ゴルフの常識は本当なのか? ― Mythbusters(ゴルフの俗説を検証)

Mythbusters(ゴルフの俗説を検証)面白そうな問題です。

出演者

  • シェーン・ベーコン(Shane Bacon):司会

  • マーティ・ジェーソン(Marty Jertson):PINGの研究開発担当者また、二人が面白そうなテーマを動画にしていますので、のぞき見してみましょう。ゴルフの俗説はいろいろなありますが、どのような俗説を取り上げ、どのように解説するのか楽しみですね。

    シェーン:

    皆さん、こんにちは。PING Proving Grounds Podcastへようこそ。

    今日のエピソードでは、これからも定期的に続けていきたい企画を始めようと思います。

    テーマは「ゴルフの俗説を検証する」、いわばゴルフ版の Mythbusters です。

    マーティ、あなたは非常に頭のいい人です。長年ゴルフを研究し、選手としても優秀で、世界各地で高いレベルの競技ゴルフを経験しています。

    それでも、ゴルフでは昔からさまざまな決まり文句が言われていますよね。

    今日は、そうした言葉について、データや数字を使いながら詳しく検証してみたいと思います。

    どうですか?

    マーティ:いいですね、シェーン。とても面白いテーマだと思います。PINGの研究チームでも、私たちは同じような考え方をしています。
    昔から言われていることには、少しは真実が含まれているかもしれませんし、まったく正しくないものもあるでしょう。
    ただし、俗説を丸ごと否定するのではなく、その中に正しい部分があるのかどうかを見極めることが重要です。
    さっそく検証してみましょう。

    シェーン:左打ちの私がよく言われるのは、練習場で年配の方から「ボールの反対側に立っているよ」と言われることです。
    でも、厳密に言えば、私はボールの right side(正しい側/右側) に立っているんですけどね(笑)。
    さて、最初に取り上げるのは、最もよく耳にする言葉でしょう。

  • 第1話は. 「ドライバー は ショー、パター は マネー」は本当か?「Drive for show, putt for dough」

    つまり、「ドライバーは見せるため、パターは稼ぐため」という言葉です。

    現在のゴルフでは、ドライバーショットが最も重要だと考えられるようになっています。

    それでも2026年になった今も、この言葉が頻繁に使われていますよね。

    マーティ:本当によく聞きます。
    「グリーンに乗るまでに何をしたかは関係ない。結局はパッティングがすべてだ」
    「ショートゲームが何より大切だ」
    といった考え方ですね。
    この問題を本格的に解明したのが、マーク・ブローディ教授の著書『Every Shot Counts』だと思います。
    彼の息子のクリス・ブローディは、現在私の研究グループで働いていて、さまざまな分析ツールの開発やデータ解析に携わっています。
    『Every Shot Counts』は、いわばゴルフ版の『マネーボール』です。
    ストロークス・ゲインドという考え方を広め、ゴルフの上達に何が本当に重要なのかを理解するきっかけとなった本です。
    この本が優れているのは、優秀なコーチや選手たちが経験的に理解し、すでに実践していたことを、数字によって解き明かした点です。

    例えば、ビジェイ・シンを考えてみましょう。

    彼は決してパッティングが得意な選手ではありませんでした。平均的なパッティング能力でありながら、素晴らしい成績を残しました。

    どうしてそれが可能だったのでしょうか?

    それは、圧倒的なドライバーショットと、非常に精度の高いアイアンショットがあったからです。

    現代でも、同じことが見られます。

    スコッティ・シェフラーも、ここ1〜2年はパッティングが向上していますが、それ以前にはドライバーとボールストライキングの能力によって圧倒的な成績を残した時期がありました。

    私は、ドライバーショットを家の基礎に例えています。

    ゴルフという家を建てるなら、ドライバーショットがその基礎になるのです。

    なぜ重要なのか。

    ティーショットが10ヤード伸びれば、グリーンを狙うクラブが1番手短くなります。
    20ヤード伸びれば、2番手短くなるわけです。
    この効果は積み重なっていきます。飛距離が伸びれば、グリーンまでの距離が短くなり、短いクラブで打つことができます。短いクラブで打てれば、ピンに近づけやすくなります。バンカーを越えやすくなり、硬いグリーンでもボールを止めやすくなります。つまり、ドライバーの飛距離は、その後のプレー全体を容易にする効果があるのです。

