これまで、
- 第1話 ドライバーはゲームの土台
- 第2話 モデルは技量ではなく弾道で選ぶ
- 第3話 まず縦、次に横
- 第4話 打ちたい球ではなく、打ちたくないミスを消す
と紹介してきました。
では実際に、
ロフトを1度増やす
とは、何を変えているのでしょうか。
多くのゴルファーは、
球が高くなるだけ
と思っています。
もちろん、それも間違いではありません。
しかし、PINGはTrajectory Tuning Sleeveを、
単なるロフト調整機構として説明していません。


Play your best.
これまで、
と紹介してきました。
では実際に、
ロフトを1度増やす
とは、何を変えているのでしょうか。
多くのゴルファーは、
球が高くなるだけ
と思っています。
もちろん、それも間違いではありません。
しかし、PINGはTrajectory Tuning Sleeveを、
単なるロフト調整機構として説明していません。

前回は、PINGのドライバー・フィッティングが、
まず縦方向を合わせる
次に左右方向を合わせる
という順番で行われていることを紹介しました。
縦方向では、ボール初速、打ち出し角、スピン量を整えます。
その後、左右方向では、打ち出し方向、曲がり幅、スピン軸、左右の散らばりを調整します。
では、左右方向のフィッティングでは、どのような弾道を目指せばよいのでしょうか。
多くのゴルファーは、
きれいなドローを打ちたい
安定したフェードを打ちたい
真っすぐな球を打ちたい
と考えます。
しかし、PINGは少し違う方向から考えています。
打ちたい球筋を作るのではなく、打ちたくないミスを消す。
という考え方です。
上級者の方ほど、意図しないボールを打ちたくないという事がはっきりしています。一方、アベレージな方は飛んで曲がらないが求める弾道となります。
16:14~18:40
シェーン:
私は最近、ドライバーのロフトを少し増やしました。
私は左打ちですが、右へのミスに悩んでいました。
もともと私はスピン量の多いプレーヤーなので、ボールを右から左へ動かすために、スピンを使うことに慣れていました。
しかし、現在のドライバーではスピン量が減り、以前ほどボールが曲がらなくなっています。
そこでLSTのロフトを増やし、以前より真っすぐ構えるようにしました。
少しロフトを増やしただけで、フェアウェイを捉えやすくなりました。しかも、飛距離はほとんど失っていません。
マーティ:
その右ミスは、左打ちのあなたにとって、右へ曲がっていく球だったのですか。
それとも、右へ出て、そのまま戻ってこない球だったのでしょうか。
シェーン:
右へ出て、そのまま戻ってこない球です。
15年ほど前なら、芯で打った球でも、スピンによって左へ戻っていました。
しかしG430からG440へ進む中で、サイドスピンがかなり減ったように感じます。
今ではフェアウェイ右側を狙って打ちます。
少しカットしてもよいですし、曲がらなくてもフェアウェイに残ります。
マーティ:
それは非常に面白い例です。
PGAツアーには、軽いカットを基本にしながら、真っすぐ飛んでも問題ないという選手が多くいます。
そのような球筋には、かなり大きな安心感があります。
ドライバー・フィッティングでは、
「特定の球筋を作る」
という考え方がよく使われます。
しかし私は、逆に考える方がよいと思っています。
「出したくないミスを消す」
ように、ドライバーをフィッティングするのです。
必ずしも一定量のフェードを打ちたいわけではなくても、
「右へのミスだけは消したい」
クラブ軌道が左を向き、フェースは軌道より右を向いている可能性があります。
ということがあります。
そのように考えると、フィッターにもゴルファーにも分かりやすくなります。
ただし、右へ出るだけなら許容できます。
シェーン:
そのとおりです。
私は右へ曲がる球を見たくありません。
これは、フィッティングそのものを大きく変えたというより、技術の進歩によって狙い方を変えられたということです。
この会話で重要なのは、
右へ飛ぶ球は、すべて同じミスではない
ということです。
シェーンは左打ちです。
そのため、右方向はドローやフック側になります。
しかし彼が嫌っていたのは、右へ出ること自体ではありません。
右へ出たあと、さらに右へ曲がっていく球です。
一方、右へ出て、そのまま真っすぐ飛ぶ球であれば、狙い方によって許容できます。
つまり、最終的な着弾地点だけを見て、
右へ行ったから失敗
と判断しているわけではありません。
を分けて考えています。
これが、左右方向のフィッティングです。
ドライバーの弾道を見るとき、多くの人は最終的にボールが止まった場所だけを見ます。
しかし、同じ右側へ着弾した球でも、弾道の内容は違います。
たとえば右打ちの場合、
主にインパクト時のフェース向きが右を向いている可能性があります。
フェースとクラブ軌道の差が小さければ、大きく曲がらず、そのまま右へ飛びます。
打ち出し方向はおおむね合っていますが、フェースと軌道の関係によってスピン軸が右へ傾いています。
同じ右ミスでも、原因は同じではありません。
したがって、
右へ行くから、つかまるドライバーにする
だけでは不十分です。
打ち出し方向を変える必要があるのか。
曲がり幅を減らす必要があるのか。
その両方を変える必要があるのか。
まず区別しなければなりません。
ゴルフでは、ドローが飛ぶ球として好まれることがあります。
しかし、すべてのゴルファーがドローを打つ必要はありません。
ドローを作ろうとすると、
といった動きが生まれることがあります。
その結果、
ドローではなく、大きなフックが出る
こともあります。
本来、軽いフェードでフェアウェイを捉えられていたゴルファーが、「ドローの方が飛ぶ」という理由だけで球筋を変え、左右両方のミスを持つようになることもあります。
必要なのは、見た目の良い球筋ではありません。
コース上で、どのミスなら許容できるか
です。
ツアープレーヤーの多くは、左右両方へ大きく曲がる状態を嫌います。
真っすぐ飛ぶことだけを求めているわけではありません。
たとえば、
というように、球筋の幅を一方向へまとめています。
右打ちのフェードヒッターであれば、
真っすぐならフェアウェイ中央
少し曲がればフェアウェイ右側
という狙い方ができます。
しかし、同じ構えから、
のすべてが出ると、狙う場所がなくなります。
ゴルフで重要なのは、曲がらないことだけではありません。
どちらへ曲がる可能性があるのかを予測できること
です。
弾道測定器を使ったフィッティングでは、一番飛んだ球に注目しがちです。
しかし、コースでスコアを崩すのは、多くの場合、一番良い球ではありません。
最も悪いミスです。
たとえば10球打ったときに、
というクラブと、
というクラブがあったとします。
最長飛距離が前者の方が5ヤード長くても、実戦では後者の方が良い可能性があります。
前者には、一打でゲームを崩す球が含まれているからです。
そのためフィッティングでは、
平均値を良くすること
と同時に、
最悪のミスをどこまで小さくできるか
を見る必要があります。
すべてのゴルファーが、同じミスを嫌うわけではありません。
左へのミスを消す価値が大きくなります。
右へのミスを抑える必要があります。
左への曲がりを減らすことが、距離の安定にもつながります。
打ち出し方向を少し修正するだけでよく、ヘッドを大きくつかまる仕様にする必要はないかもしれません。
まず、どちらか一方へミスをまとめる必要があります。
