白いパターが勝った! PGA,バイロンネルソン。

ウィンダム・クラークの「60」とPING SCOTTSDALE TEC ALLY BLUE ONSET CB

今週は日本ツアーだけでではありませんでした。

PING GOLF @PingTour White Gold. 🏆 The #ScottsdaleTEC Ally Blue Onset joins the Gold Putter Vault with a win at The CJ Cup Byron Nelson. The winner led the field in SG: Putting (+12.573). #PlayYourBest

PGAツアー「CJカップ・バイロン・ネルソン」で、ウィンダム・クラークが最終日に「60」をマークし、逆転優勝を飾りました。

この勝利で大きく注目されたのが、鉛が貼られた白いパターです。

そのモデルは、

PING SCOTTSDALE TEC ALLY BLUE ONSET CB

です。

GOLF.comのWITBによれば、クラークのパターは次のような仕様でした。

項目 スペック
モデル PING Scottsdale TEC Ally Blue Onset CB
ロフト 3度
ライ角 70度
長さ 38インチ
ヘッド重量 385g
追加重量 17gチップウェイト(おそらくソールの鉛の重量と思います。)
インサート PEBAX
グリップ SuperStroke

ここで注目したいのは、単に「白いマレットパター」ではないという点です。

クラークが使ったのは、CB=カウンターバランス仕様。長さは38インチで、通常のパターより長め。さらにヘッド重量385gに加え、17gのチップウェイトが入っています。

つまり、見た目の白さだけではなく、重量配分までかなり作り込まれたパターです。

白いヘッドで視線を落ち着かせる。
オンセット構造でフェース面とボールを見やすくする。
クワイエット・アイ
PEBAXインサートで打感と音を整える。
カウンターバランスで手元とヘッドの動きを安定させる。

これらが組み合わさって、クラークのストロークに合ったパターになっていたと考えられます。

この“カウンターバランス仕様”は、単に大型マレットの高慣性モーメントを使うだけでなく、手元の安定性とヘッド挙動のバランスを整える設計になっています。重量配分とフェース感覚を両立させることで、パットの方向性と距離感が決まっていたことが、最終日のSG:Putting 12.573(ツアー1位)という数字にも表れています。

PING公式でも、ALLY BLUE ONSETはオンセット構造で視線を落ち着かせ、フェース面を見やすくする設計が特徴とされています。これにより、単なる“真っすぐ動かすだけ”のパターではなく、自分のフェース軌道とミスの傾向に対応する道具として機能していたと考えられます。

そして今回、その設計が最終日の「60」というスコアに結びつきました。

ウィンダム・クラークの「60」、ストロークゲインが12.573という数字は、スコアの全てをこのパターが作ったという驚異的な事実を表しています。

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【店長の一言】
パターを選ぶときは、長さを重量です。ご増段はお気軽に。

第4話 G440シリーズは、ヘッドとシャフトでフェース管理に答える

ここまで、ドライバーについて考えてきました。

第1話では、ドライバーは「シャフトが長いから曲がる」のではなく、フェースアングルの影響が非常に大きいクラブであると整理しました。

第2話では、ドライバーの性能は、飛距離だけでも方向性だけでも判断できず、飛距離と左右分散をストロークゲインで考える必要があると書きました。

第3話では、スイング理論として、ドライバーに必要なのはインパクトでフェースを合わせに行くことではなく、フェースの開閉量を少なくし、インパクトで合わせに行かなくて済む状態を作ることだと整理しました。

では、製品としては何が必要になるのでしょうか。

ここで重要になるのが、PING G440シリーズです。

G440シリーズの強さは、単に飛ぶドライバーを作ったことではありません。

ヘッド展開で、プレーヤーの弾道傾向に対応する。
シャフト展開で、プレーヤーの入力の強さに対応する。
そして、その土台に高い方向安定性を持っている。

この三つがそろっているところに、今シリーズの大きな価値があると思います。

ドライバーは、ボールの初期方向がフェースアングルに強く支配されるクラブです。
つまり、フェースが開きやすい人、閉じやすい人、打点が上下左右に散りやすい人、強く叩く人、軽く振りたい人では、必要なクラブが変わります。