    さらに、ドライバーショットの能力は比較的安定していて、予測しやすいという特徴があります。

    例えば、ここProving Groundsにフィッティングのために来たゴルファーや大学生選手の能力を評価するとしましょう。

    その人の過去の成績を知らなくても、ドライバーを5〜10球打ってもらえば、かなり正確に能力を把握できます。ボール初速や左右の分散を見れば、その人がどの程度のドライバーショットを打てるのかがわかるのです。

    一方、パッティングの能力を判断するには、もっと多くの試行回数が必要です。パッティングは日による変動が大きいからです。

    したがって、私の結論はこうです。ドライバーが土台であり、パッティングはその次に重要な要素です。もちろん、その差はそれほど大きくありません。

    私は、こう表現するのが好きです。

    「Drive for dough, putt to win」

    つまり、「ドライバーで稼ぎ、パターで勝つ」

    ということです。

    ドライバーによって安定して優れた成績を残し、パッティングが特によかった週に優勝するのです。

    シェーン:面白いですね。

    私は42歳ですが、私たちが育った時代は、ティーショットで必ずしもドライバーを使わない選手が多かったと思います。フェアウェイに確実に置くために、短いクラブを選ぶわけです。

    しかし2000年代の初め頃から、たとえラフに入っても、ボールをできるだけ前に進めることの重要性が理解され始めました。

    ビジェイ・シンについて、印象に残っている統計があります。
    どの全英オープンだったかは忘れましたが、2ラウンド終了時点で、彼のドライビング・アキュラシーは出場選手中最下位だったのに、パーオン率は1位だったのです。当時から、ティーショットを遠くまで飛ばすことの価値を理解していた選手がいたのです。

    そこで質問です。

    この考え方は、プロだけでなくアマチュアにも当てはまりますか?アマチュアでもドライバーが最も重要で、パッティングが2番目なのでしょうか?

    マーティ:はい。基本的には同じです。

    とても重要な質問ですね。

    ツアープロの統計を、そのままハンディキャップ10や20のアマチュアに当てはめてよいとは限りません。技術レベルによって、数字や関係性が変わる可能性はあります。

    しかし、ドライバーとパッティングの相対的な重要性は、おおむね変わりません。むしろ、技術レベルが低いゴルファーほど、飛距離に少し重点を置いた方がよいと考えています。

    クラブヘッドスピードを高めることや、ドライバーのフィッティングで飛距離を伸ばすことを、もう少し重視してもよいでしょう。

    ただし、大きな注意点があります。

    ペナルティを伴うショットは避けなければなりません。当然、これはコースのレイアウトによって異なります。

    しかし一般論として、ドライバーの能力向上に積極的に取り組むことを勧めます。

    私自身、練習に対する考え方を変えました。以前は「練習場でドライバーばかり打たず、パッティングに時間を使いなさい」と考えていました。

    しかし今は違います。

    子どもたちを指導するときも、

    「ドライバーをどんどん打ちなさい。ボール初速を上げなさい。スピードトレーニングもしなさい」

    と言っています。

    若い選手たちを見ても、ドライバーの能力が非常に重要になっていることがわかります。
    もちろん、理想は両方を練習することです。
    アイアンショットも練習して、パーオン率を上げる必要があります。

    そのうえで、ドライバーを強化しながらペナルティを避けることが大切です。

    シェーン:最近のPGAツアーのデータを見ても興味深いですね。

    今シーズンのストロークス・ゲインド・オフ・ザ・ティーの上位5人は、ニール・シプリー、ローリー・マキロイ、マイケル・ブレナン、キース・ミッチェル、スコッティ・シェフラーでした。