つまり、
最適な左右バイアス
は、その人のスイングだけで決まるわけではありません。
普段プレーするコース、ティーショットの狙い方、許容できるミスによっても変わります。
G440の各モデルには、それぞれ異なる左右特性があります。
フェースが開いて届きやすく、右へのミスが多いゴルファーに適しています。
右へ曲がる球を減らし、よりスクエアに近い状態でフェースを届けることを助けます。
高い慣性モーメントによって、打点がずれたときのヘッドの回転を抑えます。
CG Shifterによって、ドロー、ニュートラル、フェード方向へ調整できます。
Kよりも少し高い打ち出しとスピンを作りながら、CG Shifterで左右方向を調整できます。
スピン量を抑えることを基本にしながら、CG Shifterによって左右特性を調整できます。
重要なのは、
モデルを選べば、球筋がすべて決まるわけではない
ということです。
モデルで基本的な弾道特性を決め、その後、ウェイト位置、スリーブ、クラブ長、ヘッド重量などで左右のミスを整えます。
前話で紹介したジョン・ソルハイムの例は、この考え方をよく示しています。
彼はスピン量が多くなりやすいため、ヘッドにはLSTが必要です。
しかし、LSTの低スピン性能を使うだけでは、フェースのつかまりが足りない可能性があります。
そこで、
ことで、左右方向を調整しています。
これは、
低スピンにしたいからLST
つかまえたいからSFT
という単純な二者択一ではありません。
縦方向にはLSTが必要です。
左右方向には、ドロー方向の調整が必要です。
その二つを組み合わせています。
フィッティングとは、モデル名にゴルファーを当てはめる作業ではありません。
ゴルファーに必要な縦と横の条件を、一つのクラブに組み合わせる作業
です。
シェーンの例では、ロフトを増やすことで右ミスを減らしています。
一般にロフトを増やすと、
ことがあります。
シェーンは、ロフトを増やしたことで、以前より真っすぐ構えやすくなりました。
その結果、
無理に右から左へ曲げようとせず、右側を狙って、真っすぐか軽いカットで打つ
という狙い方ができるようになっています。
ここで重要なのは、ロフトを増やしてドローを強くしたわけではないことです。
自分が嫌う右への曲がりを消し、許容できる球だけを残しています。
シェーンは、G430からG440へ進む中で、以前よりサイドスピンが減ったと感じています。
厳密には、ボールにはバックスピンとサイドスピンが別々に発生しているわけではありません。
回転軸が傾くことで、ボールが左右へ曲がります。
現代のドライバーでは、
などによって、芯に近い打点での曲がりが小さくなっています。
その結果、以前なら戻ってきた球が、戻らずにそのまま飛ぶことがあります。
これは悪いことではありません。
しかし、ゴルファーが昔の曲がり幅を前提に狙っていると、想定と違う場所へ飛びます。
クラブが変われば、狙い方も変える必要があります。
Podcastでは、シェーンのような高ボールスピードのプレーヤーと、一般ゴルファーを分けて説明しています。
19:07~20:23
マーティ:
あなたのボール初速は170mph台後半で、時には180mphに届きます。
PGAツアーの平均か、それを少し上回る速度です。
その速度があれば、ある程度の曲がりを許容しながら、安心できる球筋と散らばりを、作ることができます。
一方、225~250ヤード程度を飛ばし、多くのフェアウェイを捉える一般ゴルファーも大勢います。
そのようなゴルファーには、スピン軸の傾きをできるだけ小さくします。
ボール初速がそれほど高くない場合、曲がりを減らすことは、飛距離を伸ばすための一つの方法になります。
したがって一般原則としては、曲がり幅をできるだけ小さくします。
現代のクラブ技術とゴルフボールも、それを助けています。
ヘッドスピードが速いゴルファーは、ボールが少し曲がっても、十分な初速とキャリーを残せます。
しかし、ボール初速がそれほど高くないゴルファーでは、曲がりが大きくなるほど、前へ進む距離を失いやすくなります。
たとえば、右へ大きく曲がる球では、
ことがあります。
この場合、単にヘッドスピードを上げようとするより、
曲がりを減らす
方が飛距離を伸ばせる可能性があります。
つまり、
真っすぐ飛ばすことは、方向性だけの問題ではない
ということです。
曲がりによって失っていたエネルギーを、前方への飛距離へ戻すことでもあります。
曲がりを減らすことは重要です。
しかし、毎回完全なストレートボールを求める必要はありません。
ストレートボールは、フェース向きとクラブ軌道がほぼ一致したときに生まれます。
わずかな差によって、ドローにもフェードにもなります。
そのため、完全なストレートだけを目指すと、左右両方の球が出る可能性があります。
実戦では、
真っすぐ、または軽いフェード
真っすぐ、または軽いドロー
という範囲の方が、狙いやすくなります。
消すべきなのは、すべての曲がりではありません。
コースを外し、次のショットを難しくする曲がり
です。
左右方向のフィッティングを始める前に、フィッターはゴルファーへ、
どのミスを最も見たくありませんか。
と聞く必要があります。
答えは人によって違います。
その球を確認したうえで、
を使います。
何も聞かずに「ドローとフェードのどちらが好きですか」と尋ねるだけでは、十分ではありません。
好みの球筋と、実際に消すべきミスは同じとは限らないからです。
ドライバー・フィッティングの目的は、見た目の良い球筋を作ることではありません。
必要なのは、
コース上で最も大きな損失になるミスを消すこと
です。
ドローを打ちたいか。
フェードを打ちたいか。
その前に確認しなければならないことがあります。
です。
理想の球筋を一つ決めるより、
打ちたくない球を一つ消す
方が、コースでは狙い方が明確になります。
真っすぐか、軽いフェード。
真っすぐか、軽いドロー。
そのようにミスを一方向へまとめることができれば、ティーショットの安心感は大きくなります。
そして、ボール初速がそれほど高くない一般ゴルファーにとっては、曲がりを減らすことが、飛距離を増やすことにもつながります。
ドライバーは、一番きれいな一球を打つためのクラブではありません。
最も悪い一球によって、ゲームを壊さないためのクラブです。
次回は、Trajectory Tuning Sleeve、ロフト、ライ角、フェース角が、実際に何を変えているのかを見ていきます。
G440の各モデルが、上級者用、初心者用という技量別に分けられているのではなく、
必要な打ち出し
必要なスピン量
消したい左右のミス
によって分けられていることを紹介しました。
では、実際のフィッティングでは、何から決めていけばよいのでしょうか。
ドライバーには、非常に多くの調整項目があります。
これらを見ていると、どこから手をつければよいのか分からなくなります。
実際、すべてを同時に変更すると、
何を変えたことで、弾道が変化したのか
が分からなくなります。
PINGは、ドライバー・フィッティングを大きく二つに分けています。
まず縦方向を合わせる。
その後、左右方向を合わせる。

という考え方です。 “ドライバー・フィッティングは、まず縦を合わせ、次に横を合わせる” の続きを読む
The OPEN Ryan Fox の優勝でした。
早速、このような動画が作成されています。
一見、変則に見えるスイングですが、素晴らしいスイングの持ち主です。
さて、本題!
