第2話 クラブは、使ううちにアドレスを変えてしまうことがある

前回は、
「フィッティングで真っ直ぐ飛んだからといって、そのクラブが本当に合っているとは限らない」
という話を書きました。

今回は、その続きです。

他店でフィッティングを受けて購入したアイアンが、しばらく使ううちに合わなくなってきた。
フックが多発するようになり、ご本人としては
「もっとフラットにすれば直るのではないか」
という考えで来店されました。

ところが実際に拝見すると、私の提案は逆でした。
よりアップライトにしたほうがよい
という判断です。

なぜ、そんなことが起きるのでしょうか。 “第2話 クラブは、使ううちにアドレスを変えてしまうことがある” の続きを読む

4月19日 試打会

本日、いつもお世話になっているベイウェストさんでPINGの試打会が行われます。

店長はブラインド試打会が他でありまして、いけないんですがお近くの方は是非行ってください。

  • 04/19日 10:00-16:00
  • ベイウエストゴルフクラブ
  • 富山県高岡市材木町286-18

    です。

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第1話 真っ直ぐ飛んだから合っている、とは限らない

フィッティングで、その場では真っ直ぐ飛んだ。
だからそのクラブを選んだ。
これは一見、とても自然な流れです。

しかし、この結果が、のちに不幸をもたらしてしまいました。

実際、お客様もカラーコードチャートよりフラット、しかも少し短めのアイアンを選んだとき、最初は真っ直ぐ飛んでいたそうです。
ところが、しばらく使ううちにフックが止まらなくなり、最終的には「もっとフラットにしてほしい」という相談で来店されました。

ここで考えなければならないのは、
最初の“真っ直ぐ”は、本当に適合の結果だったのか
ということです。

“第1話 真っ直ぐ飛んだから合っている、とは限らない” の続きを読む

決めた強さを壊さない道具としての中尺・カウンターバランス

ショートパットのミスは、方向の問題として語られがちです。

フェースが開いた。
引っかけた。
真っすぐ打ち出せなかった。

もちろん、それもあります。
しかし、ここまでの話を踏まえると、ショートパットでは方向のミスより前に、決めた強さを守れなかったことが起きている場合が少なくないように思います。

近い距離では、わずかな強さの違いは小さな差に見えます。
けれど、その小さな差がカップ通過速度を変え、曲がり幅を変え、入るラインそのものを変えてしまう。
ショートパットとは、真っすぐ打てるかどうか以前に、決めた通過速度を最後まで守れるかどうかが問われる競技なのだと思います。

ところが実際には、ショートパットほど人は緩みやすい。

外したくない。
強すぎたくない。
返しを残したくない。

そうした感情が入ると、インパクト付近で無意識に手首が曲がり、手元からヘッドへ伝わるはずのエネルギーが途中で逃げてしまうことがあります。
見た目のストローク量は同じでも、実際にはボールに伝わるエネルギーは小さくなり、予定していた強さを守れない。
そして、その崩れが方向のミスとして表に出てくる。

つまりショートパットの難しさとは、単純にラインを読めるかどうかではなく、最初に決めた強さを、最後まで壊さずにインパクトまで運べるかどうかにあるのでしょう。

もしそうだとすれば、ここで初めて道具の意味が見えてきます。 “決めた強さを壊さない道具としての中尺・カウンターバランス” の続きを読む

ショートパットでは、強さが変わるとよりラインも変わる

前回、ショートパットのミスは、方向そのものよりも、速度設計の崩れから起きているのではないか、という話を書きました。

近い距離では、わずかな強さの違いは小さな差に見えます。
しかし実際には、その小さな差がカップ通過速度を変え、結果として入るラインそのものを変えてしまう。
ショートパットとは、真っすぐ打てるかどうか以前に、決めた強さを守れるかどうかが問われる競技だ、という話でした。

今回は、その先の話です。

ショートパットでは、強さが変わるとラインも変わります。
しかも、ミドルパットやロングパット以上に、よりラインが変わる
ここがショートパットを難しくしている本質だと思います。

パットのボールが曲がるのは、単に傾斜があるからではありません。
傾斜によって生まれる横方向の影響を、ボールが芝面との接触を通じて受けることで、初めて曲がりとして現れます。 “ショートパットでは、強さが変わるとよりラインも変わる” の続きを読む