    一方、パッティングの上位には、ジェイコブ・ブリッジマン、ビンス・ウェイリー、アレックス・ノレン、サム・バーンズ、マーベリック・マクニーリーが並びます。

    顔ぶれがかなり違いますね。

    世界最高レベルのゴルファーたちを見ると、ドライバーの能力がほかの技術以上に競争力を高めているように感じます。

    マーティ:そのとおりです。

    一般的なゴルファーにとって、まず重要なのはパーオン率を上げることです。PGAツアーのトップレベルになると、今度はアプローチのストロークス・ゲインドや、ピンへの近接距離が選手の差を生み出します。

    スコッティ・シェフラーは、その能力が極めて優れています。

    彼のような選手は、ピンの位置に応じてボールを自在に打ち分けます。
    しかし、一般的なアマチュアなら、まずグリーン中央までの距離を打ち、できるだけ多くパーオンすることを考えればよいのです。

    そして、ドライバーがよくなれば、それが実現しやすくなります。

    これが、先ほど説明した飛距離の複合的な効果です。

    ただし、パッティングの重要性を軽視しているわけではありません。

    パッティングはドライバーに次ぐ、非常に重要な要素です。

    アマチュアがパッティングを練習するときは、特に次の2点に重点を置くとよいでしょう。

    1. 25フィート(約7.6m)以上からの3パットを減らすこと。

    2. 4〜8フィート(約1.2〜2.4m)のパットの成功率を上げること。

    この2つが改善されれば、パッティングの成績は大きく向上します。

    シェーン:昔、「Drive for show, putt for dough」と言われるたびに思っていました。
    「6打目でパッティングをしているようでは、パターで稼ぐのも難しいだろう」と(笑)。
    やはり、ティーショットを遠く、正確に打つ能力は重要ですね。

 

握り方が違えば、適したグリップの太さも変わる

ここまで、グリップの太さと、保持や力の伝わり方について考えてきました。

最終回は、フィンガーグリップとパームグリップを比較しながら、太さの選び方を整理してみたいと思います。

指で保持するか、手のひら側で保持するか

フィンガーグリップは、主に指側でクラブを保持する握り方です。一方、パームグリップは、より手のひら側にグリップを収めて保持します。

実際の握り方には、その中間もあります。フィンガーでも手のひらに接触しますし、パームでも指を使います。ここでは、左手のどの位置で主に保持しているか、という違いとして考えてください。以下は右打ちの場合のお話です。

比較する点 フィンガーグリップ パームグリップ
主に保持する位置 指側 手のひら側
確認したいこと 曲げた指の内側に、十分な接触があるか 手のひら側に無理なく収まり、指でも支えられるか
握り込んだ際の動き グリップを巻き込んでいないか 接触位置がずれたり、クラブが回ったりしないか
太さを選ぶ出発点 チャートを基準に、指の掛かりと巻き込みを確認 チャートを基準に、収まりと保持感を確認

どちらが優れているかを決めるための比較ではありません。

同じ手の寸法、同じグリップの太さでも、保持する位置が違えば、接触の仕方も力の伝わり方も変わるということです。 “握り方が違えば、適したグリップの太さも変わる” の続きを読む