PING PUTTER ANSE2Dを使用しています。
PINGゴールドパターボールトへの主要な追加です。年間最優秀ゴルファーは、ロイヤルバークデールでの優勝に頼ったAnser 2Dの純金レプリカを受け取ります。
仕様:
と
シャフトに40インチのKBS C-Taper 130 Black PVD 8番アイアンシャフトを使用し、ロフトは6.5度、グリップは中尺用と中尺パターにしていますね。
これで、メジャーは中弱パターが2連勝となりました。
エピソードトークを分析していきます。
ゴルフには、昔から有名な言葉があります。
Drive for show, putt for dough.
日本語では一般的に、
ドライバーは見せるため、パットは稼ぐため
と訳されます。
この言葉は、ドライバーショットの華やかさと、パッティングがスコアへ直接反映されることを対比したものだと思います。 “ドライバーは、なぜバッグの中で最も重要なクラブなのか” の続きを読む
重要なエピソードが投稿されています。
ドライバーフィッティングです。マーティ・ジェーソンは何を語っているのでしょうか?PINGのフィッターならば、必ずチェックしなければなりません。
今回は詳細に内容を把握しなければならないので、まずは翻訳を投稿します。
以下翻訳となります。
PING Proving Grounds Podcast
ドライバー・フィッティング編
日本語タイムコード同期版
[00:00]
PINGの人たちは、用具がどれほど重要なのかを教えてくれました。
[00:04]
自分が打ちたいと思う、ほとんどどんなショットでも打てる。それが本当に気に入っています。
[00:06]
ゴルファーがもっと良いゴルフをするために、ここで何が行われているのか。これから面白い話をたくさん紹介できると思います。
[00:11]
皆さん、こんにちは。「PING Proving Grounds Podcast」へようこそ。シェーン・ベーコンです。今日はマーティ・ジャーツと私の二人で、ドライバー・フィッティングについて話します。
[00:19]
ドライバーはバッグの中で最も重要なクラブであり、ゲームに最も大きな影響を与えます。それに率直に言って、打つのもフィッティングするのも楽しいクラブです。
[00:28]
今「バッグの中で最も重要なクラブ」と言いましたね。ゴルフには昔から「Drive for show, putt for dough――ドライバーは見せるため、パットは稼ぐため」という有名な言葉があります。
[00:36]
子どもの頃から私は、スコアを作るにはパットを決めなければならないとしても、ティーショットをとんでもない場所へ打ったり、インプレーにできなかったりすれば、重要なパットを打つところまで行けないと思っていました。
[00:51]
現在では、ドライバーはプロだけでなく、すべてのゴルファーにとって最も重要で、最も影響の大きいクラブだと感じます。
[00:57]
そのとおりです。マーク・ブローディーの研究によってストロークス・ゲインドという現代的な分析が広まりました。今風に言い換えるなら、「Drive for dough, putt to win――ドライバーで稼ぎ、パットで勝つ」でしょう。
[01:05]
パターが好調なら勝てます。しかし、ゴルファーはドライバーをゲームの土台として考えるべきです。家を建てるなら、しっかりした基礎が必要です。ドライビングは、ゴルフゲームの基礎なのです。
[01:22]
だからバッグにドライバーを2本入れているのですか。基礎をさらに強固にするために?
[01:30]
そうです。それについても後で話しましょう。ティーショットの出来が、その後のすべてを決めます。したがって、バッグに2本のドライバーを入れるという、少し特殊な選択肢もあります。
[01:45]
本格的にフィッティングの工程へ入る前に、現在のG440シリーズについて説明してください。どのようなモデルがあり、それぞれどんなプレーヤー向けなのでしょうか。
[01:58]
少し歴史から話しましょう。G30ドライバーを発売したのは2015年頃で、タービュレーターを初めて搭載しました。
[02:09]
それ以前には、iシリーズのドライバーとGシリーズのドライバーがありました。iは比較的寛容性が低い代わりに低スピンで、バルジとロールも小さく設定されていました。
[02:25]
しかし私たちは、「すべてのゴルファーに高MOIが必要だ」と気づきました。以前、G440ドライバーの回でライアン・ストーキーとも話しましたが、高MOIはむしろ上級者やヘッドスピードの速いプレーヤーにも大きな恩恵があります。
[02:40]
そこで、すべてのモデルを高い寛容性にし、スピン特性の違いでモデルを分けることにしました。これがLST、Low Spin Technologyという名称の始まりです。
[02:57]
さらに、かつてのK15のような製品を独立させるのではなく、同じファミリーの中に組み込み、Straight Flight Technology、SFTと名づけました。そして最大限の寛容性を持つモデルも用意しました。
[03:13]
そこから、慣性モーメント10,000の壁を初めて超える「10K」が生まれました。現在はその名称を、より簡潔な「K」へ発展させています。
[03:22]
現在のG440は、PING史上最も完成度の高いドライバー・ファミリーです。今年発売したKは非常に高い寛容性を備え、CG Shifterも搭載しました。
[03:29]
MAXも高MOIですが、Kより少しスピンが多く、打ち出しも少し高くなります。
[03:38]
LSTはLow Spin Technologyです。PGAツアーで最も使用されているモデルで、やや小ぶりのヘッド形状と優れた空力性能を持ち、スピン量を抑えます。
[03:53]
SFTはStraight Flight Technologyです。フェースが少し開いて当たり、右打ちで右へミスしやすい一般ゴルファーに適しています。
[04:04]
現在、ツアー選手にはどのモデルが最も多く使われていますか。また、一般ゴルファーがフィッティングを受けた場合、最も選ばれやすいモデルはどれでしょうか。
[04:21]
PGAツアーではLSTの比率が非常に高く、およそ80%です。G440だけでなく、以前のシリーズでも、PINGドライバーの約80%がLSTでした。
[04:34]
ツアー選手はヘッドスピードが非常に速く、LSTのヘッド形状を好みます。また、自分に合う打ち出しとスピン特性を得やすいからです。
[04:43]
CG Shifter、シャフト、ホーゼルスリーブの設定を組み合わせれば、その他の要素も細かく合わせられます。
[04:52]
ただし、ツアー選手ほどヘッドスピードが速くなくても、ダウンブローで打ち、フェースが開き、スピンが多くなる人もいます。一般ゴルファーだからといってLSTを除外しないでください。
[05:04]
LSTを「速いヘッドスピード」や「一定以上の技量」だけに限定してはいけません。十分に寛容性があり、一般ゴルファーにも適合する領域があります。
[05:13]
