ツアーで進む7W・9Wシフトと、アマチュアで別の場所に起きている変化 第1話

最近、ツアーではハイブリッドの代わりに7Wや9Wを入れる流れが、かなりはっきり見えるようになってきました。MyGolfSpy Japanも、PGAツアーではハイブリッドを外したときの置き換え先としてフェアウェイウッドが最も多く、その中でも高ロフトのモデルが増えていると紹介しています。

実際、この流れは単なる印象論ではありません。GOLF.comは2025年のValspar Championshipで30本以上の7Wと2本の9Wが投入されていたと報じており、7Wはすでにツアーで特別な存在ではなくなっています。

ただし、ここで大事なのは、
ツアーで起きていることと、アマチュアに起きていることは同じではない
という点です。

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スチュアート・シンクがシニア選手権を制覇

スチュアート・シンクが、2026年のSenior PGA Championshipを制しました。最終日に9アンダー63をマークし、通算19アンダー。2位に6打差をつける完勝で、これが自身初のシニアメジャー制覇となりました。大会公式も、コースレコードの63で逃げ切った勝利として伝えています。

しかも、これはベテランの一発ではありません。今回の優勝で、シンクは直近6試合で4勝という勢いの中にあり、シニアツアーに入ってからの充実ぶりを、そのままメジャーの舞台で証明した形です。 “スチュアート・シンクがシニア選手権を制覇” の続きを読む

第3話 ライボードは正しくても、答えが正しいとは限らない

PINGの試打会で、
ライボードで確認すると、少しアップライト寄り。
ボールも、やや右に出る。
その場だけ見れば、
「少しアップライトに調整したほうがよさそうですね」
というお客様が、担当フィッターから
「今日は試打会ですので、きちんとフィッティングを受けてください」
ということで紹介を受けました。

後日、そのお客様が来店されました。

静的なカラーコードはブラック。
実打では、やはりライボードは少しアップライト寄り。
弾道も少し右に出る。
大きな問題球というほどではありませんが、見えている情報だけを並べると、たしかに
「少しアップライト」
という結論に寄りやすい状況でした。 “第3話 ライボードは正しくても、答えが正しいとは限らない” の続きを読む

第2話 クラブは、使ううちにアドレスを変えてしまうことがある

前回は、
「フィッティングで真っ直ぐ飛んだからといって、そのクラブが本当に合っているとは限らない」
という話を書きました。

今回は、その続きです。

他店でフィッティングを受けて購入したアイアンが、しばらく使ううちに合わなくなってきた。
フックが多発するようになり、ご本人としては
「もっとフラットにすれば直るのではないか」
という考えで来店されました。

ところが実際に拝見すると、私の提案は逆でした。
よりアップライトにしたほうがよい
という判断です。

なぜ、そんなことが起きるのでしょうか。 “第2話 クラブは、使ううちにアドレスを変えてしまうことがある” の続きを読む

4月19日 試打会

本日、いつもお世話になっているベイウェストさんでPINGの試打会が行われます。

店長はブラインド試打会が他でありまして、いけないんですがお近くの方は是非行ってください。

  • 04/19日 10:00-16:00
  • ベイウエストゴルフクラブ
  • 富山県高岡市材木町286-18

    です。

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第1話 真っ直ぐ飛んだから合っている、とは限らない

フィッティングで、その場では真っ直ぐ飛んだ。
だからそのクラブを選んだ。
これは一見、とても自然な流れです。

しかし、この結果が、のちに不幸をもたらしてしまいました。

実際、お客様もカラーコードチャートよりフラット、しかも少し短めのアイアンを選んだとき、最初は真っ直ぐ飛んでいたそうです。
ところが、しばらく使ううちにフックが止まらなくなり、最終的には「もっとフラットにしてほしい」という相談で来店されました。

ここで考えなければならないのは、
最初の“真っ直ぐ”は、本当に適合の結果だったのか
ということです。

“第1話 真っ直ぐ飛んだから合っている、とは限らない” の続きを読む

決めた強さを壊さない道具としての中尺・カウンターバランス

ショートパットのミスは、方向の問題として語られがちです。

フェースが開いた。
引っかけた。
真っすぐ打ち出せなかった。

もちろん、それもあります。
しかし、ここまでの話を踏まえると、ショートパットでは方向のミスより前に、決めた強さを守れなかったことが起きている場合が少なくないように思います。