PINGの新たな仲間、キヘイ・アキナ(Kihei Akina)選手をご紹介

PINGが2026年9月30日、将来を期待される若手ゴルファー、キヘイ・アキナ(Kihei Akina)選手との契約を発表しました。

アキナ選手は、アメリカ・ハワイ州出身の20歳。現在、ブリガムヤング大学(BYU)に在籍する大学2年生です。

まだアマチュア選手ですが、すでにPGAツアーでも実績を残している注目の選手です。

ハワイ生まれのキヘイ・アキナ

アキナ選手はハワイ州オアフ島のカフクで生まれました。

Kihei(キヘイ)という名前は、曾祖父が漁師として働いていたマウイ島の地名に由来しているそうです。

幼い頃からスポーツに親しみ、最初に好きになったのはゴルフではなくバスケットボールでした。

父親のアランさんはBYUハワイ校でバスケットボールをプレーし、兄のキアヌさんはBYUのゴルフチームに所属していました。

スポーツ一家の中で育ったアキナ選手は、小学6年生の頃に家族とともにユタ州へ移住します。

その後、ローンピーク高校でゴルフの才能を開花させました。

全米トップクラスのジュニアから大学ゴルフへ

高校時代にはユタ州の個人選手権で3度優勝。

2023年にはUSA TODAYの全米高校男子ゴルファー・オブ・ザ・イヤーに選ばれました。

大学進学時には約50校から誘いを受け、最終的にBYUへの進学を決めました。

2025年には、19歳でユタ・オープンを制覇。大会史上最年少優勝という記録も打ち立てています。

大学1年目となった2025-26シーズンには、大学大会で2勝を挙げ、NCAA全米選手権では8位タイ。

さらに、全米最優秀大学1年生に贈られるフィル・ミケルソン賞を受賞しました。

PGAツアーでも結果を残す

アキナ選手の活躍は、大学ゴルフだけにとどまりません。

2026年3月のプエルトリコ・オープンでは16位タイ。

さらに10月のバンク・オブ・ユタ選手権では、4日間を67・67・65・65の通算20アンダーでプレーし、9位タイに入りました。

アマチュアでありながら、世界のトッププレーヤーが集まるPGAツアーでトップ10入りを果たしたのです。

また、2026年にはアメリカ代表としてウォーカーカップにも選出されています。

PINGとの契約

2026年9月、PINGはアキナ選手とのNIL契約を発表しました。

NILとは、Name(氏名)、Image(肖像)、Likeness(パブリシティに関わる権利)の略で、大学スポーツ選手が自身の知名度や肖像を商業的に利用できる仕組みです。

今回の契約では、大学の試合以外でPINGのクラブ14本を使用し、PINGのキャディバッグとキャップを着用することになっています。

アキナ選手は、ジュニア時代からPINGのクラブを使用してきたそうです。

契約発表に際して、PINGのカスタムフィッティングとクラブに関する知識が、自分のゴルフに大きな自信を与えてくれるとコメントしています。

PINGのジョン・K・ソルハイムCEOも、アキナ選手のジュニア時代からの実績と大学ゴルフでの活躍を高く評価しています。

これからが楽しみな選手

PINGはこれまでにも、多くの若い才能を支援してきました。

アキナ選手も、その一人になりました。

まだ20歳。大学ゴルフで活躍する一方、PGAツアーでも上位に入る実力を持っています。

これからどのようなゴルファーに成長していくのでしょうか。

日本ではまだ馴染みの薄い名前かもしれませんが、ぜひ覚えておいていただきたい選手です。

太くすると、フェースは返らなくなるのでしょうか?

店長の握り方は、指で保持するフィンガーグリップです。そのため、指を握り込む動きが、フェースのターンにつながります。

例えば、インパクトで「ボールに負けないように」「ラフに負けないように」と思う場面では、思わず指先に力が入ることがあります。その握り込みによってフェースが閉じ、ボールがつかまりすぎることがあるのです。

そこで店長は、左手で握る部分の下巻きテープを増やし、太さを調整しています。

目的は、指を握り込む余地を減らし、ぎゅっと握ってしまっても、フェースが必要以上に返らないようにすることです。

前回お話しした「太くして手首を使わなくする」のではなく、「指の握り込みによる巻き込みを抑える」という調整を、店長自身も行っています。

バックラインは、向きの目印だけではない?

お客様の中には、「バックラインのないグリップでは、手が痛くなる」という方もいらっしゃいます。

バックラインは、握る向きを確認する目印として知られています。しかし、それだけでしょうか。

重いバッグを持つとき、私たちは指をフック状に曲げ、その形で持ち手を支えます。ゴルフのグリップでも、指先から二つ目の関節、PIP関節を曲げた内側に、荷重を受けられる接触があることが重要だと店長は考えています。

ところが、グリップが細すぎると、その内側を十分に満たせず、さらに指を閉じて握り込まなければ、保持しにくくなる場合があります。

そこで、バックラインの膨らみです。

円形のグリップでは足りなかった部分を、バックラインが局所的に補うことで、指の掛かりと接触を作っている可能性があります。

つまり、バックラインの有無で変わるのは、向きの分かりやすさだけではなく、保持の仕方かもしれません。

もちろん、手の痛みの原因をこれだけで決めることはできません。ただ、「バックラインがないと痛い」という経験を、単なる好みで片付けず、接触位置や握る力の違いから考える価値はあると思います。

右手側を太くすると、何が変わるのでしょうか?

