見る場所が決まると、打つ前の時間も決まる

店長は、SCOTTSDALE TECのいちばん面白いところはここだと思っています。

長いラインやドットは、ただ
「ここを見てください」
と場所を示しているだけではありません。

実際には、
どこに視線を置くか
だけでなく、
いつまでそこに意識を置いていられるか
まで決めてしまうからです。

これは、男子トイレの小便器に目印が付いているのと少し似ています。

あれは単なる飾りではありません。
目印があることで、人は自然とそこに意識が集まり、結果として狙いが定まりやすくなります。

つまり目印には、
見る場所を与えるだけでなく、動きを整える働き
まであるわけです。

SCOTTSDALE TECのドットや長いラインも、それに近いものがあります。

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クワイエット・アイを、PINGはどう道具にしたのか

クワイエット・アイを、PINGはどう道具に落とし込んだのか

これまで見てきたように、クワイエット・アイ(QE)とは、
動作の直前に、重要な対象へ視線を静かに安定させること
でした。PINGもSCOTTSDALE TECの説明で、QEを「最後に安定した視線」と説明し、視線の揺れが判断や動作のブレにつながるとしています。さらに、PINGはその原因を「打つ前の視線」に見出し、EYE-Qとして製品化したと述べています。

では、どのように道具へ落とし込んだのか。

店長は、大きく分けて3つあると思っています。

ひとつ目は、
視線を集める“点”と“線”を作ったことです。

日本の製品ページでは、SCOTTSDALE TECは
ヘッド形状、カラーリング、ドット、長いサイトラインで、視線の明確な集中ポイントを作ったヘッド構造
だと説明されています。さらに佐久間朱莉プロのコメントでも、
ドットや長い線のおかげで、ヘッドの動きが残像として残りやすく、軌道をイメージしながらストロークしやすい
とされています。

つまりPINGは、
ただ「真っすぐ合わせるための線」を引いたのではなく、
どこに視線を置き、どのように集中させるか
まで考えて、ヘッドの見え方を作っているわけです。 “クワイエット・アイを、PINGはどう道具にしたのか” の続きを読む

クワイエット・アイは何を変えるのか(クワイエット・アイをPINGはどう見たのか)

おそらく店長が木場本先生と知さんからクワイエット・アイ(QE)という考え方を聞いたのは、2011年のこの論文が発表された後だったと思います。

この論文の中で引用されている最も古い研究は1990年のものでした。
つまり、QEという考え方は最近突然出てきたものではなく、すでにかなり長い蓄積を持ったテーマだということが分かります。

2011年の論文では、QEトレーニングの方法も紹介されています。
教わった内容も、だいたいその考え方に沿ったものです。

  1. 構えを取り、まずはボール後方からターゲットを確認する。
  2. ボールの上に構えたら、ホールを見る回数は多くしすぎない。
  3. そして最後は、ボール後方、あるいはボール背面の一点に視線を静かに固定する。
  4. QEはストローク開始前に始まり、2〜3秒続く。
  5. さらに、バックスイング中もフォアスイング中もクラブヘッドを目で追わない。
  6. そしてインパクト後も、視線はすぐに離さず、しばらくその場所にとどまる。

大まかに言えば、そのような内容です。 “クワイエット・アイは何を変えるのか(クワイエット・アイをPINGはどう見たのか)” の続きを読む

正しい接点関係でインパクトできれば、その瞬間のフェース向きは幾何学的に決まる

パッティングで方向を合わせようとすると、多くの方はフェースの向きを気にします。

ですが、ここに落とし穴があります。

店長がパッティングのコツを先生や知さんに聞いたのは、まさにパターの向きを気にするあまり、おかしくなっていた時期でした。
その教えを実践することで、実は方向性まで確保していたのだと気づいたのは、もう少し後になってからでした。 “正しい接点関係でインパクトできれば、その瞬間のフェース向きは幾何学的に決まる” の続きを読む

「視線」がテーマのパターなんて、最初は正直ピンときません――SCOTTSDALE TEC

現在のPINGのシリーズの中でも、もっともコンセプトがユニークなのがこれです。

昨日は富山シティゴルフさんで荒木フィッターの試打会がありましたので、スタジオでのフィッティング後にお邪魔してきました。

そこで改めて感じたのですが、このシリーズが掲げる「視線」というテーマは、なかなか説明が難しいんです。

その感覚はよく分かります。

というのも、これまでのPINGは、重心設計や慣性モーメント、素材、構造といった、いわば“機械的な要素”を強みとして打ち出すことが多かったからです。
ですから、いきなり「視線です」と言われても、それがどのように効果につながるのか、そもそもそんなことがそれほど重要なのか、すぐにはピンとこないのも当然だと思います。 “「視線」がテーマのパターなんて、最初は正直ピンときません――SCOTTSDALE TEC” の続きを読む

見える形ではなく、見えない原則を覚える

練習器具には、左手首をフラットに保つもの、右手首の背屈を意識させるもの、ハンドファーストを覚えさせるものなど、実にいろいろな器具があります。

そして、それらの多くは確かに間違ってはいません。
左手首がフラットであること。
右手首に背屈があること。
インパクトで手元が先行していること。
どれも大切な条件です。

ですが、そうした器具を見ていると、以前からどうしても感じることがあります。

それは、多くの器具が「形」を教えようとしているということです。 “見える形ではなく、見えない原則を覚える” の続きを読む

地面反力は新理論なのか

久しぶりにお会いしたお客様に調子を伺うと、
「股関節が痛いんです」
とのことでした。

その箇所を痛めるようなスイングではなかったはずなので、
まずは素振りでいいので振ってみてくださいとお願いしました。

すると、すぐに原因らしきものが見えました。
以前には見られなかった、右足でぐっと骨盤を押し込むような動きに変わっていたのです。

「今、どのようなことを意識して振っているのですか?」
とお聞きすると、返ってきたのは、
「地面反力を使うように指導されているんです」
という言葉でした。 “地面反力は新理論なのか” の続きを読む

