1. 金谷選手の例
上級者がG740を使うことは、決して不自然ではありません。
分かりやすい例が、金谷拓実選手のクラブセッティングです。
金谷選手は非常に高い技術を持つトッププレーヤーですが、長い番手側にはG系アイアンを組み合わせています。
これは、やさしさに逃げているという話ではありません。
長い番手で必要なのは、見た目の難しさではなく、必要なキャリーが出ること、十分な高さが出ること、そしてグリーンを狙ったときに止められる弾道になることです。
短い番手やミドルアイアンでは、プレーヤーズアイアンでスピン量、距離感、操作性を作る。
しかし、長い番手では、G系アイアンの高初速とやさしさを使って、キャリーと高さを確保する。
金谷選手のようなトッププレーヤーであっても、長い番手には役割に応じてやさしいヘッドを入れる。
この考え方は、上級者がG740を考えるうえで非常に参考になります。
2. ミドルアイアンより上をG740にする
上級者がG740を使う場合、現実的なのはミドルアイアンより上の番手です。
ショートアイアンまでG740にするというより、プレーヤーズアイアンでは高さやキャリーが不足する番手だけ、G740に置き換えるという考え方です。
大きい番手になるほど、入射角は緩やかになり、本来のG740アイアンの性能を引き出せるからです。
たとえば、i240の7番までは十分に打てる。
しかし、i240の6番になると高さが足りない。
さらに5番、4番になると構えただけで打てる気がしないならば、G740の7番、6番や5番が選択肢になります。
ただし、ここで注意しなければならないのは、番手表示です。
G740の5番アイアンは21度。
これは、i240の4番アイアン22度に近いロフトです。
G740の6番アイアンは24.5度。
これは、i240の5番アイアン25度に近いロフトです。
つまり、G740の5番はプレーヤーズアイアンの5番ではなく、実質的には4番相当。
G740の6番は、プレーヤーズアイアンの5番相当です。
上級者がG740をコンボに入れる場合は、番手で考えるのではなく、ロフト帯で考える必要があります。
3. ここで逆引き表を使う
PINGではモデル別に番手のフォルトを表示している票がありますが、非常に分かりにくいので、逆引き表を作成しました。
ロフト帯別・PINGアイアン番手対応表
※セル内は「番手・ロフト/シャフト長」
| モデル\ロフト帯 |
19°前後 |
21〜22.5° |
24.5〜26° |
28〜29.5° |
31.5〜33° |
35.5〜37° |
40〜42° |
44.5〜47° |
49.5〜52° |
56° |
| G740 |
- |
5I / 21°38.5 |
6I / 24.5°37.75 |
7I / 28°37 |
8I / 32°36.5 |
9I / 36°36 |
PW / 40°35.5 |
UW / 45°35.5 |
50° / 50°35.5 |
56° / 56°35.25 |
| G440 |
4I / 19°39.25 |
5I / 22°38.5 |
6I / 25.5°37.75 |
7I / 29°37 |
8I / 33°36.5 |
9I / 37°36 |
PW / 42°35.5 |
UW / 47°35.5 |
52° / 52°35.5 |
56° / 56°35.25 |
| i540 |
4I / 19°39.25 |
5I / 22°38.5 |
6I / 25.5°37.75 |
7I / 29°37 |
8I / 33°36.5 |
9I / 37°36 |
PW / 42°35.5 |
UW / 47°35.5 |
- |
- |
| i240 |
3I / 19°39 |
4I / 22°38.5 |
5I / 25°38 |
6I / 28°37.5 |
7I / 31.5°37 |
8I / 35.5°36.5 |
9I / 40°36 |
PW / 44.5°35.5 |
UW / 49.5°35.5 |
- |
| BLUEPRINT S |
3I / 19°39 |
4I / 22.5°38.5 |
5I / 26°38 |
6I / 29.5°37.5 |
7I / 33°37 |
8I / 37°36.5 |
9I / 41°36 |
PW / 45°35.5 |
- |
- |
| BLUEPRINT T |
3I / 19°38.75 |
4I / 22.5°38.25 |
5I / 26°37.75 |
6I / 29.5°37.25 |
7I / 33°36.75 |
8I / 37°36.25 |
9I / 41°35.75 |
PW / 45°35.5 |
- |
- |
この表を見ると、G740の役割がはっきりします。
G740の5番は21度、38.5。
これは、i240の4番22度、38.5に近いスペックです。
G740の6番は24.5度、37.75。
これは、i240の5番25度、38に近いスペックです。
つまり、上級者がG740を入れる場合、
G740の5番を入れる、
G740の6番を入れる、
ではなく、
21度の高弾道アイアンを入れる、
24.5度のやさしいロングアイアンを入れる、
と考えるべきです。
この考え方をすると、G740は単にやさしいアイアンではなく、長い番手の高さとキャリーを補うための明確な選択肢になります。
上級者がG740を使うなら、飛距離だけで選んではいけません。
G740は飛びます。
しかし、上級者にとって重要なのは、飛んだ距離ではなく、そのクラブがセットの中でどの役割を持つかです。
金谷選手のように、長い番手にやさしいヘッドを入れる考え方。
ミドルアイアンより上で、高さとキャリーを補う考え方。
そして、番手ではなくロフト帯で逆引きして選ぶ考え方。
この3つを組み合わせると、上級者にとってのG740の使い方が見えてきます。
G740は、上級者がやさしさに逃げるためのアイアンではありません。
長い番手の成功確率を上げるために、性能を使うアイアンです。