左手側を太くする店長の調整に対して、右手側を太くする方法もあります。

下巻きテープを右手側だけ増やしたり、Golf Prideの「+4」のように、あらかじめ右手側を太くした形状を選んだりする方法です。

ここでも、「太いから手首が使いにくくなる」という説明だけでは、十分ではありません。

指を握り込むこと以外にも、クラブに回転トルクを伝える仕組みがあるからです。

例えば、『The Golfing Machine』のPP#3に当たる、右手の人差し指とグリップの接触部を考えてみましょう。

ここから先は、その接触部を通じて力が伝わる仕組みについての、店長の考察です。

太くすると、小さい力で回せる面もある

シャフト軸まわりの回転について、グリップ表面に接線方向の力を加える場合、次の関係があります。

回転トルク=接線方向の力×半径

同じ力を伝えるなら、半径が大きいほうが、大きな回転トルクを得られます。言い換えれば、同じ回転トルクを伝えるための力は、太いほうが小さくて済みます。

一方、接触面を動かす距離が同じなら、太いほうが回転角は小さくなります。

つまり、太くすることで、

少ない力で回転トルクを伝えられる一方、同じ移動量に対する角度の変化は穏やかになる。

この二つが同時に成立します。

ここで説明しているのは、接触を通じたシャフト軸まわりの回転です。手首のコックそのものではありません。また、実際には接触する位置や力の方向、滑り、グリップの変形によっても結果が変わります。

テニスのラケット面をコントロールする場面を考えると、分かりやすいかもしれません。

グリップの太さは、手の動きを止めるためだけの寸法ではなく、面を支え、面の向きを変える力を伝えるための寸法でもあるのです。

太くすると、ターンを抑える場合も、促す場合もある

ここまで考えると、「太いグリップはフェースが返らない」と一括りにはできません。

店長の左手側の調整では、太くすることで指の握り込みによる巻き込みを抑えようとしています。

一方、PP#3での接触を通じて力を伝える場合には、太くすることで回転トルクを伝えやすくなり、フェースのターンを促す場合も考えられます。

同じ「太くする」という変更でも、どこで、どのように力を伝えているかによって、結果が変わるのです。

ですから、左へ飛ぶから太くする、右へ飛ぶから細くする、と球筋だけで決めることはできません。

左手の握り込みがターンを生んでいるのか。右手の接触を通じて、どのように回転トルクを伝えているのか。太さを変えることで、それぞれがどう変化するのかを見る必要があります。

グリップの太さは、力の伝わり方を調整する寸法

グリップは、ゴルファーとクラブをつなぐ唯一の接点です。

しかし、その接点では、クラブを保持するだけでなく、クラブからの力を受け止め、手から力や回転トルクを伝えています。

そこで店長は、無理のない指の形で、手とグリップが広く接し、摩擦や指の掛かりを利用して保持できる状態を作りたいと考えています。

そのために調整するのが、全体の太さ、左右それぞれの太さ、テーパー、そしてバックラインです。

グリップの太さは、手の大きさに合わせるための寸法であると同時に、力の伝わり方を調整するための寸法でもあります。

「細いと返る、太いと返らない」から、もう一歩先へ。

皆さんも、ご自身の指がグリップにどう接し、どの動きによってフェースが回るのか、一度確認してみてはいかがでしょうか。

宇宙は数学(数式)の言語で書かれているなら、ゴルフも数学で書かれているのか? 第1話

第1話 ゴルフスイングは、なぜこんなに難しいのか?

いきなり壮大なタイトルで始まりましたが、今回から少し変わったシリーズを始めたいと思います。

「宇宙は数学という言語で書かれている」

これはガリレオ・ガリレイの有名な言葉です。

地球も宇宙の一部です。そして、私たちが楽しんでいるゴルフも、この宇宙で起きている現象です。

だったら、ゴルフも数学で書かれているのでしょうか?