たとえば当社のエグゼクティブ・チェアマン、ジョン・ソルハイムはスピンが多くなりやすいプレーヤーです。彼にはLSTを選び、CG Shifterをドロー位置にし、スイングウェイトを少し軽くして、SFTに近い仕様へ組みます。それが彼には最適です。
[05:37]
一方、一般ゴルファーの多くはK、MAX、SFTにフィットします。すべてを同じファミリー名の中に用意していることが、私たちの戦略の強みです。
[05:46]
今後もこの方式は続くのでしょうか。以前は性格の大きく異なるヘッドが別々に存在しましたが、現在は一つの主力シリーズの中に複数の派生モデルを用意するメーカーが増えています。
[06:14]
はい。この方式なら、消費者は「ツアー選手がG440を使っているから、自分も試してみよう」と考えやすくなります。
[06:22]
そして、最終的にはフィッティングが中心になります。すべてのドライバーは、Free Hosel Design、Carbonfly Wrap、Spin-Sistencyフェースなど、共通する中核技術を基礎にしています。
[06:42]
そのうえで各モデルに、異なる打ち出し、スピン、慣性モーメントを持たせています。
[06:51]
LSTでは、特にツアープレーヤーを意識して形状や打音を最適化しています。SFTは、スライスに悩み、「とにかくボールを真っすぐにして、もっとフェアウェイを捉えたい」というゴルファーのためのモデルです。
[07:06]
この番組ではフィッティングについて何度も話してきました。フィッティングはゴルファーにとって非常に重要であり、PINGが歴史を通じて重視してきたことでもあります。
[07:22]
新しいPINGドライバーやフェアウェイウッドのフィッティングを受ける場合、当日までに何を準備すればよいでしょうか。
[07:38]
スタッツを記録しているなら、それを活用するのが最善です。Arccosなど、ラウンド中のデータを記録するアプリを使っているなら、事前にその内容を振り返ってください。
[07:53]
スタッツを記録していなくても問題ありません。コース上での自分の傾向や特徴を考えてください。
[08:01]
ラウンドでは左にも右にもミスし、そのまま深く考えず終わらせがちです。しかし、自分がどのようなミスをしているのかを振り返るだけでも、非常に価値があります。
[08:09]
また、普段どこでプレーするのかも重要です。特定のコースの会員で、男子会や女子会などを含め、ほとんどを同じコースでプレーするなら、そのコース条件をフィッティングへ反映できます。
[08:26]
クラブにさまざまなコースへの対応力が必要なのか、特定コースに最適化すればよいのかも変わります。
[08:34]
現在のドライバーで過去数か月を振り返り、自分のスタッツ、ミス傾向、普段プレーするコース条件を整理してください。そしてデータがあるなら、フィッターに見せてください。
[08:53]
Arccosを深く使っている人からよく聞くのは、「自分が何を得意とし、何を苦手としているのかは、本人が思っているほど分かっていない」ということです。
[09:01]
自分では分かっているつもりでも、Arccosが別の事実を示すことがあります。長い時間をゴルフに使い、練習していても、本当に得意分野と弱点を把握できているとは限りません。
[09:18]
新しいArccos Link Proのような技術なら、ポケットに入れてプレーするだけで記録しやすくなります。「自分はドライバーが得意なのか、アイアンが得意なのか」といったことを、データが明確に示してくれます。数字は嘘をつきません。
[09:36]
私も最近、またスタッツを取り始めました。アイアンとアプローチは悪くないと思っていましたが、実際には1ラウンドあたり1.5~2打ほど稼いでいました。
[09:48]
一方、最近のパッティングは不調で、1.5~3打ほど失っていました。数値は、自分のゲームを正確に教えてくれます。これはフィッティング前の良い宿題です。
[10:14]
ではG440の具体的なフィッティングに入りましょう。Trajectory Tuning Sleeveは、フィッティングに非常に役立つ技術です。
[10:22]
昔は、異なるシャフトを挿したヘッドを何本も用意していました。現在はシャフトを抜き差しし、交換し、設定を変えられます。購入後に自分で調整することもできます。
[10:38]
Trajectory Tuning Sleeveは、ドライバーのロフトやライを調整し、異なるシャフトへ交換できるホーゼル機構です。フィッティングでは、シャフト、長さ、ロフトを変えて試せます。
[10:54]
このスリーブはフィッティング時だけでなく、購入後の微調整にも使えます。
[11:07]
フィッティング当日と別の日では、スイング、ティーの高さ、体の状態、芝、風などが違います。購入後に実際のラウンドで微調整できることは大きな利点です。
[11:23]
マウンテンバイクを購入したあと、姿勢に合わせてサドル高を少し変えるようなものです。フィッティング当日は体が硬かった、姿勢が少し違ったということもあります。
[11:39]
調整スリーブがなかった時代、ツアー選手のドライバーでは、シャフトをわずかに傾けて接着する「シム調整」を行っていました。
[11:48]
これによってロフトやライを少し変え、標準の9度と10.5度の中間である9.75度や10度を作ることができました。10.5度のロフトを減らし、フェース角を少し開くこともできました。
[12:13]
現在のスリーブには1.5度の傾きがあります。それを時計の文字盤のように回転させて取り付けることで、ロフトとライを変化させます。
[12:20]
最大で3度フラットにすることもできます。PINGのTrajectory Tuning Sleeveにフラット・ポジションがあることは、一般ユーザーには十分知られていないかもしれません。
[12:38]
フラット設定は打点傾向を変え、左右の弾道バイアスを調整する手段にもなります。フィッティングでは打点を合わせることが重要であり、このスリーブが役立ちます。
[12:52]
ロフトを変えると、フェース角も変わるのでしょうか。
[12:59]
はい、わずかに変わります。たとえばスリーブを小さい「+」位置へ入れると、ロフトが1度増えます。9度のヘッドなら10度になります。
[13:14]
同時に、相対的なフェース角はわずかにクローズになります。それが有利になるゴルファーもいます。
[13:26]
ドライバーを地面にソールせず、浮かせて構える人なら、フェース角の変化をほとんど感じない場合があります。社内ではこれを「Resting Face Angle」と呼んでいます。
[13:42]
バミューダ芝のようにティーイングエリアが柔らかければ、ソールの座り方による影響は小さくなります。反対に、北東部のベント芝のように硬く締まったティーイングエリアでは、フェース角の影響が出やすくなります。
[13:56]
私はヘッドを少し浮かせるので、この変化にはあまり敏感ではありません。ただし、スリーブ設定を変える際には意識すべき点です。