近い距離では、わずかな強さの違いは小さな差に見えます。
けれど、その小さな差がカップ通過速度を変え、曲がり幅を変え、入るラインそのものを変えてしまう。
ショートパットとは、真っすぐ打てるかどうか以前に、決めた通過速度を最後まで守れるかどうかが問われる競技なのだと思います。

ところが実際には、ショートパットほど人は緩みやすい。

外したくない。
強すぎたくない。
返しを残したくない。

そうした感情が入ると、インパクト付近で無意識に手首が曲がり、手元からヘッドへ伝わるはずのエネルギーが途中で逃げてしまうことがあります。
見た目のストローク量は同じでも、実際にはボールに伝わるエネルギーは小さくなり、予定していた強さを守れない。
そして、その崩れが方向のミスとして表に出てくる。

つまりショートパットの難しさとは、単純にラインを読めるかどうかではなく、最初に決めた強さを、最後まで壊さずにインパクトまで運べるかどうかにあるのでしょう。

もしそうだとすれば、ここで初めて道具の意味が見えてきます。 “決めた強さを壊さない道具としての中尺・カウンターバランス” の続きを読む

ショートパットでは、強さが変わるとよりラインも変わる

前回、ショートパットのミスは、方向そのものよりも、速度設計の崩れから起きているのではないか、という話を書きました。

近い距離では、わずかな強さの違いは小さな差に見えます。
しかし実際には、その小さな差がカップ通過速度を変え、結果として入るラインそのものを変えてしまう。
ショートパットとは、真っすぐ打てるかどうか以前に、決めた強さを守れるかどうかが問われる競技だ、という話でした。

今回は、その先の話です。

ショートパットでは、強さが変わるとラインも変わります。
しかも、ミドルパットやロングパット以上に、よりラインが変わる
ここがショートパットを難しくしている本質だと思います。

パットのボールが曲がるのは、単に傾斜があるからではありません。
傾斜によって生まれる横方向の影響を、ボールが芝面との接触を通じて受けることで、初めて曲がりとして現れます。 “ショートパットでは、強さが変わるとよりラインも変わる” の続きを読む

ショートパットのミスは、方向ではなく速度設計の崩れから起きている

ショートパットを外すと、多くの人はまず方向のミスを疑います。

フェースが開いた。
引っかけた。
真っすぐ打てなかった。

たしかに、それもあります。
しかし実際には、ショートパットほど見逃されているのは、方向ではなく速度設計の崩れではないでしょうか。

近い距離では、わずかな強さの違いは小さな差に見えます。
けれど、その小さな差が、カップ通過速度を変え、結果として曲がり方まで変えてしまいます。
しかもショートパットでは、そのズレは大きな距離ミスとしては見えず、「少し緩んだ」「少し弱かった」という形でしか現れません。
だから原因として大きく扱われにくいのです。

ミドルパットやロングパットであれば、距離感の30%のズレは誰の目にも明らかな大ミスです。
ところがショートパットでは、同じ割合のズレでも絶対距離が短いため、見た目には小さな差にしか見えません。
しかし実際には、その小さく見える差が、通過速度を変え、入るラインそのものを変えてしまう。
ショートパットの怖さは、致命的な差が“小さな差”に見えてしまうところにあります。

さらに厄介なのは、ショートパットほど人は「外したくない」と感じることです。
その結果、事前に決めていた強さを最後まで守れず、インパクト付近で緩みが起きやすくなります。

よく見受けられるのは、インパクト付近で手首が曲がる動きです。
すると、見た目のストローク量は同じでも、手元からヘッドへ伝わるはずのエネルギーが途中で逃げてしまう。
その結果、ボールに伝わるエネルギーは小さくなり、予定していた通過速度を失ってしまいます。

つまり、ショートパットのミスは単に真っすぐ打てなかったから起きているのではありません。
本当は、決めた強さで打てなかったことが先にあり、その結果として方向のミスが表に出ていることが多いのです。

ここで大切なのは、ショートパットではラインよりも、まず決めた強さで打つことに重点を置くということです。
なぜなら、ショートパットは強さが少し変わっただけで、曲がり方まで一緒に変わってしまうからです。

ラインは固定されたものではありません。
そのときの通過速度によって、成立するラインは変わります。
どれだけ正しくラインを読んでいても、予定した強さで打てなければ、そのラインはもう別物です。

逆に言えば、決めた強さで打てれば、ラインはその強さに対して整理できます。
ショートパットでは、ラインを読んでから打つというより、この強さで通すと決め、その強さに合うラインを選ぶという順番の方が、本質に近いのでしょう。