テーマは「数学とゴルフ」。

数学と聞いただけで、読むのをやめようと思った方、ちょっと待ってください。

難しい数式を並べるつもりはありません。

そもそも数学とは、数式を計算することだけではなく、物事の関係や仕組みを論理的に考えることでもあると思うんです。

今回は、その考え方を使って、ゴルフスイングについて考えてみようと思います。

しかも、今回は店長一人ではありません。

今回のシリーズは、こうした一見ばらばらに見えるものが、実はつながっているのではないか、というところから始まります。

しかも、今回は店長一人ではありません。

最近、いろいろなことを議論しているAI、ChatGPTを相棒に話を進めていきたいと思います。

AIは膨大な知識を持っていますが、必ずしも店長の考えていることをすぐに理解してくれるわけではありません。

さて、どうなることでしょう。

ゴルフスイングは複雑なのか?

店長: 「ゴルフスイングって、そんなに複雑なものなんでしょうか?」

AI: 「ゴルフスイングは、身体の多数の関節が連動する複雑な三次元運動です。運動学、動力学、生体力学など、さまざまな分野から解析されています。」

店長: 「やっぱり、そういう答えになりますよね。」

現在では、ゴルフスイングを分析する技術も大きく進歩しています。

例えば、GEARSというスイング解析システムがあります。

複数のカメラと身体やクラブに取り付けたマーカーによって、ゴルファーの動きを三次元的に解析するシステムです。

身体のどの部分が、どのタイミングで、どの方向に動いているのか。

以前では考えられなかったほど詳細に分析できるようになりました。

もちろん、こうした計測技術は素晴らしいものです。

ただ、店長には一つ疑問があります。

それほど詳しく動きを調べられるようになったのに、ゴルフスイングは簡単になったのでしょうか?

ところが、上級者は難しそうなことをしているようには見えません。

いとも簡単に、狙ったところへボールを運んでいきます。

本当にゴルフスイングそのものが複雑なのでしょうか?

AI: 「測定によって動作を客観的に把握できますが、それだけでスイングが改善するとは限りません。」

店長: 「そうですよね。何が起きているか分かることと、なぜ起きているか分かることは違いますから。」

例えば、インパクトで手首が返っていたとします。

その動きを計測することはできます。

しかし、なぜ手首が返ったのでしょうか?

手首を積極的に動かしたのでしょうか?

それとも、身体の別の部分の動きによって、結果的に手首が返ったのでしょうか?

ここを間違えると、対策も違ってきます。

ゴルフを研究した二人のエンジニア

ゴルフの歴史には、工学的な発想によって大きな影響を与えた人物がいます。

一人は、PINGの創業者、カーステン・ソルハイム。

もう一人は、『The Golfing Machine』の著者、ホーマー・ケリーです。

カーステンは、クラブの構造を変えることで、ゴルファーがより良い結果を得られるようにしました。

一方、ケリーはゴルフス

グリップの太さに、店長の「味変」を加えてみます

前回は、グリップの種類と、PINGのグリップカラーコードチャートをご紹介しました。

今回は、そのチャートを出発点に、グリップの太さを少し違う角度から考えてみたいと思います。

まず、一般的に言われている説明を並べてみましょう。

細いグリップ 太いグリップ
手首を使いやすい 手首の余計な動きを抑える
フェースを返しやすく、球がつかまりやすい フェースの返りすぎを抑え、引っかけを防ぐ
操作性が高い 方向性が安定する
小さい手に合いやすい 大きい手に合いやすい

太いグリップには、「握る力を減らしやすい」「手の負担を軽減しやすい」という説明もあります。

経験上、思い当たる方もいらっしゃるでしょう。しかし、ここで考えたいのは、その変化が、なぜ起きるのかということです。

球がつかまったら、手首を使ったのでしょうか?