G440シリーズの土台にあるのは、高慣性モーメントで飛び重心という考え方です。

LST、MAX、SFT、Kというモデルごとの性格はありますが、すべてのモデルに共通しているのは、飛距離性能と方向安定性の両立です。 “第4話 G440シリーズは、ヘッドとシャフトでフェース管理に答える” の続きを読む

第3話 スイング理論から見る、フェース管理しやすいドライバー

第1話では、ドライバーは「シャフトが長いから曲がる」のではなく、フェースアングルの影響が大きいクラブであると整理しました。

第2話では、ドライバーの性能は、飛距離だけでも方向性だけでも判断できず、飛距離と左右分散をストロークゲインで考える必要があると書きました。

では、スイングとしては何が必要になるのでしょうか。

ここで重要になるのが、フェース管理です。

ドライバーは、ボールの初期方向がフェースアングルに強く支配されるクラブです。
つまり、インパクトでフェースが少し開く、少し閉じるだけで、出球に大きな影響が出ます。

だから、ドライバーでは、

「インパクトでフェースを合わせる」

という考え方だけでは危険です。 “第3話 スイング理論から見る、フェース管理しやすいドライバー” の続きを読む

第2話 飛距離と方向性は、ストロークゲインで考える

前回は、ドライバーが曲がる理由について考えました。

よく、

「ドライバーはシャフトが長いから曲がる」

と言われます。

しかし、厳密に言えば、シャフトが長いことそのものがボールを曲げているわけではありません。

本当にボールの方向を決めているのは、フェースアングル、クラブパス、フェース・トゥ・パス、打点、スピン軸、スピン量といったインパクト条件です。

特にドライバーは、ボールの初期方向がフェースアングルに強く支配されるクラブです。

つまり、ドライバーは飛距離のクラブである前に、フェース管理のクラブである。

ここまでが前回の話でした。

では、ここで一つ疑問が出てきます。

フェース管理が大事なら、ドライバーはとにかく曲がらないものを選べばよいのでしょうか。

私は、そう単純ではないと思っています。

なぜなら、ゴルフは方向性だけのゲームではないからです。

ドライバーには、飛距離の価値があります。

たとえば、フェアウェイに毎回置けるけれど飛距離が出ないクラブと、多少左右に散るけれど大きく飛ぶクラブがあったとします。

どちらがスコアに有利なのか。

これは、感覚だけでは判断できません。 “第2話 飛距離と方向性は、ストロークゲインで考える” の続きを読む

第1話 ドライバーは「シャフトが長いから曲がる」のではない

ドライバーが曲がる理由として、よく言われる言葉があります。

「ドライバーはシャフトが長いから曲がる」

たしかに、ドライバーは他のクラブに比べてシャフトが長く、ヘッドも大きく、ボールも遠くまで飛びます。
ですから、少しのズレが大きな結果になって見えるのは事実です。

しかし、厳密に言えば、シャフトが長いことそのものがボールを曲げているわけではありません。

ボールを曲げている直接の要因は、もっと別のところにあります。

それは、

フェースアングル。
クラブパス。
フェース・トゥ・パス。
打点位置。
スピン軸。
スピン量。

こうしたインパクト条件です。

つまり、シャフトが長いから曲がるのではなく、シャフトが長くなることで、これらのインパクト条件を安定させることが難しくなるというのが、より正確な表現です。

ここを間違えると、ドライバー選びも、スイング作りも、少し違う方向へ進んでしまいます。 “第1話 ドライバーは「シャフトが長いから曲がる」のではない” の続きを読む

LIVが壊したものは、本当にゴルフの伝統だったのか?

