも見えてきます。
ここで大事なのは、途中のショットの見栄えではありません。
最後を何打で終えたかです。
だから、スコアを本当に動かしているのは、目立つショットよりも、最後の数打であることが少なくないのです。
なぜ「スコアメイクの要は仕上げ」と言えるのか
この3話を通して言いたかったことは、ここに尽きます。
ゴルフは、ナイスショットの数を競うゲームではありません。
何打で上がるかを競うゲームです。
その意味で、
- 仕込みはホールを楽にする
- 仕上げはホールの数字を決める
という役割の違いがあります。
仕込みが少し悪くても、仕上げで助かることはあります。
しかし仕上げでミスすると、そのまま1打として残りやすい。
そしてその1打は、1回だけなら小さく見えても、18ホールでは静かに積み上がっていきます。
だから、スコアメイクを考えるなら、
やはり目を向けるべきは
最後を何打で片づけているか
ということになるのだと思います。
まとめ
グリーンを8回外したとして、
- 2打で片づく回数が多ければ 20打
- 3打、4打が増えれば 25打
この時点で、5打差です。
また、1回あたりの差がたった0.5打でも、
- 8回あれば 4打差
になります。
仕上げのミスは、1回だけでは小さく見えます。
しかし、18ホールでは確実に積み上がります。
飛距離差のように目立たなくても、
会心のショットのように記憶に残らなくても、
帳簿を動かしているのは、こういう差です。
だから私は、
スコアメイクの要は、やはり仕上げにある。
そう考えています。
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