[14:11]
フェース角の変化を利用することもできます。たとえば9度を大きい「+」にする代わりに、10.5度を「-」へ設定すれば、近いロフトを得ながらフェースを少し開く方向へバイアスできます。
[14:26]
ロフトについても聞きたいです。昔はツアー選手が7度のドライバーを使うこともありました。
[14:38]
現在は、打ち出し角を確保しながらスピンを減らすことが重視されます。9度や10度でも十分な飛距離が得られます。ロフトに対する考え方は変わったのでしょうか。
[14:52]
現在のPGAツアーやLPGAツアーを見ると、使用ロフトには非常に大きな幅があります。
[15:01]
LPGA選手の中にも、非常に低ロフトのドライバーを使う人がいます。アタックアングルが大きくプラスで、ティーを高くし、右を向き、スイング方向も右へ向けながら強くアッパーに打つからです。
[15:09]
一方、ドライバーをややダウンブローで打つツアー選手は、打ち出し条件を最適化するため、より大きいロフトを使います。
[15:26]
昔からの固定観念が薄れ、見栄やエゴよりも、最適な打ち出し条件を見つけることが優先されるようになりました。
[15:39]
PINGにはOptimal Launch and Spin Chart、Launch Efficiency、PING Co-Pilotなどのツールがあります。
[15:46]
フィッティングでは、まず「モデルとロフト」の組み合わせを核にします。この組み合わせが、打ち出し、スピン、ボール初速を守る慣性モーメント、そして弾道の一貫性を決めます。
[16:01]
その核を決めてから、シャフト長、Trajectory Tuning Sleeve、CG Shifterなどへ進みます。
[16:14]
私は最近、ドライバーのロフトを増やしました。私は左打ちで、右へのミスに悩んでいました。
[16:22]
私はもともと高スピンなので、スピンを利用してボールを右から左へ動かすことに慣れています。しかし現代のドライバーではスピンが減り、以前ほどボールが曲がりません。
[16:39]
LSTのロフトを増やし、以前より真っすぐ構えるようにしました。少しロフトを増やしただけでフェアウェイを捉えやすくなり、飛距離も失いませんでした。
[16:56]
その右ミスは、左打ちのあなたにとってフック方向へ曲がる球だったのですか。それとも、右へ出て、そのまま曲がらなかったのですか。
[17:05]
右へ出て、そのまま戻ってこない球です。15年前なら、芯で打った球でもスピンによって左へ戻っていました。
[17:22]
しかしG430からG440へ進む中で、サイドスピンが大幅に減ったように感じます。今はフェアウェイ右側を狙って打ち、少しカットしても良いし、曲がらなくてもフェアウェイに残ります。
[17:37]
これはPGAツアー選手に近い面白いフィッティング例です。ツアーには軽いカットを基本にしながら、真っすぐ飛んでも問題ない選手が多くいます。その安心感は大きいものです。
[17:57]
ドライバー・フィッティングでは「一つの球筋を作る」ことが語られます。しかし私は逆に考えます。「出したくないミスを消す」ようにドライバーを合わせるのです。
[18:21]
必ずしも一定量のフェードを打ちたいわけではなくても、右へのミスだけは消したい。そのように考えると、フィッターにもゴルファーにも分かりやすくなります。
[18:40]
そのとおりです。右へ曲がる球は見たくありません。ただ、右へ出るだけなら許容できます。これはフィッティング変更というより、技術の進歩によって可能になった狙い方の変更でした。
[18:56]
スリーブを一段動かしてロフトを加えただけで、狙いどころを決めやすくなり、安心して構えられるようになりました。ここ数週間、ドライバーはかなり改善しています。
[19:07]
一般ゴルファーに置き換えて考えるため、あなたのボール初速も確認しましょう。あなたは170mph台後半で、現在でも時には180mphに届きますね。
[19:22]
42歳になったので、180mphを出すには少し強く振らなければなりませんが、ときどき届きます。
[19:28]
PGAツアー平均か、それを少し上回る速度です。その速度なら、安心できる球筋を作り、多少の曲がりを許容しながら散らばりを抑えられます。
[19:36]
しかし、225~250ヤード程度を飛ばし、かなり真っすぐ打って多くのフェアウェイを捉える一般ゴルファーも大勢います。
[19:56]
そのような人には、スピン軸の傾きをできるだけ小さくします。ボール初速がそれほど高くない場合、曲がりを減らすことは、そのまま飛距離を伸ばす裏技のような効果を持ちます。
[20:20]
したがって一般原則としては、曲がり幅をできるだけ小さくします。現代のクラブ技術とゴルフボールは、それを助けてくれます。
[20:29]
CG Shifterも重要です。ロフトを変えたとき、CG Shifterを組み合わせて、別の方向の変化を補うこともできます。
[20:52]
ドライバー・フィッティングは、まず「縦方向のフィッティング」として考えると分かりやすくなります。
[21:00]
横から見た弾道で、ボール初速を最大化し、打ち出し角とスピン量を最適化します。ここでは主にモデル、ロフト、Trajectory Tuning Sleeveを使います。
[21:16]
縦方向がおおむね合ったら、次に上空から見た弾道へ切り替え、「左右方向のフィッティング」を行います。
[21:24]
各モデルには固有の左右バイアスがあります。特にKへCG Shifterが搭載されたことで、非常に高いMOIを持つヘッドの重心位置まで動かせるようになり、フィッターから高く評価されています。
[21:41]
モデルを基礎に、CG Shifter、クラブ長、Trajectory Tuning Sleeveを使って、左右バイアスと散らばりを最適化します。
[21:49]
最後の仕上げがスイングウェイトです。右打ちの場合、スイングウェイトを少し重くすると、弾道を右へ寄せ、左へのミスを抑える傾向があります。
[22:07]
反対にヘッド重量とスイングウェイトを少し軽くすると、フェースがより閉じて届きやすくなり、ヘッドをスクエアに戻して、つかまえやすくなります。
[22:20]
ゴルファーがこれを聞くと、非常に複雑に感じるでしょう。スリーブでロフトを変え、後方のCG Shifterを動かし、ヘッド重量とシャフトも変えます。
[22:35]
仕組みを理解すれば整理できますが、知識のあるフィッターへ行くことが非常に重要です。
[22:43]
私はフィッティングを受ける人に、「終了時に、自分のクラブについて何を知っておくべきか、フィッターへ聞いてください」といつも言います。
[22:51]
「この方向へミスしたら、どこを動かすのか」「こうなったらロフトを増やすのか」といったことです。自分のゲームを理解し、購入後もクラブを進化させられるようにしてください。
[23:10]