――ゴルフライターは選手の味方をしたのか

サウジアラビアの政府系ファンドであるPIFが、LIVゴルフへの資金提供を2026年シーズン後に終える方針だと報じられています。
これを受けて、LIVは赤字興行だった、サウジマネーがなければ成立しなかった、やはりPGAツアーの方が正しかった、という論調が強くなるかもしれません。

しかし、私はここで一度立ち止まる必要があると思います。 “LIVが壊したものは、本当にゴルフの伝統だったのか?” の続きを読む

第6話 フラットにしたのに、なぜつかまるのか

FW・HBの可変スリーブ調整とアドレスの手元位置

FWやHBの調整機能で、フラット設定を選ぶと、普通は「つかまりにくくなる」と考えます。

クラブ単体で見れば、それは正しい説明です。

ライ角がフラットになれば、ロフトのあるクラブほどフェース面は右を向きやすくなります。

つまり静的には、

フラット=右へ出やすい
フラット=つかまりにくい

という説明になります。

ところが、実際のフィッティングでは、まれにフラットへ調整した方がいいボールが出ることがあります。

「フラットにしたのに、なぜかボールがつかまる」

そんなことはない、と思っている人がほとんどかもしれません。

しかし、これは矛盾ではありません。


材料力学の不定性問題に似ている

少し難しい言い方をすると、これは材料力学の不定性問題に似ています。

ひとつの部品だけを見れば、答えは単純に見えます。
しかし、その部品が構造全体の中に組み込まれると、話は変わります。

こちらを少し動かすと、あちらも動く。
こちらの角度を変えると、あちらの力の流れも変わる。
こちらの高さを変えると、あちらの通り道も変わる。

ゴルフクラブも同じです。

クラブ単体で見れば、フラット設定はつかまりにくい方向です。
しかし、人間が構えて振ると、ライ角の変化はフェース向きだけでは終わりません。

手元の位置が変わる。
腕の張りが変わる。
クラブの見え方が変わる。
テークバックの上がり方が変わる。
ダウンスイングの通り道が変わる。
そして、インパクトでボールに加わる力のベクトルまで変わる。

だから、静的にはつかまりにくいはずのフラット設定が、動的にはボールをつかまえる方向に働くことがあるのです。 “第6話 フラットにしたのに、なぜつかまるのか” の続きを読む

第5話 フェアウェイウッドが打てない人に、無条件でUTをすすめてよいのか

クラブの種類ではなく、長さ・ライ角・手元高さで考える

前回は、長いクラブが難しくなる理由について考えました。

長いクラブが難しいのは、単にクラブが長いからではありません。

クラブが長くなることで、

  • 手元高さのズレ
  • ライ角のズレ
  • クラブの通り道のズレ
  • 力のベクトルのズレ

が増幅される。

だから難しくなるのです。

ここを見ないまま、

「フェアウェイウッドが打てないならユーティリティにしましょう」

と単純に考えると、本当の原因を見落とすことがあります。 “第5話 フェアウェイウッドが打てない人に、無条件でUTをすすめてよいのか” の続きを読む

第4話 クラブが長くなると、なぜこの現象が起きやすくなるのか

長さは飛距離だけでなく、手元高さと力のベクトルを変える

前回は、PINGのカラーコードチャートについて考えました。

PINGのカラーコードチャートは、単なるライ角表ではありません。

身長と手首から床までの長さをもとに、その人に合いやすいクラブ長とライ角の基準を出す。
つまり、その人がクラブを自然に扱える手元高さを探している。

そう見ると、カラーコードチャートの意味はかなり変わります。

ライ角とは、フェースの向きを変えるだけのものではありません。
ライ角とは、手元の高さを変えるものです。

手元の高さが変われば、クラブの通り道が変わります。
クラブの通り道が変われば、インパクトでボールに加わる力のベクトルが変わります。

ここまで整理すると、次に見えてくる問題があります。

それが、

クラブが長くなるほど、この問題は大きくなる

ということです。


長いクラブは、ただ難しいのではない

よく、

「フェアウェイウッドは長いから難しい」
「ロングアイアンは長いから難しい」
「ドライバーは長いから安定しない」

と言われます。

もちろん、それは間違いではありません。

クラブが長くなれば、ヘッドは遠くなります。
遠くなれば、芯に当てるのは難しくなります。
振り遅れも起きやすくなります。

しかし、私はここで少し違う見方をしたいと思います。

長いクラブが難しい理由は、単に長いからではありません。

長くなることで、手元高さのズレ、ライ角のズレ、クラブの通り道のズレ、力のベクトルのズレが増幅されるから難しい

のです。

ここを見ないと、長いクラブの問題を正しく理解できません。 “第4話 クラブが長くなると、なぜこの現象が起きやすくなるのか” の続きを読む