ショートパットのミスは、方向ではなく速度設計の崩れから起きている

ショートパットを外すと、多くの人はまず方向のミスを疑います。

フェースが開いた。
引っかけた。
真っすぐ打てなかった。

たしかに、それもあります。
しかし実際には、ショートパットほど見逃されているのは、方向ではなく速度設計の崩れではないでしょうか。

近い距離では、わずかな強さの違いは小さな差に見えます。
けれど、その小さな差が、カップ通過速度を変え、結果として曲がり方まで変えてしまいます。
しかもショートパットでは、そのズレは大きな距離ミスとしては見えず、「少し緩んだ」「少し弱かった」という形でしか現れません。
だから原因として大きく扱われにくいのです。

ミドルパットやロングパットであれば、距離感の30%のズレは誰の目にも明らかな大ミスです。
ところがショートパットでは、同じ割合のズレでも絶対距離が短いため、見た目には小さな差にしか見えません。
しかし実際には、その小さく見える差が、通過速度を変え、入るラインそのものを変えてしまう。
ショートパットの怖さは、致命的な差が“小さな差”に見えてしまうところにあります。

さらに厄介なのは、ショートパットほど人は「外したくない」と感じることです。
その結果、事前に決めていた強さを最後まで守れず、インパクト付近で緩みが起きやすくなります。

よく見受けられるのは、インパクト付近で手首が曲がる動きです。
すると、見た目のストローク量は同じでも、手元からヘッドへ伝わるはずのエネルギーが途中で逃げてしまう。
その結果、ボールに伝わるエネルギーは小さくなり、予定していた通過速度を失ってしまいます。

つまり、ショートパットのミスは単に真っすぐ打てなかったから起きているのではありません。
本当は、決めた強さで打てなかったことが先にあり、その結果として方向のミスが表に出ていることが多いのです。

ここで大切なのは、ショートパットではラインよりも、まず決めた強さで打つことに重点を置くということです。
なぜなら、ショートパットは強さが少し変わっただけで、曲がり方まで一緒に変わってしまうからです。

ラインは固定されたものではありません。
そのときの通過速度によって、成立するラインは変わります。
どれだけ正しくラインを読んでいても、予定した強さで打てなければ、そのラインはもう別物です。

逆に言えば、決めた強さで打てれば、ラインはその強さに対して整理できます。
ショートパットでは、ラインを読んでから打つというより、この強さで通すと決め、その強さに合うラインを選ぶという順番の方が、本質に近いのでしょう。

近い距離ほど、人は「方向」を気にします。
しかしショートパットで本当に問われているのは、真っすぐ打てるかどうかではありません。
まず、決めた通過速度を最後まで守れるかどうか。
方向のミスは、そのあとに現れる結果に過ぎないのかもしれません。

ショートパットの難しさとは、ラインの問題というより、決めた強さを守り切れるかどうかの問題なのだと思います。

次回予告

ショートパットでは、ラインを読むこと以上に、決めた強さで打つことの方が重要になります。
では、その強さが変わると、傾斜による曲がり幅はどう変わるのか。
次回は、ショートパットにおける**「傾斜・強さ・曲がり幅」**の関係を整理してみたいと思います。

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クワイエットアイとパター選び

道具の性能を、実戦でどう生かすか

前回、グリーンが整った時代ほど、マレットは平均を上げやすく、ブレードは最高のタッチを生かしやすい、という話を書きました。

そして、この話は道具だけでは終わりません。
グリーンが良くなるほど、もうひとつ重要になるものがあります。
それは、余計なことをしないことです。

表面が滑らかで素直であれば、本来プレーヤーが過剰に操作を加える必要はありません。
むしろ、

フェースを返さないように
打点を外さないように
引っかけないように

と管理項目を増やすほど、ストロークは不安定になります。

ここで重要になるのが、クワイエットアイです。

クワイエットアイとは、単なる「集中」ではありません。
余計な自己監視から解放され、
このラインで、この強さで、この入り方で
というイメージに、視線と意識を静かに置ける状態です。

ゴルフパッティングに関する近年の研究でも、クワイエットアイはプレッシャー下でのパフォーマンスや、不安低下と関係することが示されています。

この観点から見ると、マレットやカウンターバランス、長尺は、単に安定するだけの道具ではありません。
フェース面を細かく管理しなくてもよいぶん、意識を狙いと強さへ向けやすい。
つまり、クワイエットアイを成立させやすい道具として見ることもできます。