細いグリップに替えて、球がつかまるようになった。

この変化を、「手首を使いやすくなったから」と説明することがあります。しかし、フェースが閉じたことと、手首の関節が動いたことは、同じではありません。

試しに、クラブを左手だけで持ち、腕や手首の向きをできるだけ変えずに、指をゆっくり握り込んでみてください。

保持する位置や握り方によっては、グリップが手の中で巻き込まれ、フェースが閉じる方向に動くことがあります。

これは、指の動きがクラブの回転に変わったものです。

この動きによって球がつかまったのであれば、「手首を使いやすくなった」と説明するだけでは、実際に起きていることを見落としてしまいます。

PINGのチャートで、注目したいところ

前回のPINGのグリップチャートを、もう一度見てください。

同じ手の長さでも、指が長い方には、太いグリップが推奨されています。

指が長いから、太くする。

寸法の関係としては分かりますが、それが保持の仕方にどう関係するのでしょうか。

ここで、重いバッグを手で持つ場面を想像してください。

持ち手を握り潰すように締め付けなくても、指をフック状に曲げれば、その形で重さを受けられます。もちろん、指の形を保つ筋力は必要ですが、強く握り締めることとは違います。

店長は、ゴルフのグリップにも、この考え方を取り入れたいと思っています。

指を曲げた内側を、グリップが満たしているか

注目したいのは、指先から二つ目の関節、PIP関節です。

この関節を曲げ、指をフック状にしたとき、その内側にグリップが収まっていれば、指の形を利用して力を受けられます。

ところが、グリップが細すぎると、曲げた指の内側に十分な接触を作れず、保持するために、さらに指を閉じて握り込む方がいるのではないでしょうか。

その握り込みが、グリップを巻き込む動きにもつながる。これが、店長の考えている仕組みです。

「指で保持すること」と「指を握り込むこと」は、分けて考える必要があります。

太さを合わせる目的は、指を使わなくすることではありません。無理のない指の形で接触を作り、必要以上に握り締めずに保持できるようにすることです。

チャートに、握り方を加えて選ぶ

PINGのチャートは、手と指の寸法から太さの目安を示しています。ただし、そこで握り方まで定義しているわけではありません。

そこで当店では、次のような選び方を提案したいと思います。

握り方・傾向 比較する太さの目安
手のひら側で保持するパームグリップ チャートの推奨サイズを基本にする
指側で保持するフィンガーグリップで、フックが出やすい 推奨サイズより太めも比較する

フィンガーグリップの方に太めを提案するのは、手首を動かなくするためではありません。

指との接触を確保し、さらに握り込まなくても支えられるようにする。その結果、左手の握り込みによる、意図しないフェースの回転を減らせないかを確認するためです。

もちろん、フックの原因がすべて握り込みにあるわけではありません。太くすれば必ず改善する、という選び方でもありません。

チャートで寸法の基準を知り、握り方と実際の動きに合わせて調整する。

これが、今回加えたい店長の「味変」です。

次回は、バックラインと右手側の太さについて、保持と力の伝わり方から考えてみたいと思います。

今更だけどグリップ

皆さんは、どのような基準でグリップを選んでいるでしょうか?

ラバーグリップの中から、コード入りか、コードなしかを選ぶ。以前は、そのような選び方も一般的でしたが、現在はさまざまなグリップがあります。

素材だけでも、定番のラバーから、カラーバリエーションが豊富な樹脂系まで。形状も、バックラインの有無だけでなく、その突起を強調したものなど、選択肢が増えています。

装着時の下巻きテープを増やして全体を太くしたり、右打ちなら右手側に当たる部分だけ多く巻いたりする調整もあります。

素材や色に加えて、「太さ」にも少しこだわってみると、何かよい変化があるかもしれません。

当店では、PINGの交換用グリップも販売しています。PINGではグリップの太さをカラーコードで分類しており、6種類のサイズが用意されています。日本での標準サイズはアクアです。

グリップ名 グリップ重量/
選択可能グリップサイズ
バックライン
①GP 360 LITE TOUR VELVET ROUND ×
②GP 360 LITE TOUR VELVET ROUND フルコード ×
③GP LITE TOUR VELVET RIB ◯
④GP LITE TOUR VELVET RIB フルコード ◯
⑤360 DYLAWEDGE ×
⑥ARCCOS GP360 LITE TOUR VELVET ROUND ×
⑦*ARCCOS GP DECADE MCC-WHT ×
⑧IOMIC STICKY SL AQUA ×
⑨IOMIC STICKY LILAC ×