CG ShifterとTrajectory Tuning Sleeveが消費者自身の手元にあることは、大きな利点です。購入後も設定に縛られません。
[23:18]
何ラウンドかプレーしてから調整できます。ツアーのフィッティングは終わることがありません。ツアートラックが毎週会場にあり、選手はレンジで合わせたあと、9ホールや練習ラウンドをプレーして、さらに微調整します。
[23:43]
今では一般ゴルファーも同じことができます。それが現代の調整機構と設計の素晴らしさです。
[23:53]
ドライバー・フィッティングは複雑に聞こえますが、PING Co-Pilotにはフィッターを助ける多くのツールがあります。
[24:01]
シャフト・アプリを使えば、候補を上位2~3本まで素早く絞れます。Launch Efficiencyを使えば、各ゴルファーに最適な打ち出し条件を求められます。
[24:17]
さらに高度なフィッターは、ストロークス・ゲインドに基づいてドライバーを選びます。TrackManにも、この考え方に対応する指標が用意されています。
[24:31]
たとえば現在のドライバーと比較したり、45.25インチと45.75インチを比較したりできます。
[24:40]
長い仕様で数ヤード伸びても、散らばりが大きく変わらないなら、その選択がストロークス・ゲインド上で有利かもしれません。今後は、そのようなスコアに基づくフィッティングが増えていきます。
[25:01]
新しいPINGドライバーを購入したあと、どのくらいの頻度で再点検すべきでしょうか。
[25:14]
ゴルフの状態やミスの種類は変わります。購入から3~4か月後、フィッター、インストラクター、弾道測定器などで、現在も適合しているか確認すべきでしょうか。
[25:38]
たとえばハンディキャップ7~8で、冬はあまりプレーせず、夏のシーズンに多くの競技や仲間とのラウンドへ出る人なら、シーズン中に2回ほど点検してもよいでしょう。それほどドライバーは重要です。
[26:03]
レッスンを受けているなら、スイング方向やアタックアングルが変化していないかも確認します。
[26:10]
多くのゴルファーでも、最低年1回はドライバーを点検することを勧めます。シーズン初め、少しプレーを再開した頃がよいでしょう。
[26:27]
現在は自宅に弾道測定器を持つ人も増え、クラブの練習場に測定器がある場合もあります。望むなら毎週でもドライバーを調整できます。
[26:44]
熱心な一般ゴルファーが、ツアー選手と同じことを自宅で行う時代になりつつあります。ツアー選手はレンジだけでなく、GCQuadやTrackManをコースへ持ち込み、ほぼすべてのショットを測っています。10年前には考えられなかったことです。
[27:05]
まだシャフトについて十分に触れていません。シャフトの世界は非常に広大です。
[27:13]
PINGは社内でシャフトを設計し、シャフト・ラボでヘッドからグリップまでを一体として研究しています。
[27:22]
シャフトについては非常に深く追究することもできますし、必要な範囲だけ理解して、ヘッドをモデルチェンジしても似た特性を継続して使うこともできます。
[27:37]
シャフト研究は面白い分野です。ジョン・オルデンバーグがシャフト設計を率い、Focalシステムとマーカーレス・モーションキャプチャーを使っています。
[27:53]
最近のゴルフ科学会議でも、スイング中にシャフトがどのように曲がり、トウダウンし、たわむのかを調べました。
[28:05]
シャフトがクラブのデリバリーの再現性、フェースの閉じる速度、トウダウンへどこまで影響するのか。非常に興味深い研究領域です。
[28:14]
シャフトは平均的なボール初速、打ち出し、スピン、フェースの届き方だけでなく、デリバリーの一貫性にも影響します。
[28:23]
私たちは感覚的に、「このシャフトは自分に働いてくれる」と感じます。現在は、なぜ特定の曲げ剛性やトルク特性を好むのか、その因果関係を科学的に調べています。
[28:47]
適切な打ち出し条件を作るだけではありません。あるシャフトはスイングの不完全さを減衰させ、フェースを安定して届け、打点分布を小さくすることがあります。
[29:03]
PING Co-Pilotで最も使われているのがシャフト・アプリです。PINGのフィッターがこれを使えば、シャフト・ラボとFocalシステムで蓄積した研究を活用して候補を絞り込めます。
[29:32]
ツアー選手は、どのくらい頻繁にドライバーを調整するのでしょうか。ツアートラックでは、毎週のように選手が何かを調整しています。
[29:40]
マット・フィッツパトリックが毎週アイアンの重量を確認したり、選手がウェッジやグリップを調整したりする姿を見ます。最も重要なドライバーは、どの程度変更されるのでしょうか。
[30:06]
ドライバーについては、多くの選手が、今も存在するなら「オフシーズン」と呼べる時期に取り組みます。
[30:14]
年間のストロークス・ゲインドを振り返り、もう少し稼ぎたい選手が、少し長いドライバーを試すこともあります。
[30:29]
シーズン初期に基本仕様を固め、その後も弾道条件を継続的に測ります。多くの選手は、少なくとも毎週、練習日や練習ラウンドで弾道測定器を使っています。
[30:44]
打ち出し条件が狙いどおりなら、同じ基本仕様を一年間まったく変えない選手も多くいます。
[31:00]
一方、年間を通じてアタックアングルやスイング技術を変える選手は、その動きと調和するようにドライバーを調整します。ここではフィッティングとコーチングが結びつきます。
[31:16]
コース条件に合わせてウェッジのグラインドを毎週試したり、ストローク変更に合わせてパターのロフトを変えたりするほどには、ドライバーを頻繁に変えません。
[31:33]
モデル、ロフト、ボールの見え方、スイングとの関係に満足していれば、ドライバーは年間を通して比較的安定したクラブです。
[31:45]
では「Thriver」について話さなければなりません。あなたが大好きなクラブですね。今もThriverを使っていますか。
[31:54]
もちろんです。今もThriverが大好きです。
[31:57]
以前の回を聞いていない人のために説明してください。通常のエースドライバーと同じ大きさのヘッドを使う、まったく別の役割のクラブですね。
[32:12]
まず、フィッティング前にゴルファーが何を考えるべきかという話へ戻りましょう。私は自分のゲームを振り返り、スタッツを確認しました。
[32:24]
自分が得意なことは何か。どこに「悪魔」が潜んでいるのか。どんなゴルファーにも、ゲームの中に少し苦手意識があります。私の場合は3番ウッドでした。
[32:33]
特にスタートホールで緊張したときや、スイングの調子が悪いとき、3番ウッドのティーショットに問題が現れました。
[32:42]
アリゾナのゴルフやPGA Southwest Sectionの競技では、270~280ヤードを正確に打つ必要があります。フェアウェイが途中で終わったり、急に狭くなったりする、典型的なアリゾナの設計です。
[33:02]