ザゴルフィンマシーンの原理 ラインオブコンプレッション 圧力の方向

ラインオフコンプレッションはTGMのメインコンセプトです。

先ずは知さんのyoutubeを見てみましょう。

ブログは「距離を出すための絶対要素」です。

ゴルフィングマシンの英語版は当社から購入出来ます。日本語版は現在交渉中ですが、ネット購入できます。

中学生H君を指導していてよく感じるのは、うまく当たり始めたときほど、かえって飛ばそうとして失敗することです。 “ザゴルフィンマシーンの原理 ラインオブコンプレッション 圧力の方向” の続きを読む

Episode 89 – i540 Irons の解説3

PING GOLF JAPANより、USでの発表が遅れていましたが、ようやくUSでも発表され、「Episode 89 – i540 Irons」がアップロードされました。基本的にはiDiドライビングアイアンと同じテクノロジーを使用していますが、詳細を知るにはこの動画最適です。

この会話の抜き出した12のポイントを3回に分けて解説します。今回は3回目です。

翻訳はこちらをご覧ください。 “Episode 89 – i540 Irons の解説3” の続きを読む

Episode 89 – i540 Irons の解説2

PING GOLF JAPANより、USでの発表が遅れていましたが、ようやくUSでも発表され、「Episode 89 – i540 Irons」がアップロードされました。基本的にはiDiドライビングアイアンと同じテクノロジーを使用していますが、詳細を知るにはこの動画が最適です。

この会話の抜き出した12のポイントを3回に分けて解説します。今回2回目です。いよいよ核心に入ります。

翻訳はこちらをご覧ください。

5. i540の核となる技術

カバードキャビティ構造

従来の「中空」というより、covered cavity design と表現されている構造です。
背面を開けて内部に部材を入れ、最後にバッジでふさぐ構造になっています。

PING GOLF JAPANでは、分かりやすさから「中空」と表現することもありますが、その言い方ではiDiドライビングアイアンやi540アイアンの特徴を正確に伝えきれない面があります。

C300フェース材

C300フェース素材とは、PINGがアイアンやウッドのフェース材に使っている高強度のマレージング鋼系素材です。
降伏強度が高く、強い力がかかっても壊れにくいため、非常に薄く作ることができます。

フェースを薄くできるということは、

  • フェースやヘッド全体をしなりやすくできる
  • 軽量化できる
  • 余剰重量を低重心化に回せる

という大きなメリットにつながります。

新しいテクノロジーは、ちょっとした発想の転換によって大きな効果を生みます。
カーステンのANSERアイアンの発想も、聞けば「なるほど」と思えるものですが、その発想にたどり着くまでのハードルは高かったはずです。
フェースを薄くし、その余剰重量を低重心化に回すという考え方も、同じようにシンプルでありながら非常に価値のある発想だと思います。

インナーエアインサート

ヘッド内部で振動を抑え、打感・打音をより落ち着いたものにするための技術です。
高く響く音を抑え、より“ミュートされた”打音を実現することが狙いです。

Iビーム構造

背面を開けたことで失われた強度を補う補強材です。
橋のIビームのように、開口部をまたいで剛性と耐久性を確保する役割を担っています。

なぜか「Iビームが振動を吸収する」と説明する動画も見かけましたが、結果としてそのような副次的効果があったとしても、本来の目的は、背面を開けた構造を補強することにあります。
この構造によって背面側の不要な重量を削減でき、そのぶん低重心化にも寄与していると考えられます。

6. i540は「飛ぶだけ」でなく「止まる」ことを重視

PINGは、単にフィッティングベイで飛ぶだけではなく、コースで使えることを重視しています。
そのためi540は、

  • 飛距離
  • 高さ
  • グリーンでの止まりやすさ

を両立させる設計になっています。
キーワードは “distance with stopping power” です。

アイアンにおいて、飛ぶこと自体はもちろん大きな価値ですが、止まらないことはむしろ欠点になります。
その意味で、この方向性は極めて当然であり、また非常に重要だと思います。

7. 重心を下げて、飛び過ぎ・飛ばなさ過ぎのばらつきを抑える

以前のi500では、重心がやや高く、打点とのズレによって

  • 普通のショットが少し飛ばない
  • ラフからの1球が異常に飛ぶ

といったばらつきが起こりやすかったようです。
i540では重心をより低くし、実際の打点位置と重心を近づけることで、距離の安定性を高めています。

フェースを薄くすることで生まれた余剰重量を、タングステンウェイトなどを用いてソール側へ配分し、低重心化を図っている点が大きいのでしょう。
それが縦距離の安定性に大きく寄与しているようです。
G440Kで縦方向の慣性モーメント向上が話題になったのと同様に、こちらも結果として縦距離の安定性に効いていると見てよいと思います。

8. フェースだけでなく“ヘッド全体”でたわませる発想

局所的なホットスポットを作るのではなく、アイアン全体がしなる構造を目指している点も重要です。
これによって、極端な飛びすぎ・飛ばなさすぎのムラを減らそうとしています。

iDiドライビングアイアンは、ヘッドの厚みを持たせて、前に強いボールを出すことを狙ったクラブに見えます。
一方のi540アイアンは、ヘッドの厚みを抑えつつ全体をたわませることで、どこに当たっても似た結果が出るように設計されているのだと思います。

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