近い距離ほど、人は「方向」を気にします。
しかしショートパットで本当に問われているのは、真っすぐ打てるかどうかではありません。
まず、決めた通過速度を最後まで守れるかどうか。
方向のミスは、そのあとに現れる結果に過ぎないのかもしれません。

ショートパットの難しさとは、ラインの問題というより、決めた強さを守り切れるかどうかの問題なのだと思います。

次回予告

ショートパットでは、ラインを読むこと以上に、決めた強さで打つことの方が重要になります。
では、その強さが変わると、傾斜による曲がり幅はどう変わるのか。
次回は、ショートパットにおける**「傾斜・強さ・曲がり幅」**の関係を整理してみたいと思います。

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クワイエットアイとパター選び

道具の性能を、実戦でどう生かすか

前回、グリーンが整った時代ほど、マレットは平均を上げやすく、ブレードは最高のタッチを生かしやすい、という話を書きました。

そして、この話は道具だけでは終わりません。
グリーンが良くなるほど、もうひとつ重要になるものがあります。
それは、余計なことをしないことです。

表面が滑らかで素直であれば、本来プレーヤーが過剰に操作を加える必要はありません。
むしろ、

フェースを返さないように
打点を外さないように
引っかけないように

と管理項目を増やすほど、ストロークは不安定になります。

ここで重要になるのが、クワイエットアイです。

クワイエットアイとは、単なる「集中」ではありません。
余計な自己監視から解放され、
このラインで、この強さで、この入り方で
というイメージに、視線と意識を静かに置ける状態です。

ゴルフパッティングに関する近年の研究でも、クワイエットアイはプレッシャー下でのパフォーマンスや、不安低下と関係することが示されています。

この観点から見ると、マレットやカウンターバランス、長尺は、単に安定するだけの道具ではありません。
フェース面を細かく管理しなくてもよいぶん、意識を狙いと強さへ向けやすい。
つまり、クワイエットアイを成立させやすい道具として見ることもできます。

ここが、実戦では非常に大きいところです。

整ったグリーンの上では、余計な操作をしないことの価値が高くなります。
出球が素直に結果へつながるなら、プレーヤーがやるべきことは、あれこれ管理項目を増やすことではなく、
狙いと強さを静かに決めること
だからです。

その意味で、マレットの強さは単にミスに強いというだけではありません。
プレーヤーの意識を、フェース管理から解放しやすい。
つまり、

道具がストロークを支えるぶん、プレーヤーは読みとタッチに集中しやすい

という強さです。

一方でブレードは、使いこなせれば非常に高い表現力を持っています。
転がりを作りやすい。
タッチを出しやすい。
強さのニュアンスも表現しやすい。

ただしその反面、フェース管理や当たりの質に意識が割かれやすい。
つまり、クワイエットアイを保つには、より高い技術が必要になります。

ここで、パター選びの意味も変わってきます。

パター選びは、単に

形が好きか
構えやすいか
打感が好みか

だけではありません。

本当は、

自分は平均値を上げたいのか
最高のタッチを出したいのか
フェース面を自分で作りたいのか
できるだけ狙いと強さに集中したいのか

まで含めて考える必要があります。

そう考えると、

マレットは、平均を上げやすく、クワイエットアイを保ちやすい
ブレードは、最高のタッチを生かしやすいが、より高い管理能力を求める
カウンターバランスや長尺は、その静けさをさらに助けやすい

という見方ができます。

これは単なる道具の優劣ではありません。
どの道具が、自分の意識の向け方に合っているか
という問題です。

一言でまとめるなら、

実戦で強いパターとは、性能が高いだけでなく、狙いと強さに静かに集中できるパターでもある。

現在のグリーン環境では、そのことが以前よりはっきり結果に表れやすくなっています。
だからこそ、パター選びは単なる好みではなく、
自分がどんな状態で打ちたいか
まで含めて考えるべきなのだと思います。

まとめ
クワイエットアイは、単なる集中ではなく、狙いと強さに視線と意識を静かに置ける状態である。
整ったグリーンほど、余計な操作をしないことの価値が高くなる。
マレットやCB、長尺は、フェース管理の負担を減らし、クワイエットアイを保ちやすい。
ブレードは高い表現力を持つが、そのぶん高い管理能力が必要になる。
道具の違いは、性能の違いであると同時に、意識の向け先の違いでもある。

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