そこで「12度のドライバーを3番ウッドの長さで使ったら、散らばりはどう変わるだろう。自分の苦手を解決できるだろうか」と考えました。
[33:17]
私のプレー環境では、3番ウッドの85~90%をティーショットで使っていました。
[33:26]
これはカスタムフィッティングの良い例です。同じヘッドスピードでも、パー5のセカンドで3番ウッドを多用する人なら、用途の比率はまったく違います。だからスタッツに価値があります。
[33:42]
私はThriverを試し始めて3年ほどになります。12度のG440 MAXヘッドを使い、PINGに用意されている専用ビルドで組みます。
[33:50]
シャフト長は私の場合43~43.25インチ。少し重いCG Shifterをフェード位置へ入れ、フラット設定にします。
[34:05]
これは私にとって「不安防止クラブ」です。スイングが悪くても、緊張していても、低くティーアップして打てば、Thriverでフェアウェイ中央へ運べます。非常に安心できるクラブです。
[34:18]
私もここ2年ほど、入れたり外したりしながら使っています。コネチカットの私のコースは、1番ホールが「州で最も難しいスタートホール」と呼ばれています。
[34:26]
左も右もトラブルで、フェアウェイバンカーを越えなければショートアイアンを持てません。まさにThriverのために設計されたようなホールです。
[34:42]
キャリーで265~270ヤード打てれば完璧です。通常のドライバーで、曲がりすぎないカットを打とうとすると不安になりますが、Thriverならそのショットに最適です。
[34:53]
スタートホールのティーショットに優れ、ロフトが多いので、必要なら地面からも打ちやすい。パー5を狙うこともできます。
[35:07]
ストロークス・ゲインドで考えてみましょう。1ラウンドに5回、3番ウッドで275ヤード前後のティーショットを打ち、地面から600ヤードのパー5へ1回だけ打つとします。
[35:24]
ティーショット5回の散らばりを50%減らして得る利益は、パー5の1打で少しグリーンから離れ、ショートゲームで寄せなければならない不利益を大きく上回ります。
[35:38]
万人向けではありません。しかしヘッドスピードが速く、3番ウッドの多くをティーショットに使うプレーヤーなら、検討する価値があります。
[35:47]
逆に、すべてのホールでドライバーを打てて、2~3個のパー5で3番ウッドを使ってグリーンを狙うコースなら、その大会だけThriverを外して3番ウッドを戻します。
[36:07]
最後に、これからG440などの新しいドライバーを検討する人へ、ドライバー・フィッティングで忘れてはいけない点を教えてください。
[36:23]
フィッターが必ずアタックアングルを測定していることを確認してください。TrackManのフレデリックとも話しましたし、PING Co-PilotのLaunch EfficiencyやOptimal Launch and Spin Chartにも関連ツールがあります。
[36:32]
ボールをよりアッパーに打つほど、より少ないスピンで成立し、打ち出し角は高くなります。
[36:40]
ダウンブローが強くなるほど、適正条件は変わります。自分にとって最適なスピン量について、先入観を持たずにフィッティングを受けてください。まずアタックアングルを確認することです。
[36:57]
そして最後の仕上げは、ドライバーだけでなくゲーム全体にゴルフボールを適合させることです。
[37:06]
たとえばKドライバーが全体として良くても、スピンが200~300rpmだけ多い場合、Ballnamicを使い、ゴルフボールによって適正な打ち出しとスピンの領域へ入れられます。
[37:22]
Optimal Launch and Spin Chartで完全な数値にならないときは、ゴルフボールを使って最後の調整を行い、ゲーム全体との整合を取ります。
[37:32]
選択肢は非常に多く、Co-Pilotを含め、新しい手段が毎年、あるいは半年ごとに登場しているように感じます。
[37:41]
マーティとチームは、その人のゲームに完璧に合うクラブを選ぶだけでなく、「なぜその仕様にフィットしたのか」を理解できるようにしてくれます。
[37:49]
技術が増えたためフィッティングは複雑になったように見えますが、選択肢とツールが増えたことで、以前より簡単になった面もあります。ゴルファー自身も多くの知識を持つようになりました。
[37:57]
改めて言います。フィッティングを受けてください。そして、十分な知識を持つフィッターを選んでください。
[38:06]
K、LST、SFT、あるいはThriverでも、自分のゲームとプレースタイルに合うように正しくフィッティングされれば、どれも優れたクラブになります。
[38:17]
マーティ、ドライバー・フィッティングについて詳しく説明してくれて、ありがとうございました。
[38:20]
ドライバーはバッグの中で最も重要なクラブです。もっとフェアウェイを捉え、少し遠くへ飛ばせる一本を入れれば、ゴルフはさらに楽しくなります。
[38:28]
以上、「PING Proving Grounds Podcast」でした。
先ほど紹介したゴルファーは、ほとんど練習をしていません。
それにもかかわらず、クラブをフィッティングしたあとに自己ベストを更新し、一緒にラウンドした三人のシングルプレーヤーのうち、二人を上回りました。
アイアンのシャフト、ハイブリッドのシャフト、ライ角、ウェッジ、ソール形状、距離のつながりまで見直した結果です。
短期間に練習を重ね、新しいスイング技術を身につけたわけではありません。
変わったのは、クラブです。
では、なぜクラブを変えただけで、ゴルファーの結果まで大きく変わったのでしょうか。
この事例を考えるには、まず、
ゴルファーがクラブを動かしている
という、当たり前に見える考え方を一度見直す必要があります。
クラブは、それ自体では動きません。
ゴルファーが力を加え、クラブを動かそうとします。
この段階では、確かに人間がクラブを支配しています。
どの方向へ動かすのか。
どれくらいの力を加えるのか。
いつ動き始めるのか。
最初の入力を決めるのは人間です。
しかし、人間がクラブに力を加え、クラブが速度を持った瞬間から、両者の関係は一方向ではなくなります。
人間からエネルギーを与えられたクラブは、そのクラブ自身の物理特性に従って動き始めるからです。
クラブの質量、長さ、重心位置、重心距離、慣性モーメント、そしてシャフトの変形。
一度動き始めたクラブは、ゴルファーの意思だけに従っているわけではありません。
そのクラブが持つ性質に従って運動します。
まず確認しておきたいのは、ゴルファーはクラブのライ角を無視して構えることはできない、ということです。
クラブを地面に置けば、ソールの形状とライ角によって、シャフトがどの方向に立つかがある程度決まります。
そのシャフトを握る以上、ゴルファーの手元の位置も影響を受けます。
アップライトなクラブでは、シャフトがより縦に立ちます。