ここが、実戦では非常に大きいところです。

整ったグリーンの上では、余計な操作をしないことの価値が高くなります。
出球が素直に結果へつながるなら、プレーヤーがやるべきことは、あれこれ管理項目を増やすことではなく、
狙いと強さを静かに決めること
だからです。

その意味で、マレットの強さは単にミスに強いというだけではありません。
プレーヤーの意識を、フェース管理から解放しやすい。
つまり、

道具がストロークを支えるぶん、プレーヤーは読みとタッチに集中しやすい

という強さです。

一方でブレードは、使いこなせれば非常に高い表現力を持っています。
転がりを作りやすい。
タッチを出しやすい。
強さのニュアンスも表現しやすい。

ただしその反面、フェース管理や当たりの質に意識が割かれやすい。
つまり、クワイエットアイを保つには、より高い技術が必要になります。

ここで、パター選びの意味も変わってきます。

パター選びは、単に

形が好きか
構えやすいか
打感が好みか

だけではありません。

本当は、

自分は平均値を上げたいのか
最高のタッチを出したいのか
フェース面を自分で作りたいのか
できるだけ狙いと強さに集中したいのか

まで含めて考える必要があります。

そう考えると、

マレットは、平均を上げやすく、クワイエットアイを保ちやすい
ブレードは、最高のタッチを生かしやすいが、より高い管理能力を求める
カウンターバランスや長尺は、その静けさをさらに助けやすい

という見方ができます。

これは単なる道具の優劣ではありません。
どの道具が、自分の意識の向け方に合っているか
という問題です。

一言でまとめるなら、

実戦で強いパターとは、性能が高いだけでなく、狙いと強さに静かに集中できるパターでもある。

現在のグリーン環境では、そのことが以前よりはっきり結果に表れやすくなっています。
だからこそ、パター選びは単なる好みではなく、
自分がどんな状態で打ちたいか
まで含めて考えるべきなのだと思います。

まとめ
クワイエットアイは、単なる集中ではなく、狙いと強さに視線と意識を静かに置ける状態である。
整ったグリーンほど、余計な操作をしないことの価値が高くなる。
マレットやCB、長尺は、フェース管理の負担を減らし、クワイエットアイを保ちやすい。
ブレードは高い表現力を持つが、そのぶん高い管理能力が必要になる。
道具の違いは、性能の違いであると同時に、意識の向け先の違いでもある。

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グリーンが整うほど、マレットの強みは結果に表れやすい

ここまで、フェース面の安定、転がり、距離感、タッチという順で、パッティングを分けて考えてきました。
そして実戦になると、もうひとつ見落としてはならないのが、グリーン環境そのものです。

どれだけ良いストロークをしても、グリーン表面が不均一であれば、最後はその不規則さに結果を左右されます。
反対に、グリーンが滑らかで素直であれば、ボールの出だし、転がりの質、強さの差が、そのまま結果に表れやすくなります。USGAも、パッティンググリーンの評価を単なる速度だけでなく、**smoothness(滑らかさ)trueness(素直さ)**まで含めて考える必要を示しています。

現在のグリーン管理では、速さだけを追うのではなく、滑らかさと素直さをどう維持するかが重要になっています。
USGAは、理想的なグリーンを well-paced, smooth and true と表現し、そのような面はプレーヤーの読みとストロークを正当に反映すると述べています。

この条件になると、パターの違いは以前よりはっきり結果に出ます。

グリーンが荒れていると、せっかく良い出球をしても、表面の微妙な乱れに結果を持っていかれやすい。
しかしグリーンが滑らかで素直になるほど、最初の条件の良し悪しがそのまま残りやすくなります。
つまり、実戦のグリーン環境が整うほど、パターの性格がそのままスコアに反映されやすくなるのです。

ここで価値が大きくなるのが、マレットです。

マレットの長所は、これまで述べてきた通り、

  • フェース面が安定しやすい
  • 打点ズレに強い
  • 出球が揃いやすい
  • 大きなミスを減らしやすい

という点にあります。

グリーンが素直であればあるほど、この平均化する力はそのまま武器になります。
表面が滑らかで転がりが安定しているのであれば、毎回の出球を揃えやすいパターの価値は大きい。
その意味で、現在のグリーン環境は、マレットの長所を結果に結びつけやすい条件だと言えます。