PINGの太さの選択基準は以下となります。

グリップカラーコードチャート

❶「手のひらの長さ」と❷「1番長い指の長さ」をグリップカラーコードチャートに当てはめ、交差したポイントが推奨されるグリップの太さとなります。

  • ※ 右打ちのゴルファーは左手、左打ちのゴルファーは右手の手のひらを計測してください。

日本での標準サイズはアクアですが、当店の交換用PINGグリップの販売実績を見ると、アクア以外のサイズも選ばれています。

ここでチャートをよく見ると、同じ手の長さでも、指が長い方には太いグリップが推奨されていることが分かります。

なぜ、指が長いと太いグリップなのでしょうか。そして、握り方が違っても、同じ基準で選んでよいのでしょうか。

次回は、このチャートを出発点に、店長なりの「味変」を加えて、グリップの太さを考えてみたいと思います。

 

 

ハイブリッドは終わったのか? プロのクラブ選択から考える

ハイブリッドは終わったのか? プロのクラブ選択から考える

前回、なぜ細野勇策プロはハイブリッドを使用しないのか、という話をしました。確かに男子PING PROのセッティングを見ると、ハイブリッドの使用者は少なくなっているように感じます。

しかし、決して皆さんに「ハイブリッドを使わないでください」と言っているわけではありません。

ハイブリッドの恩恵を受けているゴルファーは、たくさんいます。

実際、女子プロの世界では、複数本のハイブリッドをセッティングに組み込んでいる選手も珍しくありません。

ところが、男子プロの世界では、ハイブリッドの時代が終わりつつあるのかもしれない、という興味深い記事がMyGolfSpyに掲載されました。

昨シーズン、ハイブリッドを使ったPGAツアー優勝者はわずか3人でした。アマチュアゴルファーはヒントを受け入れるべきか?

という記事です。 “ハイブリッドは終わったのか? プロのクラブ選択から考える” の続きを読む

細野勇策プロのクラブセッティングから考える ― なぜハイブリッドを使わないのか?

前回は、細野勇策プロが4種類のアイアンを組み合わせている理由について考えてみました。

今回は、もう一つ気になる部分について考察したいと思います。

それは、細野プロのセッティングには、ハイブリッド(HB)が1本も入っていないことです。

一般的には、ロングアイアンをやさしく打つためのクラブとして、ハイブリッドが広く使われています。

ところが細野プロは、G440 MAXの4Wと7W、i500の3番アイアン、そしてG440の5番・6番アイアンという組み合わせを採用しています。

なぜ、ハイブリッドを使用しないのでしょうか。

ハイブリッドはアイアンと同じスイングで打てるのか?

ハイブリッドは、フェアウェイウッドとアイアンの長所を組み合わせたクラブです。

フェアウェイウッドのようなボールの上がりやすさと、アイアンに近いシャフト長による扱いやすさ。

非常に合理的なクラブだと思います。

しかし、両方の長所を持っているということは、両方の弱点も持っているのではないでしょうか。 “細野勇策プロのクラブセッティングから考える ― なぜハイブリッドを使わないのか?” の続きを読む

細野勇策プロのクラブセッティングに見る、フィッティングの神髄!

実は、以前紹介した佐久間朱莉プロのクラブセッティングについてのコヤマカズヒロ氏の動画で、細野勇策プロのクラブセッティングにも言及されていました。

その中でコヤマ氏は、細野プロが「ピンを狙うのは9番アイアンから下のクラブ」と話していることを紹介しています。

これを根拠に考えるならば、それよりも長いクラブでは、ピンという一点ではなく、ある程度のゾーンを狙っているということになります。

例えば、あるクラブの左右の着弾分散が15ヤードあるとします。

ピンがグリーンのエッジから5ヤードの位置に切られている場合、ピンを直接狙えば、ショットの一部がグリーンを外れる可能性があります。

そこで、ピンを直接狙うのではなく、自分のショットの分散範囲ができるだけグリーン内に収まる位置を目標に設定します。 “細野勇策プロのクラブセッティングに見る、フィッティングの神髄!” の続きを読む