そのため、自然に構えようとすると、手元の位置は高くなります。
手元が高くなれば、同じ腕の長さのままでは、ゴルファーはボールに近づくことになります。
反対に、フラットなクラブでは、シャフトが横に寝ます。
そのため、手元の位置は低くなり、ボールとの距離は遠くなります。
整理すると、次のようになります。
ここで重要なのは、ライ角の変化が、単なるクラブの角度の違いでは終わらないことです。 “ライ角が変わると、ゴルファーの構えも変わる” の続きを読む
ライ角の説明を受けたことがあるゴルファーなら、一度はこの図を見たことがあると思います。
アップライトになるとフェースは左を向く。
フラットになるとフェースは右を向く。
その結果、
という説明です。
これはライ角の基本として広く知られており、PINGをはじめ、多くのクラブメーカーでも採用されている考え方です。

もちろん、この説明は間違いではありません。 “ライ角は、本当に方向だけの問題なのでしょうか?” の続きを読む
1. 金谷選手の例
上級者がG740を使うことは、決して不自然ではありません。
分かりやすい例が、金谷拓実選手のクラブセッティングです。
金谷選手は非常に高い技術を持つトッププレーヤーですが、長い番手側にはG系アイアンを組み合わせています。
これは、やさしさに逃げているという話ではありません。
長い番手で必要なのは、見た目の難しさではなく、必要なキャリーが出ること、十分な高さが出ること、そしてグリーンを狙ったときに止められる弾道になることです。
短い番手やミドルアイアンでは、プレーヤーズアイアンでスピン量、距離感、操作性を作る。
しかし、長い番手では、G系アイアンの高初速とやさしさを使って、キャリーと高さを確保する。
金谷選手のようなトッププレーヤーであっても、長い番手には役割に応じてやさしいヘッドを入れる。
この考え方は、上級者がG740を考えるうえで非常に参考になります。
2. ミドルアイアンより上をG740にする
上級者がG740を使う場合、現実的なのはミドルアイアンより上の番手です。
ショートアイアンまでG740にするというより、プレーヤーズアイアンでは高さやキャリーが不足する番手だけ、G740に置き換えるという考え方です。
大きい番手になるほど、入射角は緩やかになり、本来のG740アイアンの性能を引き出せるからです。
たとえば、i240の7番までは十分に打てる。
しかし、i240の6番になると高さが足りない。
さらに5番、4番になると構えただけで打てる気がしないならば、G740の7番、6番や5番が選択肢になります。
ただし、ここで注意しなければならないのは、番手表示です。
G740の5番アイアンは21度。
これは、i240の4番アイアン22度に近いロフトです。
G740の6番アイアンは24.5度。
これは、i240の5番アイアン25度に近いロフトです。
つまり、G740の5番はプレーヤーズアイアンの5番ではなく、実質的には4番相当。
G740の6番は、プレーヤーズアイアンの5番相当です。
上級者がG740をコンボに入れる場合は、番手で考えるのではなく、ロフト帯で考える必要があります。
3. ここで逆引き表を使う
PINGではモデル別に番手のフォルトを表示している票がありますが、非常に分かりにくいので、逆引き表を作成しました。
※セル内は「番手・ロフト/シャフト長」
| モデル\ロフト帯 | 19°前後 | 21〜22.5° | 24.5〜26° | 28〜29.5° | 31.5〜33° | 35.5〜37° | 40〜42° | 44.5〜47° | 49.5〜52° | 56° |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| G740 | - | 5I / 21°38.5 | 6I / 24.5°37.75 | 7I / 28°37 | 8I / 32°36.5 | 9I / 36°36 | PW / 40°35.5 | UW / 45°35.5 | 50° / 50°35.5 | 56° / 56°35.25 |
| G440 | 4I / 19°39.25 | 5I / 22°38.5 | 6I / 25.5°37.75 | 7I / 29°37 | 8I / 33°36.5 | 9I / 37°36 | PW / 42°35.5 | UW / 47°35.5 | 52° / 52°35.5 | 56° / 56°35.25 |
| i540 | 4I / 19°39.25 | 5I / 22°38.5 | 6I / 25.5°37.75 | 7I / 29°37 | 8I / 33°36.5 | 9I / 37°36 | PW / 42°35.5 | UW / 47°35.5 | - | - |
| i240 | 3I / 19°39 | 4I / 22°38.5 | 5I / 25°38 | 6I / 28°37.5 | 7I / 31.5°37 | 8I / 35.5°36.5 | 9I / 40°36 | PW / 44.5°35.5 | UW / 49.5°35.5 | - |
| BLUEPRINT S | 3I / 19°39 | 4I / 22.5°38.5 | 5I / 26°38 | 6I / 29.5°37.5 | 7I / 33°37 | 8I / 37°36.5 | 9I / 41°36 | PW / 45°35.5 | - | - |
| BLUEPRINT T | 3I / 19°38.75 | 4I / 22.5°38.25 | 5I / 26°37.75 | 6I / 29.5°37.25 | 7I / 33°36.75 | 8I / 37°36.25 | 9I / 41°35.75 | PW / 45°35.5 | - | - |
この表を見ると、G740の役割がはっきりします。
G740の5番は21度、38.5。
これは、i240の4番22度、38.5に近いスペックです。
G740の6番は24.5度、37.75。
これは、i240の5番25度、38に近いスペックです。
つまり、上級者がG740を入れる場合、
G740の5番を入れる、
G740の6番を入れる、
ではなく、
21度の高弾道アイアンを入れる、
24.5度のやさしいロングアイアンを入れる、
と考えるべきです。
この考え方をすると、G740は単にやさしいアイアンではなく、長い番手の高さとキャリーを補うための明確な選択肢になります。
上級者がG740を使うなら、飛距離だけで選んではいけません。
G740は飛びます。
しかし、上級者にとって重要なのは、飛んだ距離ではなく、そのクラブがセットの中でどの役割を持つかです。
金谷選手のように、長い番手にやさしいヘッドを入れる考え方。
ミドルアイアンより上で、高さとキャリーを補う考え方。
そして、番手ではなくロフト帯で逆引きして選ぶ考え方。
この3つを組み合わせると、上級者にとってのG740の使い方が見えてきます。
G740は、上級者がやさしさに逃げるためのアイアンではありません。
長い番手の成功確率を上げるために、性能を使うアイアンです。