その傾向は、今年のマスターズにも表れていました。
Masters.com の最終リーダーボードでは、上位にローリー・マキロイ、スコッティ・シェフラー、ティレル・ハットン、ラッセル・ヘンリー、ジャスティン・ローズらの名前が並びました。

さらに公開されている使用クラブ情報では、マキロイは TaylorMade Spider Tour X、ティレル・ハットンは Ping PLD Oslo、ジャスティン・ローズは Scotty Cameron Phantom 5 Tour Prototype を使用していました。上位陣にマレット系が多かったのは、かなり印象的でした。

もちろん、これは「マレットだから勝った」という単純な話ではありません。
ただ、整ったグリーンの上では、出球を揃えやすい道具の価値が以前より表れやすいという流れを示すには、象徴的な結果だったと思います。

ただし、ここで注意が必要です。
それは、マレットの価値が高まることと、ブレードの価値が消えることは同じではない、という点です。

グリーンが整うほど、平均値の差だけでなく、最高値の差もまた表れやすくなります。
つまり、表面が素直であれば、良い転がり、良いタッチ、良い読みも、そのまま結果に反映されやすい。
この意味で、ブレードのように転がりやタッチを作りやすいパターの価値も、依然として残ります。
むしろ、作ったものがそのまま結果に出る環境だからこそ、その魅力が生きるとも言えます。これは上のグリーン条件からの自然な帰結です。

したがって、整理すればこうなります。

マレットは平均を上げやすい。
ブレードは最高のタッチを生かしやすい。

この違いは、グリーンが整った現在、以前より明瞭になっているように思います。

まとめ

  • グリーンが滑らかで素直になるほど、出球の差が結果に出やすい。
  • そのため、フェース面を安定させやすいマレットの価値は高くなる。
  • 今年のマスターズ上位陣にも、マレット系使用者が目立った。
  • ただし、ブレードの価値が消えたわけではない。
  • マレットは平均を上げやすく、ブレードは最高のタッチを生かしやすい。

次回予告

次回は、この話をさらに進めて、なぜ整ったグリーンほど「余計なことをしない」ことが大切になるのか
そして、そのとき鍵になるクワイエットアイについて考えてみます。

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距離感はタッチの中にある 傾斜のあるグリーンで本当に必要なもの

傾斜のあるグリーンで本当に必要なもの

前回は、転がりについて書きました。

ブレードは良い転がりを作りやすい。
マレットは悪いズレを減らしやすい。
そして、転がりの違いは、そのまま球の見え方や届き方にも関わってくる、という話でした。

その続きとして、今回は距離感とタッチについてです。

パッティングの話になると、「距離感」という言葉はよく出てきます。
たしかにこれは大事です。
平坦な面であれば、

  • 少し短い
  • 少し長い
  • ちょうど良い

という見方で整理しやすいからです。

この意味で距離感とは、
どこまで届くか
の感覚です。

どれだけヘッドを動かしたか。
どれだけの強さで打ったか。
どれだけボールに仕事をさせたか。
その結果、どこまで転がったか。

これは、パッティングの基本になる感覚です。

ですが、実際のグリーンでは、ここで話は終わりません。

本当のグリーンには傾斜があります。
芝目があります。
速さがあります。
そして何より、ボールの転がる強さによってラインそのものが変わります。

強く打てば、傾斜の影響を受ける時間は短くなり、曲がりは小さくなる。
弱く打てば、傾斜の影響を長く受けるので、曲がりは大きくなる。

つまり、実戦のグリーンでは、ラインは最初から一つに決まっているのではありません。
どの強さで打つかによって、選ぶラインが変わるのです。

ここで、距離感だけでは説明しきれない世界に入ってきます。

だから私は、
距離感はタッチの中にある
と考えた方がしっくりきます。

距離感は、あくまで
どこまで届くか
の感覚です。

それに対してタッチは、

  • どの強さで
  • どのラインに
  • どの転がりで
  • どうカップに向かわせるか

まで含んだ、より上位の実戦感覚です。

言い換えれば、

距離感が“長さの感覚”だとすれば、
タッチは“距離感を含みながら、強さと曲がりを統合した感覚”

です。

たとえば同じ右から左のフックラインでも、

  • カップの中で消える強さで打つのか
  • 30センチ先まで届く強さで打つのか
  • 60センチ先まで届く強さで打つのか

で、狙うべきラインは変わります。

つまり、
タッチが変わればラインが変わる。

本当に上手い人のライン読みは、単に傾斜を見ているだけではありません。
自分が出したい強さに対して、どのくらい曲がるのか。
そのタッチに対して、どのラインが必要なのか。
そこまで含めて見ています。

この意味で、実戦のパッティングでは、方向性は必要条件ではあっても、それだけで結果は決まりません。
最後にものを言うのは、タッチです。

ここで、これまでの話がつながってきます。

ブレードは、ヘッド感が濃い。
打ち手の微細な操作が反映されやすい。
転がりの質も作りやすい。

そのため、単に距離を合わせるだけでなく、
強さのニュアンスを表現しやすい
という特徴があります。

少しだけ伸ばす。
少しだけ殺す。
少しだけ乗せる。

そうした微妙な表現が出しやすい。
だからブレードは、
タッチを作りやすいパター
だと言えます。

一方で、マレットは違います。

フェース面が安定しやすい。
出球が揃いやすい。
ミスの幅を小さくしやすい。

そのため、ブレードのように繊細なニュアンスを自分で作りにいく、というより、
毎回のタッチを平均化しやすい
という見方ができます。

ここは単純な優劣ではありません。

  • ブレードは、タッチを表現しやすい
  • マレットは、タッチを揃えやすい

という違いです。

ですから、パター選びを考えるときも、単に

  • 真っすぐ打てるか
  • ミスに強いか
  • 距離感が出るか

だけでは少し足りません。

本当は、

そのパターで、自分はタッチを作りやすいのか、揃えやすいのか

まで見た方がよいと思います。

ここが見えてくると、
ブレードがなぜ支持され続けるのか。
マレットがなぜ多くの人に受け入れられてきたのか。
その理由も少し分かりやすくなります。

平坦な練習グリーンで距離感が合う人でも、傾斜のある本番グリーンでは急に難しくなることがあります。
それは、長さの感覚はあっても、
その強さでどれだけ曲がるか
まで含めたイメージができていないからです。

逆に、タッチのある人は、多少出球がずれても、全体としてボールをカップの近くに集めてきます。
それは、真っすぐ打っているからではなく、
強さとラインを一体で扱っているからです。

パッティングを単なる方向性の話として見ているうちは、この感覚はなかなか見えてきません。
ですが、距離感をタッチの中に置いて考えると、実戦のグリーンで何が大事なのかがかなりはっきりしてきます。

一言でまとめるなら、

距離感はタッチの中にある。

平坦な面であれば距離感として見えるものも、実戦のグリーンではタッチの中に含まれていく。
本当のグリーンでは、“どこまで届くか”だけでなく、“どの強さで、どのラインに、どう転がすか”まで含めて、初めてパッティングになるのです。


まとめ

  • 距離感は、どこまで届くかの感覚
  • タッチは、距離感を含みながら、強さと曲がりを統合した感覚
  • 傾斜のあるグリーンでは、強さによってラインが変わる
  • だから実戦では、距離感はタッチの中に含まれる
  • ブレードはタッチを作りやすく、マレットはタッチを揃えやすい

次回予告

次回は、実戦のグリーン環境とパターの選び方についてです。
グリーンの質が上がった今、なぜマレットの価値が以前より大きくなっているのか。
そして、その中でプレーヤーがどう静かに狙いと強さへ集中していくのかも含めて考えてみます。

転がりはなぜ変わるのか? ブレードが“良い転がり”を作りやすい理由 スピンアウト

ブレードが“良い転がり”を作りやすい理由

前回は、パターの土台としてのフェース面の安定について書きました。

真っすぐ打てるパターとは、単に見た目が安心できるものではなく、
フェース向き、動的ロフト、打点が揃いやすく、狙った方向に狙った質でボールを送り出しやすいパターである、という話でした。

ただし、ここで終わってしまうと、パターの話としてはまだ半分です。

なぜなら、ボールはただ前に出ればよいわけではないからです。
実際には、どう転がり始めるかが非常に大事です。

同じように見えるパットでも、

  • すっと前に伸びる球
  • 最初に少し滑ってから転がる球
  • 何となく重たく見える球
  • 芯を食った感じで、転がりがきれいに見える球

があります。

これは気のせいではなく、実際にインパクト直後のボールの状態が違うからです。

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